ファッション|2026.03.17

時には消費を煽ることが、サステナビリティへの近道?

モノが溢れ、廃棄が止まらない現代。この「クレイジーな営み」を終わらせるには、あえてサステナブルな消費を「加速させる」ことが近道なのかも?未来を創るブランドを全力で推し、経済の仕組みそのものを塗り替える。そのための、「攻め」の選択について考えてみた。

原稿:マルティン メンド 有加

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ショッピングモール、量販店、アウトレットモール。

多くの企業が販売し、利益を出すためにできるだけたくさんの量をつくった物が並ぶ場所に行くと、この世にはこんなにもの服や、靴や、バッグが必要なのかと思わずにはいられません。ここにある物はすべて、動植物や石油など、地球から得た資源に人間が手を加え、形を変えて商品棚に並べられたりハンガーラックにかけられ、誰かがお金を払って手に入れるのを待っている物たちです。

生物の歴史上、ある生き物にとって必要なくなったものや排泄物は、何か他の生き物の役に立つというのが筋でした。何億年の間当たり前にそう回っていたのですが、今、人間は地球上で唯一、有害だったり、どの生き物にも役に立たない廃棄物を出す存在となっています。「このゴミ、どうするの?」そんな疑問自体、地球からしたら近代人類と共に急に降ってわいたトピックです。

売られているものが全てゴミと言っているわけではありません。かくいうわたし自身も、美しい商品に心躍ったり、何かの役に立つことを頑なに拒否しているようなバナナのチャームが欲しいと思ったり、できるだけ数ある選択肢の中から手頃な価格で物を手に入れたいと思っている、このシステムの恩恵を受けているひとりに他ならないからです。

しかし、恩恵を受けている身とは言え、この、地球の歴史から見るとクレイジーとしか形容できない営みを持続可能なレベルに落ち着かせるには、①量を減らすこと②作ってもゴミにならない、循環型のものづくりに変更すること両方が必要だということは間違いがなさそうです。物が溢れる世界は便利だけれど、目の前に提示される膨大な商品の量が今よりたとえば半減、つまり衣料品に限って言えば30年前の水準になったとしても、それはそれで適応できる自信はあります。

では、今のシステムから、①量を減らし、②循環型のものづくりに移行するにはどうすればいいのでしょう?①と②、どちらから取り掛かるのが現実的なロードマップなのでしょうか?

最近わたしは、まず②から取り掛かるのが吉なのではないかと考えています。もちろん実際には①適正量の実現も同時進行なのですが、②にも重きをおく、忘れないようにするという意味です。というのも、この世界が資本主義で動いている限り、①の量を減らすことは可能ですし実例もあるとはいえ、「それでは利益が減る」(しつこいですが、そうでもない実例もあるのですが)と尻込みをするのは当然のことです。であれば、まずは②の循環型のものづくりを実装して、そこから見える景色を確認した後、①の適正量にフォーカスを移すのはいかがでしょうか。

生活者のわたしたちは、まず、循環型だったり、サステナブルな配慮がされた商品を買うのです。無駄なものを買わない、消費を抑えることは強調してもしきれないくらい大切ですが、同時に、良いものには、それを作っている人たちへ「もっとやって!」という気持ちの表明として、お金を使うのです。サステナビリティに関心のあるインフルエンサーの方は、消費を煽るような広告案件は受けにくい状況かもしれません。でも商品や企業の取組が未来志向で循環型の場合は、思い切って推してください。


サステナブルな商品を買うことで、ファッション産業の問題は解決するのか?

Can we buy our way out of this?

こたえは、Noです。

でもそう言っていても、何もはじまらない。

消費者は我慢をすることで疲弊し、そして企業はサステナブルなビジネスモデルに変わる前に立ち行かなくなります。

ですから、「サステナ消費を煽る」というのは大変語弊がある表現だけれど、わたしたちがより良いやり方を見つけるために、期間限定で煽るのはアリなのかもしれません。一見、回り道に見えるけれど、もしかしたらこちらの方が近道だったというのはよくあることです。

必要なものがあれば、Shift Cのブランド評価で「3 ここから」「4 良い」「5 素晴らしい」評価を得ているブランドから購入し、応援しましょう。経済の、消費の、ショッピングモールの、埋立地の景色が変わることを信じて。

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マルティン メンド 有加
「多様で、健康的なファッション産業をつくる」をミッションに掲げる一般社団法人unisteps理事。元INHEELS代表。サステナブルファッションをライフワークに、ファッション・自然・社会の交差点で気になる問いを言葉にしている。いちジャズファンとして、グルーヴとスウィング感のある文章を目指す。

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