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ニュース|2026.08.27

【気象予報士が解説】残暑はいつまで?2026年9月・10月の気温予測とエルニーニョ最新動向

2026年、酷暑日が34地点で最多更新となり、最高海面水温や千葉の豪雨など異例の気象が続いた。秋以降は確率95%でスーパーエルニーニョの発生が予想される中、これからの季節はどう変化するのか。夏から秋冬への気候の流れと見通しを気象予報士の吉良真由子さんに聞いた。

原稿:根本 緑

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2026年の夏、西日本では記録的な暑さとなる一方、関東では昨年より涼しく感じられる時期もあった。8月も半ばを迎えた今、季節はこの先どのように進んでいくのだろう。

6月に発表されたエルニーニョ発生の影響や猛暑の予測と実際の気温の推移を振り返りながら、秋から冬にかけての気候について、ウェザーニューズの吉良さんに伺った。

ウェザーニューズ気象予報士 吉良 真由子

ウェザーニューズ入社後、鉄道事業者向けの気象予測を担当しながら、気象予報士の資格を取得。2020年からデータ分析やカスタマーサービス、アプリ開発などを経験し、2025年から予報センターへ。ウェザーニュースLiVEでは、気候変動をテーマにした「100年天気予報」の動画解説を担当している。

「酷暑日」34地点で過去最多――2026年の夏、涼しく感じた関東と猛暑の西日本

2026年の夏は、最高気温40℃以上を記録する「酷暑日」が連日話題となり、気象庁によると8月18日時点で酷暑日は全国延べ34地点に達した。2025年の30地点を上回り、比較可能な2010年以降で最多となっている。 ウェザーニューズの分析では、7月の全国平均気温は過去4番目の高さを記録し、全国的に厳しい暑さとなった。

図|2026年の「酷暑日」(40℃以上)の地点数
8月18日時点で最高気温40℃以上を観測した「酷暑日」は全国延べ34地点となり、比較可能な2010年以降で最多となった。
出典:ウェザーニューズ

一方で、地域によって暑さの現れ方には違いがあった。関東では2025年ほどの極端な暑さにはならず、「少し涼しい」と感じた人もいたかもしれない。ただし、7月の気温自体は平年より高く、前年の記録的な猛暑ほどではなかったというのが実態に近い。8月に入ってからは、関東に涼しい東寄りの風が入りやすくなったことも、体感的な涼しさにつながった。

図|2026年7月下旬〜8月上旬のチベット高気圧の張り出し
7月下旬から8月上旬にかけてチベット高気圧が日本付近へ張り出した際のイメージ。2025年は日本全体が2つの高気圧(暑さの空気)にすっぽり覆われたが、今年は西日本〜中日本だけに重なって記録的な猛暑となった。
出典:ウェザーニューズ

こうした陸上の異例な猛暑の一方で、いま地球規模で大きな変化が起きているのが「海の温度」だ。

7月の海面水温は過去最高に。その影響とは?

酷暑日が過去最多となった今年の夏。陸上の暑さとともに注目したいのが、海の温度だ。

NOAA(米国海洋大気庁)によると、2026年7月の全球の海洋温度は20世紀平均との差が+1.02℃となり、7月として観測史上最高を記録した。

海面水温が高くなると、海から大気へ供給される水蒸気の量が増える。こうした変化は、大雨や台風などの極端な気象を強める要因のひとつにもなり得る。

今年の日本でも、8月に千葉県で記録的な大雨が発生した。こうした極端な現象が、温暖化した気候のもとで今後どのように変化していくのかも、注目したいポイントだ。

8月の千葉豪雨は「1万年に一度の発生確率を大きく超える」レベル

2026年8月13日から14日にかけて、千葉県では記録的な大雨が発生した。千葉市緑区から市原市東部にかけては24時間の解析雨量が574.2mmとなり、過去の気候では、この規模の大雨が起こる確率は約0.001%。最も雨量が多かった地域では、「1万年に一度」すら起きないほど、極めてまれな大雨だったとみられている。

今回の大雨については、2030年頃を中心とした将来の気候を想定したシミュレーションによる分析も行われた。その結果、同じような規模の大雨が起こる確率は、過去の気候と比べて最大2倍以上に高まることが示された。こうした結果は、温暖化した気候のもとで、これまで極めてまれだった大雨の起こり方が変化する可能性を示している。

そして、夏の記録を振り返ったところで、いちばん気になるのは「この先どうなるのか」だ。まずは残暑の見通しからみてみよう。

残暑はいつまで?9月は暑さと急な雨、10月は徐々に落ち着く見込み

8月後半から9月上旬にかけては、晴れて暑くなる日と、上空の寒気などの影響で突然雨が降る日を、周期的に繰り返すような天気になりそうだ。

北海道や東北北部では、低気圧の通過などによって少しずつ秋らしさを感じる日も出てくる一方、東日本から沖縄では高気圧に覆われ、晴れる日が多い見込みとなっている。

気温は全国的に平年より高い傾向が続き、9月いっぱいまでは、体感として「暑い」と感じる日が続く可能性がある。熱中症への注意も、引き続き必要だ。

では、10月も真夏のような暑さが続くのだろうか。

「平年より高い」といっても、真夏の暑さがそのまま続くわけではない。10月になると、東日本や北日本から徐々に気温は落ち着いていくとみられる。季節は少しずつ進む一方で、気温は平年より高い傾向が続く見込みだ。

そして、秋から冬にかけての気候を考えるうえで、もうひとつ注目したいのが、エルニーニョ現象だ。

秋冬にかけてエルニーニョは観測史上最大級へ。台風は「数」より「進路」に注意

6月に気象庁が発生を確認したエルニーニョ現象。数年おきに発生する自然現象で、日本では夏に気温が低くなりやすく、冬には気温が高くなりやすいという統計的な傾向がある。

ただし、2026年の夏は、偏西風やチベット高気圧、太平洋高気圧の張り出し方、暖かい空気の流入など、複数の要因が重なり、冷夏の傾向は明瞭には現れなかった。

では、エルニーニョはこの先どうなるのか。

NOAA(米国海洋大気庁)が8月に更新した予測では、10〜12月に「非常に強いエルニーニョ」となる確率は95%。秋から冬にかけて、さらに発達する可能性が高まっている

図|エルニーニョの強度別予測確率(2026年8月時点)
NOAAによるエルニーニョの強度別予測。10〜12月(OND)は「非常に強いエルニーニョ」となる確率が95%と予測されている。
出典:NOAA Climate Prediction Center(2026年8月13日更新)

つまり、エルニーニョのピークは夏ではなく、むしろこれから。その動向は、秋から冬にかけても引き続き見ていく必要がある。

日本では今後、暖冬傾向となる可能性もあり、その傾向がどの程度強まるのかがポイントになる。一方で、暖冬だからといって寒さや雪がなくなるわけではない。暖冬の年でも南岸低気圧などの影響で、太平洋側で雪が降るケースもあるという。

季節全体の傾向と、日々の天気は分けて捉えておく必要がありそうだ。

そしてもうひとつ、エルニーニョの発達とあわせて気になるのが、秋の台風シーズンだ。

今年の台風発生数は、年間でみると平年より多くなる見通しだ。ただし、8月以降の発生数そのものは平年並みの見込み。これから台風が急激に増えるというより、今年は前半から発生数が多かったため、年間を通してみると平年より多くなると予測されている。

図|台風の月別発生数(平年)
台風は8〜10月に発生数が多くなる傾向。2026年8月以降の発生数は平年並みと予測されている。
出典:ウェザーニューズ

注目したいのは、「どこで生まれ、どこへ向かうか」だ。 エルニーニョの発達に伴い、普段は台風が少ない海域でも活動が活発になり、これまであまり経験のない進路で日本に近づく可能性もある。一方で、台風の強さは海面水温や進路などにも左右されるため、「エルニーニョだから強い台風が増える」と単純に考えることはできない。

9月・10月は引き続き台風シーズン。発生する場所や進路にも目を向け、最新情報をこまめに確認することが大切だ。

変わる気候に、暮らしを合わせる

日々の暑さや雨に備えながら、気候情報を参考に、これからの暮らし方を調整していく。こうした考え方も、「気候変動への適応」といえる。

図|地球沸騰化時代の生き方改革 「#適応しよう」 キャンペーン
日々の暮らしのなかでできる、15の適応アクションを紹介。
出典:国立環境研究所 気候変動適応センター

夏服に一枚重ねたり、手持ちの服を組み合わせたり。気温の変化に合わせて装いをアップデートしながら、今ある服から新しい着こなしを見つけるのも楽しみのひとつだ。

秋は台風や大雨にも注意し、残暑のなかでの停電など、暑さと災害が重なる場面も想定して備えておくと安心だ。

海外で起きている熱波や干ばつも、食料の供給や価格などを通じて、時間をかけて私たちの暮らしに影響を及ぼすことがある。いま起きていることだけでなく、気候が変わることで、その先に起こり得る変化や国内外の動きにも目を向けておきたい。

そして、季節予報を参考に、旅の予定を思い描いたり、これからのファッションのアイデアを膨らませたり。変化する気候を知ることが、これからの暮らしを自分らしく整えるヒントにもなりそうだ。

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気候変動適応専門員/コミュニケーター
根本 緑
国の研究機関で気候変動適応に関する広報・コミュニケーションに携わる。「気候変動アクションガイド」の制作や著書『ADAPTATION アダプテーション 適応』を通じ、若者や生活者との対話を大切にしながら、気候変動を自分ごととして考えるための機会創出や普及啓発に取り組んでいる。

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