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ストーリー|2024.11.26

プロが集結して子どもたちの七五三を祝う。シンゾーンの「いちご言祝ぎの杜」の取り組み。

アパレル企業シンゾーンは、2022年に「一般社団法人 いちご言祝ぎ(ことほぎ)の杜」を立ち上げ、2024年10月に公益社団法人化し、児童養護施設などで暮らす子どもたちのサポートを行なっている。その主な活動は、社会的な慶祝活動を行うことだ。取り組みの一つである、七五三のお祝いの場に同席させてもらった。

取材:横山佐知

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子どもたちの人生の節目に、プロフェッショナルたちが立ち会う

お邪魔したのは東京都大田区にある聖フランシスコ子ども寮。この日は6名の子供の七五三のお祝いをするという。全員の着付けとヘアメイク、写真撮影を行うのだが、それをサポートするためにファッション業界の最前線で活躍するプロフェッショナルが集結していた。しかもボランティアで、だ。

「髪に何つける?」
「うさぎ!」
「うさぎ? 右左どっちにつける?」
「両方!!」

この日の主役である子どもたちは前もって着たい着物を選んでいる。
順に、着付けのプロの婦人会の方たちに着物を着せてもらい、ヘア&メイクさんにセットをしてもらうのだ。用意された鏡の前に座り、最初は少し緊張していた子供たちも、髪にアイロンを当ててもらったり巻いてもらったりしていくうちにリラックスしていく。いつもと違う自分になっていく様子に、はにかみながら笑顔を見せ、現場は賑やかになっていった。

着付けが終わったら外に出て、写真撮影。普段からサポートしている近所の人たちも集まってきて、晴れ着姿の子どもたちに
「わー、可愛い」
「きれいね」
「素敵」
と歓声が沸く。
そして何よりの「おめでとう」の言葉に嬉しそうに反応している子供たちの様子に、見ているこちらも目頭が熱くなってしまう。

最後は教会へ移動し、神父さんから言葉をいただく。
生まれてきたこと、この日を迎えたことへの祝福の言葉だ。

子どもたちのいのちを祝う、「おめでとう」という言葉

そもそも「言祝ぎ(ことほぎ)」とは、書いて字のごとく、言葉によって人を祝福すること。「おめでとう」という言葉で、その人の存在を尊び、祝うことを意味する。
いちご言祝ぎの杜は、家庭の都合により親と離れて暮らす子供たちの節目の祝いを行なっている。
「様々な理由から児童養護施設で暮らす子どもたちが、たくさんの笑顔で溢れてくれたらいいな」
という(株)シンゾーン代表取締役 染谷裕之氏の思いから、以前よりファッションの力で社会的養護下にある子どもたち笑顔にしていた「イチゴイニシアチブ」とタッグを組んで立ち上がったものだ。染谷氏自身が代表を務めている。

それぞれの事情で家族と離れている子どもたちへのサポート活動は、今回の七五三の他に、誕生日や成人式、社会人としての旅立ちのお祝いもしており、これまで500名を超える子どもたちの人生の節目を祝ってきたのだという。
この活動の素晴らしいところは、母体となるシンゾーンだけでなく、他のアパレル企業ともタッグを組んでいるところだ。
これまで、(株)SHIPSが成人スーツ、(株)TSIホールディングスが女性服の寄贈を行なってきた。人気メイキャップアーティストのイガリシノブ氏による、母子生活支援施設でのメイクのワークショップも開催したこともある。

ファッションが人の心を豊かにする

2024年、いちご言祝ぎの杜は12の児童養護施設の七五三のサポートをし、代表の染谷氏は毎年全箇所に足を運び、この日のお祝いにも立ち会っていた。
「鏡の前に座ると、子どもたちの表情が変わるんですよね。今日も着付けやヘアメイクをしてもらって、祝福を受けて喜んでいる姿を見て、私の方が嬉しくなりました。人を助けているようですが、私の方が子どもたちの笑顔に与えられているなと改めて思いました」(染谷氏)。

“支援”というと、金銭的なものを連想しがちだ。しかし生活が厳しくなると優先順位が下がってしまうファッションをサポートすることは、その人の心を豊かにするものなのだと再認識した。

公益社団法人 いちご言祝ぎの杜
慶祝支援活動(2023年11月〜2024年5月)
活動地域 東京都、静岡県、大阪府、富山県
児童福祉施設 13箇所 66名のお祝い

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