エディターズコラム|2024.07.05

お直しのススメ

写真 Unsplash

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「しっくりこない服を、自分で変えてみる」

みなさんは洋服のお直し、したことありますか?

今ある服をそのままのものとして受け入れるのではなく、自分のサイズ感や好みに合わせて介入する、クリエイティブで楽しいお直し。皆さんのクローゼットを思い浮かべた時、捨てるのはもったいないけれどなんだか出番がない服、ありませんか?環境省によると、1年間着られていない服は1人当たりなんと35着。この休眠アイテムが、少しのお直しでスタメン復帰するかもしれません。さらに、服を捨てずにもう一年着れば、日本全体で約4万トンの廃棄削減になるというおまけつき。

お直しの可能性

服のお直しにはたくさんの方法があります。例えば:

・袖やスカート、パンツの丈が長すぎるor 短すぎる→丈つめ、丈出し
・ウエストやヒップの幅が大きすぎるor小さすぎる→幅つめ、幅出し
・白や淡い色なのに、シミを作ってしまった→コットンやシルク等の自然素材の場合は違う色に染めてみては?(ポリエステルの場合は染まらないことがあるかもしれません)
・シャツやニットに穴が空いてしまった→穴補修、かがり
・古くて裏地がボロボロに→裏地取替。いっそのこと好きな色柄を選んで楽しんでみては?
・肩幅が合わなくてシルエットがいまいち決まらない→肩幅変更
・生地は好きだけど形が今の私には微妙。→いっそのこと別のものに生まれ変わらせてみては?コートをジレに、スカートをバッグになど、可能性は無限大。

これ以外にもいろいろなことが可能です。裁縫ができる方は自分でやっても、YouTubeでやり方を検索して実践してもいいですし、街のクリーニング店や靴の修理屋さんでやってくれることもあります。

筆者はミシンを持っているので、簡単なものなら自分でやってしまいます。昨年、服の交換会で譲り受けたメンズのデニムジャケット。オーバーサイズでとてもかっこいいと思ったのですが、重すぎて肩がこり、1日の終わりには頭痛がしてくるほど。出番は減り、そのまま1年間クローゼットにかかったままでした。そんな時、たまたま雑誌で見たデニムのジレがすてきで、あ、これをあのジャケットで作ろう!と突然思い立ちました。袖を落とし、身幅も詰め、大幅に軽量化をはかった元ジャケット現ジレは、また第一線で活躍してくれています。

とはいえ、経年劣化で裏地がボロボロになってしまった祖母の形見のコートはさすがに自分で直す度胸と技術がなく、お直しのプロ、サルトさんにお願いしました。全国にたくさん店舗があるマジックミシンなどのお直し屋さんも頼りになりますね。コストは簡単なお直しなら1000円程度から数千円、コートの裏地総取替など複雑なものは数万円までとさまざまです。

金額の話が出ましたが、お直し内容と金額によっては「新しく買った方が安い」という場合もあるかもしれません。ただ、お直しをすればオーダーメードのように自分にぴったりあった服を手に入れられること、または大切なひとのアイテムをお直しによって受け継いでいったりすることも可能なこと(筆者は祖母のワンピースを、自分のジャケットと娘のワンピースに直し、唯一無二の4世代お揃いアイテムをゲットしました)などから、ぜひみなさんの選択肢にもいれて欲しいなと思います。

長持ちする服を手に入れて、ケアをし、そして何か変えたくなったらお直しという思考回路を実装すれば、クローゼットを開けて目の前にあるのは思い出の詰まった資源の山。なんだか楽しくなってきませんか?

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本記事は日本のユーザーの方のために、「多様で、健康的なファッション産業をつくる」ことをミッションに活動する一般社団法人unistepsが執筆しています。

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