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ストーリー|2025.03.14

「森」が手がける「THE TINY SHOP」がルクア大阪に全国初出店!待望のリアル店舗の全貌に迫る

進化型古着屋「森」から生まれた編集型ショップ「THE TINY SHOP(ザ・タイニー・ショップ)」が、先月ルクア大阪に待望の実店舗をオープンした。古着を愛してやまないデザイナーたちの独自の感性でアップサイクルされた、可愛いく個性的な1点ものが集まる。ディレクターの井垣さんの出店への思いも聞いた。

原稿:白石 綾

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小さなお店で出会えるアップサイクル商品たち

これまで、オンラインショップと不定期開催のポップアップを中心に展開してきたTHE TINY SHOP(ザ・タイニー・ショップ)。特にポップアップでは、オープン前から多くの人が並び、整理券を配布する日もあるほどの盛況ぶりを見せてきたが、今回満を辞して先月28日に全国初となる実店舗をオープンした。

THE TINY SHOPの前身となる「森」(Shift C評価:素晴らしい)は当初大阪・中崎町の大規模店舗で古着を販売していた。その「大きな」店舗の対義語となる「小さな(タイニー)」店舗であることが店のコンセプトだ。

ルクア大阪の新店では、京都河原町にある進化型古着屋「森」の店舗では販売していない同ショップバイヤーがデザインするオリジナルリメイクブランド「Chinatsu Aoyama(チナツアオヤマ)」が常設されている他、系列の「RE;CIRCLE STUDIO(リサークルスタジオ)」で開発されたアップサイクル商品などを取り揃えられている。

全て1点もの!どんなアイテムが揃っているの?

京都・河原町にある「森」はメンズとレディースが半分ずつの割合に対して、THE TINY SHOPはレディースが9割だ。タイニー(小さな)という名前だが、アイテム数はアクセサリーや靴といった小物なども合わせて約500点と充実している。古着が6割、アップサイクル商品が4割弱、ごく1部の新品の商品を除きほぼ全て1点もののため、まったく同じアイテムは売り切れている可能性があるが、シリーズとして同じデザインで展開しているものもある。いくつか紹介するので、あなただけの特別な1枚を見つけて欲しい。

Chinatsu Aoyama(チナツアオヤマ)の商品は、メローステッチという特殊な縫製技術によるデザインが特徴的。一着一着古着をセレクトし、その洋服にあったデザインや配色を決めて作られているという。デザイナーの感性が溢れる型破りな組み合わせは唯一無二で見ているだけで心が躍る。

ブランド初となる新品の商品はumblo(アンブロ)とのコラボレーション商品。Chinatsu Aoyamaからの熱烈オファーで実現した。

バイヤーも兼任しているデザイナーが、買い付けの際に、新しいデザインについても考えながら古着をセレクトしているという。
アンブロとのコラボ商品。袖のカットや柄のミックスがチナツアオヤマのアップサイクルを思わせるが、これはブランド初の新品。

RE;CIRCLE STUDIO(リサークルスタジオ)は、古着や使われなくなった素材を解体、再構築して新たなデザインに生まれ変わらせるアップサイクルラインだ。定番のエコバックを生まれ変わらせたパンツやスカートの他、今期は、レース使いが可愛らしいアイテムや、フリンジがついたウェスタンなムードのアイテムを提案している。

トレンドのディテールやシルエットで、すぐに着たくなるアイテムが揃う。

古着を愛してやまないバイヤーたちが丁寧にセレクトした古着の上に福岡在住のアーティスト”NICE GOOD WORK”による手書きで「Don’t throw our future away(私たちの未来を台無しにしないで)」というメッセージが書かれたカットソーも人気。

手書きでメッセージが書かれたカットソー

今回の出店のために特別に作られたアメリカンヴィンテージキルトのラグを組み合わせたトレンド感のあふれるシルエットのアウターたち。キルトを当時作った人のハンドステッチや長年愛用されたからこその風合いや色落ちなども堪らない一品。かなりの人気の商品のため、気になる人はぜひ店に駆け込んでほしい。

近くで見ると、一つひとつ丁寧に作られ、愛用されていたことが伝わるキルトのラグを組み合わせたアウターたち。

これまで古着を買ってこなかった方たちにもアップサイクル商品を新しいファッションの形として届けたい

TINY SHOPでインタビューに応じてくれた井垣ディレクター

これまで古着好きが集まる京都河原町などで熱烈なファンを集めてきた「森」。関西一のショッピングエリアに出店したことは意外にも思える。しかし、ディレクターの井垣さんは「ルクアは僕たちが1番挑戦したかった場所」と語る。
「新しいアップサイクル商品を開発する時も、自分たちが面白い、良いと思えるかを意識しています。環境に良いからアップサイクルをやっているというよりは、新しいファッションのあり方を提案していきたいという感覚の方が強くて。そのため、古着好きの方ではなく、これまで古着を買ってこなかった方たちにもリーチしたいと思い続けていました。ここは自分たちの商品を届けたい人たちが買い物に来る理想的な場所でした」とこの場所への思いを語る。

実際オープン当初はTHE TINY SHOPの顧客が多かったが、日に日にTHE TINY SHOPを知らずに立ち止まる人が増えているという。「まだオープンして間もないですが、今までよりも幅広いお客様に知っていただけるきっかけの場所となっていることを実感しています」

古着の知識が豊富で、1つ1つのアイテムの背景を丁寧に教えてくれた井垣ディレクター

オンラインでは得られない体験で服への愛が芽生える場所に

THE TINY SHOPには、コーディネートのポイントになる個性的で今着たいアイテムが揃っている。これからこの店舗は、どんな場所になっていくのだろうか。

「古着ならではのアイテム1つ1つの生まれ変わる前のエピソードを知るという体験や、それをお伝えするスタッフとの会話から生まれる 『この人から買った』という思い入れは、オンラインショップでは絶対に得られませんし、これが服を大切に着ようと思う1つの要素になっていると思っています。古着だから良い、新品だからダメというのではなく、『大切に着ようと思う服と出会うこと』が環境にも自分にも優しい服との付き合い方の第一歩だと思います。このショップがお客様にとって、そんな風に思えると出会える場所、そんな気持ちを育み始めるきっかけの場所になったらとても嬉しいです。」と井垣さんは笑顔で語ってくれた。

古着という概念を超えた新しいファッションを創り出そうとしているTHE TINY SHOP。環境にも自分にも優しいブランドを探しているけれど、まだ古着には挑戦したことがないという方にこそオススメだ。あなたも大阪に訪れる際は、ぜひ足を運んでみて。

THE TINY SHOP(ザ・タイニー・ショップ)
所在地:〒530-8217 大阪府大阪市北区梅田3丁目1−3 ルクア3階
営業時間:10:30~20:30
https://www.instagram.com/the.tiny.shop.bymori/
[ONLINE STORE]https://mori-store.net/

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Stories behind 代表/鎌倉サステナビリティ研究所 スタッフ
白石 綾
アパレルブランドで販売や商品企画に携わる中で業界の課題を実感。イタリア在住をきっかけに、特に環境問題との関係に強い関心を抱く。2020年にMilano Fashion Instituteでサステナブルファッションを学んで以来、強い当事者意識を持ち、業界の問題解決に向けた活動を続けている。

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