「最近、サステナビリティに関する情報に前ほどワクワクしないな。」
「街に行けばみんな好きな服を着てる。私だけなんでこんなに環境負荷とか気にしてるんだろう。」
「私が頑張ったって、結局世界は何にも変わってない。」
そんなふうに感じているとしたら、もしかしたらそれは「サステナ疲れ」かもしれません。
ファッションに限らずサステナビリティに興味のある方なら、だれもがモチベーションのアップダウンを経験したことがあるでしょう。SNS疲れにはじまり共感疲れや配慮疲れ、たくさんの「疲労」がありますが、これは何かを一時的にやりすぎたり、小さなことを犠牲にしてきたことによる違和感なのかもしれません。このような疲れはサステナビリティへの配慮にも当てはまることで、日々の生活の中で知らず知らずのうちにあれをやらなきゃ、これはできないと「サステナ疲れ」を感じることは自然なことです。
それではこの「サステナ疲れ」、何が原因で、どのように付き合っていくのが健やかなありかたなのでしょうか。
「小さな成功」をしっかりと認めて、自分を喜ばせることも必要
サステナブルな配慮=正義感として、何かをがまんしていませんか?例えば、街ですごく可愛い服を見つけたのに、念の為Shift Cでブランドをチェックしてみたら評価が悪く、買うのを我慢したなど。その決断は素晴らしいですが、何度も続くと楽しくなくなってしまう原因になるかもしれませんね。
そのような場合は、自分が何を楽しいと思うのかを考えた上で、ちゃんと自分を喜ばせてあげてください。欲しかった服に似た、もっとサステナブルなブランドをShiftCで検索して発見するのもよいですね。または、Shift Cの投票機能でブランドに直接「ブランドが大好き」「もっとサステナブルな服作りをしてほしい」と伝えることも、エンパワメントになるかもしれません。または、本当に欲しいものがあれば我慢せずに買い、気分よく長く大切にしていくことが結局はサステナブルであるケースも多いと考えています。(「本当に好きな服、買っていますか?」参照)
または、自分の頑張りが大きなシステムの中では無意味に感じることが「サステナ疲れ」になる場合もあります。私はこんなに頑張っているのに気候変動は止まらないし、服のゴミは積み上がるばかり。フェアトレード製品を意識して購入して何十年も経つのに、労働者の搾取は終わらない・・・。サステナビリティに関するあらゆる行動は、一朝一夕に結果が出るようなものではありません。
大きなシステムチェンジにすぐには繋がらないもどかしさを感じて気分が落ち込むこともあるかもしれませんが、そんな時には「小さな成功」をしっかりと認めていくことが有効です。オーガニックコットンで作られたTシャツを買ったのなら、その分オーガニック農家をはじめ、オーガニック農法を推進しようという意思のある会社がさらに拡大するためにお金を払ったことになります。また、穴の空いた靴下を捨てずに直したのなら、その分地球上の有限な資源を有効活用したことになります。一つ一つの行動は小さくても、それはファッション産業や地球規模の資源配分に、都度メッセージを送っていることになるのです。そして靴下をちくちく直しているあなたの背中を家族や誰かが見ていることで、周りに波及してく効果もあるでしょう。それは決して無意味なことではありません。
終わりのないサステナビリティの旅。あなたの仲間はたくさんいる!
なにを隠そう、長年ファッションとサステナビリティを仕事にしている筆者も、精神的に余裕がないときなど「サステナブルファッションとかいって、意味あるの?」と思ったことがないわけではありません。ですので、このような思いを持ったときはまず、そう思うこと自体は悪いことではないし、誤解を恐れずに言えば「よくあること」と受け止めることが大切です。
その上で、どうして自分がそう感じているのか(がまんしてしまっているのか、力不足を感じているのかetc.)、少し立ち止まって考えてみてください。その後、必要なら少し考えるのをお休みしてもいいし、自分の行動の結果得た「小さな成功」を書き出してもいいし、5年後10年後にご機嫌で理想のサステナブルなライフスタイルを送っている自分を想像しながら一歩を踏み出してみてください。
悩みながらも進んでいく、仲間はたくさんいますから。
ーー
本記事は日本のユーザーの方のために、「多様で、健康的なファッション産業をつくる」ことをミッションに活動する一般社団法人unistepsが執筆しています。