ライフスタイル|2026.06.26

サステナブルファッションと「語学」の意外な共通点

教科書の文法を暗記しても英語が話せないのと同じように、服とのサステナブルな付き合い方もまた、机の上で習得できるものではないのかもしれない。自身の海外経験をもとに、自然にサステナブルファッションを身に着けるコツをunistepの有加さんが考えてみた。

原稿:マルティンメンド 有加

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サステナブルファッションって、なんとなく「ちゃんと勉強しなきゃ」という気持ちになりませんか?

筆者は服と人との関係性に関するを出したり、関連する情報をいろいろなところで発信したりすることを仕事としていますが、そうすると、会う人に「勉強しておきます」と言われることがよくあります。それはその人が私と同じことに興味を持ち、大切だと思っているという連帯の気持ちの表明でとても嬉しいのですが、同時に少しの違和感に気づくことがあります。

その違和感の正体は、「サステナブルファッションって、勉強するものなのか?」という、未解決の問いです。

もちろん、勉強は大切です。たとえば天然は良さそう、人工のものは人にも環境にも悪そう、などの漠然としたイメージでは効果的な行動を起こすことは難しいでしょう。知識はそのまま行動の強度になり得ます。だから勉強は必要。

とはいえ、それだけじゃない、むしろ、それ以上に大切なものがあるのかもと感じています。

それは、サステナビリティがどれだけ体に感覚として染み付いているか。考えなくても、感じられるか、ということです。

たとえば、「服を1枚作るのに水が平均2300リットル必要*」と知ることは大切ですが、それよりも、一度コットン畑の灌漑設備や、巨大な染色工場の色のプールに圧倒されることで、服と水の関係性についてはじめて理解できることがあるのです。

これって語学の習得にも似ているな、と思いました。

語学の習得の方法は人それぞれです。でも文法などの知識に加えて、通じた、わかったと喜んだり、失敗して落ち込むことも含む実践が大切ということは、みなさん同意いただけるのではないでしょうか。行動して、感覚とともに体に染み込ませることで、だんだんと自然な状態でその言語を扱えるようになるのです。

わたしは必要に応じて英語を学んできましたが、アメリカ留学中にたくさん恥をかきながら言葉を感覚に叩き込んだ結果、はじめて夢のなかで使っていた言葉が英語だったことに気づいた朝ほど、「身についた感」があったときはありません。今は絶賛スペイン語を学習中ですが、その境地にはいつ辿り着けるのか・・・。

サステナブルファッションも、勉強するだけでなく、現場にいって工場の温度や光、においを五感で体験する、お直しや服のケアで手を動かしてみるなどの行動で身に付く感覚があります。

ですから、迷ったら、体を動かして、実践してみましょう。知識は頼りになるけれど、過信はできない。でも体をつかって得た感覚は、その先の行動や選択の心地よさに繋がります。体を持たないAIにはわからない、ひとりひとりの本質的な解に近づくことができるかもしれません。



*環境省 サステナブルファッションhttps://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/about/

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マルティン メンド 有加
「多様で、健康的なファッション産業をつくる」をミッションに掲げる一般社団法人unisteps理事。元INHEELS代表。サステナブルファッションをライフワークに、ファッション・自然・社会の交差点で気になる問いを言葉にしている。いちジャズファンとして、グルーヴとスウィング感のある文章を目指す。

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