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エシカーニバルとはどんな取り組みなのか

「ルミネ・ニュウマン エシカーニバル」が7月10日から8月6日かけて、関東にあるルミネ・ニュウマン全15館で実施された。
“エシカル”と“カーニバル”という単語を合体させた造語であるこの取り組みは、夏・冬のバーゲンを進化させたもので、ルミネが掲げる「季産季消(季節を楽しみ尽くす)」という考え方に基づいたエシカル消費の新しい提案だ。季節を楽しみながら、環境や社会に配慮した消費行動を促すことを目指しており、2025年1月に続き今回が第2回目となった。
ルミネ横浜・ニュウマン横浜では館内ショップのエシカルなアイテムが当たるルーレットキャンペーン「エシカルーレット」を開催し、ルミネ池袋では青森の商業施設「A-FACTORY」との15周年記念コラボレーションを展開するなど、各館ごとの特性に合わせたイベントやキャンペーンが実施された。
旗艦店であるルミネ新宿でも、館全体と各ショップでサステナブルな取り組みが行われた。以前Shift Cの記事でも紹介したコスメの廃棄問題に着目した「COSME Re-Go-Round STORE(コスメ・リゴランド・ストア)」が今回も開催され、“購入者がコスメを救った“と実感できる参加型のイベントが人気を呼んだ 。
この会期中にはナチュラルコスメブランド「kiiks」をディレクションするモデルの水原希子さんを招いての、トークイベントやフォトシューティングイベントも開催された。

主要駅直結のアクセスの良いスペースで行われたサステナブルな行動の提案
ルミネはJR東日本グループを親会社とする商業施設のため、駅ターミナルに直結したアクセスの良さが特徴だ。
先述の「コスメ・リゴランド・ストア」が開かれたのは、ルミネ1の2階にあるGallery1で、ここはJR新宿駅の南口からすぐの場所にありアクセスが良く、エシカーニバル期間中に様々なブランドや企業のPOP-UPが開かれた。
7月23日から10日間、11のファッションブランドを取り扱うアパレル企業のメルローズが「MELROSE THNK.」というサステナビリティをテーマにしたPOP-UPを開いた。

これは、ファッションが世界を良くするために何をすれば良いかを考えるきっかけを作ることを目的とし、ルミネのエシカーニバルと連動させたものだ。今回のPOP-UPではコーナーごとに4つのテーマを持たせていた。
「Sustainable Think.」


ウガンダの「RICCI EVERYDAY」、フィリピンの「Coco & K.」といった、社会支援につながるブランドの紹介と、PLANE PEOPLEでセレクトしているサステナブルな食品の販売。
「Down’s Town」「GREEN PROJECT」
自社ブランドSoffito.のコラボ商品である、ダウン症者のアート作品を使用した「ダウンズタウンプロジェクト」のアイテムと、自社ブランドのリサイクルプロジェクト「GREEN PROJECT」の紹介。
「Revalue Market」

通常だと破棄されてしまう自社ブランドの規格外品やサンプル品を特価で販売。
「SO-MEL」

着なくなった服を黒く染める京都紋付の受付
ルミネのこれまでのサステナブルな取り組み
ルミネのサステナビリティを目指した取り組みを始めたのは古く、2000年以降には屋上緑化やLED導入など、ビル運営における省エネルギー化に努めていた。2011年に、「choroko(チョロコ)」という環境推進プロジェクトが発足されたが、ビーチクリーンや出店テナントとの合同ワークショップなど、店舗ごとに地域のパートナーと様々な環境活動を実施している。
2021年には「ルミネサステナビリティ方針」を策定、2024年からは10年ビジョンとして「グローバル&サステナブル」を掲げ、来客者ともに楽しみながら社会課題・地球課題を解決することを目指して活動を続けている。エシカーニバルはその流れを汲んだ、最新の取り組みなのだ。
独自の資源循環サービス「anewloop」とは

消費者からの『これまで大事に着てきた衣料品を廃棄することに罪悪感を感じている』という声を受けて、資源循環のプラットフォームサービス「anewloop」をスタートさせた。
これは不要になった衣服を設置されたボックスに入れると、ルミネのアプリ「ONE LUMINE」3,000マイルが付与されるもの(1ヶ月1回まで ※エシカーニバル期間中は5,000マイル付与)。集められた衣服は選別してリユース、リサイクルへと分けられる。
2024年6月から一部店舗でスタートし、2025年1月からルミネ・ニュウマン全館(藤沢店・川越店除く)で回収を開始。2024年度の総回収量は約2.3トン、CO2排出削減量は約1.4tだったのだという。

今回のエシカーニバルに合わせて回収ボックスがリニューアルされ、アーティスト、江頭誠氏による花柄毛布を利用した衣料品回収ボックスが設置されている。江頭氏は中古品や新古品の花柄毛布やリサイクルショップで調達した雑貨を使った立体作品で注目を集めるアーティストで、まさに活動そのものがサステナブル。 ボックスごとにモチーフとされる動物が異なるので、各ボックスを確認しながら利用するのも楽しいだろう。