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13年ぶりの改定、「環境ガイドライン」とは?
対象となるのは、企業が自らの責任で行う「自己宣言型」の環境表示だ。具体的には、自社製品やサービスの環境配慮を独自に訴求する事業者や業界団体が想定されている。
適用範囲は製品本体や包装に記載された説明文、シンボルマーク(いわゆる環境ラベル)、図表といった表示にとどまらない。広告やウェブサイトでの発信、企業の環境姿勢を示すコミュニケーションなども対象に含まれる。
ガイドラインの目的とは?
ガイドラインの目的は大きく以下の2つだ。
信頼性の確保:消費者が環境表示を信頼し、合理的かつ自発的に選択できるよう、正確で誤解を招かない情報提供を促進し、グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)の防止をする。
国際規格への準拠:グローバル展開やサプライチェーンからの要請を踏まえ、ISO/JIS Q 14020シリーズに沿った考え方を基本とする。
違反すれば法規制の対象になる可能性も
違反した場合、単なる「ガイドライン違反」にとどまらず、法規制の対象になる可能性がある。根拠が不十分な環境訴求は、景品表示法が禁じる「優良誤認表示*」に該当するおそれがある。
合理的な根拠が認められない場合、不当な表示の差止めや、再発防止のために必要な措置(措置命令)が取られることになる。このような法的措置だけでなく、グリーンウォッシュ企業としての社会的批判やブランド毀損につながる可能性が高く、企業レピュテーションへの影響が考えられる。
*優良誤認表示: 品質や規格について、実際よりも著しく優良であると見せかけたり、競合他社よりも著しく優良であると偽ったりする表示。

改訂案が示す「5つの基本項目」
1. あいまいな表現や環境主張は行わないこと
「持続可能性」「環境にやさしい」だけの抽象的な表現をしない
2.環境主張の内容に説明文を付けること
何が・どのように環境負荷低減につながるのかを明確に説明する
3.製品のライフサイクル全体を考慮すること
主張している環境改善が重大なトレードオフでないことを確認することが望ましい
一部の工程や部材に限定した環境配慮を表示する際には、何についての取り組みなのかをはっきり示し、受け手に誤認を与えないようにする必要がある
4.環境主張の検証に必要なデータ及び評価方法が提供可能で、情報にアクセスが可能であること
環境に関する主張の妥当性を確かめられるよう、根拠資料を誰でも参照できるようにする
(例:商品パッケージにあるQRコードから根拠が確認できる)
5. 製品又は工程における比較主張は LCA 評価、数値等により適切になされていること
「従来品より環境負荷○%削減」などは定量的裏付けが必須

フランスでは、すでに繊維製品で環境ラベル制度が義務化へ。同国で販売する国外の企業も対象。
もう一歩進んだ制度として、フランスでは2025年10月1日から環境ラベル制度「Affichage Environnemental」がスタートしている。
この制度は他の製品分野に先駆けて、衣料品、シューズなどの繊維製品分野で施行されており、しかも、同国で販売するフランス市場に製品を供給するすべてのメーカー・輸入業者・小売業者が対象となっている。
開始から1年間は企業による任意表示という位置づけだが、2026年10月以降は、メーカーや販売者が自社で環境コストを公開していない場合でも、第三者が製品の環境コストを算出して公表しても良い制度となるため、事実上、2026年10月以降全ての製品が何らかのかたちで環境スコア開示を迫る形になっている。

私たちの選択が、誠実な取り組みを後押しする市場をつくる
今回の改定で、企業の取り組みを社会全体で確かめ、より正確に評価していく土台が整い始めていると言えるだろう。私たち自身も“選ぶ力”を通じて、より環境に配慮した商品や企業を後押しできる時代に入りつつある。
今後の買い物では、企業がどのような根拠や情報を示して環境配慮を伝えているのか注目だ!
また、今回の改定に向けて、環境省は3月18日までパブリックコメントを募集している。改定に向け盛り込んでほしい内容など、誰でも意見を伝えることができるので、関心がある人はぜひ内容を読んで、直接、政府に意見を伝えてみてはいかがだろうか?
「環境表示ガイドライン」の改定案に対する意見募集(パブリックコメント)について
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195250079&Mode=0
