Contents

まず大前提として、植物由来の原料を使った洗剤を選びたいが、ドラッグストアに並んでいるのは石油由来の原料を使った洗濯洗剤が大半を占めている。
『下水処理場できれいになるのだから、環境への負荷は変わらないのでは?』と思う人も多いだろう。確かに日本の下水処理能力は高く、排水の基準は厳しいと言われている。
しかし、排水として海に流れていく石油由来の化学物質はゼロではないし、離島や山間部など市街地以外のエリアでは排水処理が完璧ではないこともある。
環境に負荷の少ない洗剤を選ぶことが、きれいな海を守ることにつながるとイメージしながら洗剤をチョイスしたい。いくつかカテゴリーごとに紹介する。
石鹸・洗剤メーカーによる洗濯洗剤
1 シャボン玉石けん「粉石けんスノール」

「健康な体ときれいな水を守る。」がポリシーのシャボン玉石けん社は、以前は合成洗剤を製造・販売していたが、1974年に無添加石けんの製造・販売に切り替えた。この「粉石けんスノール」は同社の看板商品の一つ。成分は純石けん分(99%が脂肪酸ナトリウム)で生分解性に優れており、排水は短期間で水と二酸化炭素に生分解される。ふんわりと仕上がるので柔軟剤が不要。筆者は使い古したオーガニックタオルが再度ふわふわになるという感動体験があった(個人の感想です)。水温が低い時などは石けんカスがつくことがあるが、最後のすすぎ水にクエン酸を入れるなど工夫をするときれいに仕上がる。ウールやシルクにも使えるので経済的。
2 ミヨシ「お肌のための洗濯用せっけん 」

東京に本社を置くミヨシ石鹸社は、1953年頃から洗濯用せっけんを販売し、1986年より合成界面活性剤の使用をやめ、洗浄成分を純せっけん100%に切り替えた。以来、動植物の天然油脂を使用し、無添加にこだわり水とせっけん素地のみを使った商品を作り続けている。RSPO*認証の原料や、CO2削減効果があるといわれるサトウキビ由来のバイオマス容器を積極的に使用。2024年にはリブランディングを実施し、それまでの無添加マークを中心に置いたパッケージデザインから、「MIYOSHI」ロゴを中心に置いたシンプルでミニマルな印象のデザインへ刷新。また2026年3月には、粉せっけんもリリースした。
3 サラヤ「ハッピーエレファント 洗たくパウダー」

食器洗い用のヤシノミ洗剤が人気のサラヤ社が2012年にリリースしたハッピーエレファントシリーズは、グローバルブランドとして展開している。使用されている天然洗浄成分「ソホロ」は、酵母の発酵から作られる天然界面活性成分で安全性が高い。いわば“生き物”なので安定供給が難しかったが、同社は世界で初めて量産化に成功した。またソホロの原材料となるパーム油にはRSPO*認証のものを使用している。ほとんど泡が立たないので、すすぎ性にも優れているので、すすぎ1回でOK(サラヤ従来洗剤比較すすぎ試験による)。合成洗剤のような洗浄力を持ちながら、生分解性も高い。
*RSPO:持続可能なパーム油のための世界的なNGO
自然の循環を大切にする洗剤
4 がんこ本舗「海へ…®︎Fukii 詰替パック」

“化学を化学で正す“というポリシーの元、エコ洗剤のパイオニアとして知られる有限会社がんこ本舗が開発した洗剤。商品名の海へ…®Fukii(フッキー)には海をきれいな状態へ“復帰”させたいという願いが込められている。油汚れにすばやく浸透するラベンダー精油の働きで、一般的な洗濯洗剤より少ない界面活性剤で汚れが落とせる。また浮いた汚れが衣服に戻らないように再付着防止剤が使われているのですすぎが要らない(汚れが多い場合は1回すすぐことをおすすめする)。国際的な試験法であるDOC試験法によって高い生分解性が証明されており、アレルギーテストも実施している。使用の際にはガラス製のオリジナルボトル「千年ボトル」に詰め替えて使用することを推奨していて、量り売りをしている店舗もある。
5 Save the Ocean 「wellwash 海をまもる洗剤」

クリーニング専門店が、一着の服を長く着るために開発した洗剤。衣類の汚れをナノレベルにまで微細化させる「ナノ粒子分散」という洗浄力により、使用する界面活性剤の量を一般のものの1/10〜にまで抑えている。そのためすすぎは1回でよく、衣服への負担が少なくて済む。また、「え、こんな量で落ちるの?」と思うような洗剤の量でちゃんと落ちるので、一見高額な印象だが実はコスパがいい(量り売りをしている店舗もある)。生分解性テスト、水質汚濁テストの両方をクリアし、洗濯後の水は微生物によって分解されやすい状態となる。姉妹商品として濃色衣服・デニム用の「COLOR」、白い衣料用の「WHITE」などもある。
用途ごとに開発された新製品
6 アップサイクルリノ「 THE LAUNDRY DETERGENT FOR LINEN」

ネストローブから派生したプロジェクト/ブランドである「アップサイクルリノ」の名を冠した洗剤は、独自の発酵技術の研究を行うファーメンテーション社と開発した、7種類の特別な酵素を配合した麻専用の洗濯洗剤。天然素材由来成分を95%配合し中性で、麻独特の風合いを残しながら、繊維の奥に蓄積する脂や汗などの汚れを分解除去してくれる。コットン素材の衣服にも利用できるが動物性素材のウールやシルクには使用不可。無香料。
7 ビレイ 「ゆたかな森きれいな水+ 衣類用洗剤」

ビレイ社は、アウトドアスポーツで培った経験や最新テクノロジーを用いて、自然との共生やサステナブルな社会の実現に取り組む会社で、以前よりアウトドアウエア用の洗濯洗剤「ゆたかな森きれいな水」を発売していた。これに、ゴールドウイン社が監修に加わりパワーアップさせて、名前に「+」を加えて2026年3月にリリースしたのがこちら。他のアイテムに比べて泥や皮脂汚れがつきやすいアウトドアウエアは、きちんと洗うことで機能を維持させることが期待できる。洗浄力は高いが泡立ちが少なく、また香料などが配合されておらず残留成分が少ないため、ウエア本来の機能低下を軽減してくれる。ゴールドウイン、ザ・ノース・フェイス、ヘリー・ハンセンなどのゴールドウイン社が扱うブランドの直営店でも販売中。店舗によっては量り売りに対応している。
