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ファッション|2026.06.03

Shift C高評価のサステナブランド10選。デニム・ニット・シャツで選ぶ日本ブランド

「サステナブルブランド」と聞いて、何を思い浮かべるだろう?オーガニックコットン、草木染め、ゆったりとしたシルエット——そんなイメージを持つ人も多いかもしれない。しかし今、Shift Cで高い評価を獲得しているのは、産地や工場、素材開発に根ざしながら、日常で“リアルに着たい服”をつくるブランドたちだ。

本記事では、Shift Cで「ここから」以上を獲得した日本のリアルクローズ・ファクトリーブランドを10ブランド紹介する。

原稿:藤井由香里

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Shift Cの評価について

各ブランドの下に表示されているShift C評価は、世界最大級のサステナビリティ評価機関「Good On You」と連携したもの。ブランドの一般に公開された情報をもとに「地球」「人間」「動物」の3軸・最大900項目のチェックポイントでレーティングされており、「ここから」評価は、3軸のうち1つ以上のサステナブルな取り組みがしっかり進展しているブランドを指している。

ブランド 主カテゴリ 強み 評価
MOON CASTLE ニット 自社工場×ウール100%の正直価格 ここから
GEA / kone ニット 糸から考える服づくり ここから
near.nippon 日常着 産地と職人に根ざした日常着 ここから
RED CARD TOKYO デニム 長く穿きたい進化版デニム ここから
COOHEM ニット 自社工場が生むニットツイード ここから
WASHI-TECH シャツ・日常着 和紙100%の次世代ファクトリー 良い
UpcycleLino 日常着 廃棄糸を活かすアップサイクル ここから
Factelier 日常着 工場を守る仕組みを実装 ここから
10YC 日常着 10年着るためのサービス設計 良い
ashuhari シャツ・日常着 デッドストック生地で循環する服 ここから

Shift Cで高評価された、日本のリアルクローズ・ファクトリーブランド10選

では、実際にShift Cで「ここから」以上の評価を獲得したブランドを見ていこう。今回紹介するのは、単に“環境配慮”を掲げるだけではなく、素材開発や産地との関係性、工場との向き合い方まで、それぞれの思想をものづくりに落とし込んでいるブランドたち。リアルクローズでありながら、その背景には「長く着られる服」を支える確かな哲学が息づいている。

Shift Cでブランドを検索してみる

自社工場が生む、ウール100%の正直な価格「ムーンキャッスル(MOON CASTLE)」

Shift C評価:ここから

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大阪に自社工場を構え、ニットづくりを続けるムーンキャッスル。素材選定から編み立て、縫製までを自社で一貫管理することで中間コストを抑え、ウール100%のニットを1万円以下で展開するという、高い品質と優れたコストパフォーマンスを両立している。

Shift Cでは、「人間」部門で「良い」評価を獲得。少人数体制で生産工程を管理することで、労働環境の透明性を確保している点が評価につながっている。また、革やダウン、毛皮、アンゴラを使用しない素材選択も、「動物」部門での評価理由のひとつ。日常着としての誠実さが、そのままサステナビリティへと結びついている。

糸を知り尽くしたメーカーが、服の可能性を広げる「ジーエー / コーネ(GEA / kone)」

Shift C評価:ここから

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山形を拠点に糸づくりを追求する佐藤繊維が手がけるジーエー / コーネ。その根底にあるのは、「糸から考える服づくり」だ。素材の専門家だからこそ、原料、撚糸、編み地、製品までを地続きに捉え、素材の可能性を最大限に引き出す設計を追求している。

Shift Cでは、国内生産による輸送負荷の軽減や、「長く愛用できる製品づくり」が評価につながっている。また、サプライヤーを定期的に訪問する姿勢もポジティブな要因として挙げられた。素材を知り尽くしたメーカーだからこそできる、時間に耐える服づくり。その思想が、Shift Cの評価にも表れている。

必要なものを、必要な分だけ。産地と職人に根ざした日常着「ニアニッポン(near.nippon)」

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日本各地の工場や職人と協業しながら、伝統技術を現代のワードローブへと落とし込むニアニッポン。装飾性だけに頼らず、日常の中で自然と着続けたくなるバランス感覚が、このブランドの魅力だ。

Shift Cでは、ほぼ全サプライチェーンを追跡している点や、労働者の権利に関する声明を公開していることが「人間」部門で評価された。また、生産数を適切にコントロールし、過剰生産を抑えている点も「地球」評価につながっている。“必要なものを、必要な分だけつくる”という姿勢が、ブランド全体に通底している。

日本の感性が生んだ、長く穿きたいと思える”進化版REAL DENIM”「レッドカードトーキョー(RED CARD TOKYO)」

Shift C評価:ここから

リアルヴィンテージを思わせる立体的なウォッシュ加工や、アタリ・ヒゲのユーズド加工に、日本の繊細なクオリティが随所に宿るレッドカードトーキョー。「単なるワークウェアとしてのデニム」とは異なる視点から生まれた“進化版REAL DENIM”は、穿き心地やシルエットの美しさまで追求しながら、日本の感性をデニムという素材で表現している。

Shift Cでは、動物由来素材を使用していない点が「動物」部門で評価されたほか、自社事業で再生可能エネルギーを使用していることもポジティブな要因として挙げられている。デニムは流行を超えて長く付き合う服だからこそ、“長く穿きたいと思える完成度”そのものがサステナビリティになる。レッドカードトーキョーは、そのことを静かに証明しているブランドだ。

山形の自社工場が編み出す、世界に一つのニットツイード「コーヘン(COOHEM)」

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山形の老舗ニットメーカー・米富繊維から生まれたコーヘン。ブランドを象徴する「ニットツイード」は、異なる素材や色糸を掛け合わせながら編み立てることで、布帛のような奥行きをニットで表現した独自素材だ。そのクリエイションを支えているのが、自社工場を軸とした生産体制。素材開発から製品化までを一貫して行うことで、他にはない表情と品質を生み出している。

Shift Cでは、サプライチェーンの追跡や、サプライヤーとの継続的なコミュニケーションが「人間」部門で評価された。産地に根ざしたものづくりを続けながら、その背景まで丁寧に可視化していく姿勢が、ブランドの信頼性につながっている。

縫製工場から生まれた、和紙100%の次世代ファクトリーブランド「ワシテック(WASHI-TECH)」

Shift C評価:良い

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「和紙でつくる、未来をきる。」を掲げるワシテックは、縫製工場から生まれたファクトリーブランド。すべての製品に和紙糸を100%使用し、調湿性や抗菌性、軽さといった天然素材ならではの機能を、現代の日常着へと落とし込んでいる。

背景にあるのは、日本の縫製産業への危機感だ。国内アパレル生産比率が2.3%まで落ち込むなか、ワシテックは服づくりを通して、工場の技術そのものを未来へ残そうとしている。

Shift Cでは総合評価で「良い」を獲得。マニラ麻を含む環境負荷の低い素材の使用や、サプライチェーンでの再生可能エネルギー活用、動物由来素材を使用しない点などが高く評価された。機能素材としての革新性と、日本の縫製技術を次世代へつなぐ視点。その両方を内包しているブランドだ。

廃棄されるはずだった糸が、個性ある一着へと生まれ変わる「アップサイクルリノ(UpcycleLino)」

Shift C評価:ここから

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服づくりの過程で生まれる裁断くずを再び糸へ戻し、新たな生地として循環させるアップサイクルリノ。単なる再利用に留まらず、糸の太さや撚り、織り方まで細かく設計することで、独特の風合いを持つ素材へと昇華している。均一ではない表情やネップ感は、廃棄されるはずだった素材が持つ個性そのもの。だからこそ、一着ごとに異なる表情が生まれる。

Shift Cでは、アップサイクル素材の使用や国内生産による輸送負荷の低減が「地球」部門で評価された。また、サプライチェーンの追跡やサプライヤーとの継続的な関係構築も、「人間」評価につながっている。“廃棄を前提にしない服づくり”を、事業そのものとして成立させているブランドだ。

「工場を守る」という思想を、仕組みとして実装するD2Cブランド「ファクトリエ(Factelier)」

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日本各地の工場とユーザーを直接つなぐD2Cブランド。「誰が、どこで、どう作ったのか」を商品ページで可視化し、作り手の技術や背景ごと届けることを重視している。

Shift Cでは、「人間」部門で最高評価の「素晴らしい(5/5)」を獲得。国内生産に加え、ほぼ全サプライチェーンの追跡、そして賃金改善プログラムの実施など、労働環境への具体的な取り組みが評価された。また、「地球」部門でも、生産量を適切に調整することで廃棄を抑えている点が高評価につながっている。“工場を守る”という思想を、単なるストーリーではなく、仕組みとして実装しているブランドだ。

10年着るための設計を、サービスとしてブランドに組み込む「テンワイシー(10YC)」

Shift C評価:良い

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「10年着続けたい服」をコンセプトに掲げるテンワイシー。透明性、品質、持続性を軸に、服を売って終わりにしない仕組みづくりを続けている。たとえば、染め直しサービス「イロヘン」、二次流通サービス「アラタメ」、補修を前提とした「ツギタシ」など、服の寿命を延ばすための仕組みがブランドの中に組み込まれているのが特徴だ。

Shift Cでは総合評価で「良い」を獲得。アップサイクル素材の使用や国内生産、中古品の再販などが「地球」評価につながっている。また、サプライチェーンの透明性や、動物由来素材を避けた素材選択も評価された。“長く着る”を感覚論ではなく、サービス設計まで含めて実践しているブランドだ。

デッドストック生地と天然素材で、循環する日常着をつくる「アシュハリ(ashuhari)」

Shift C評価:ここから

「サステナな発想で生まれた女性のための服」を掲げるアシュハリ。シャツを中心に、天然素材の風合いを活かした日常着を提案している。洗いざらしでも美しく見える設計や、着込むほどに身体へ馴染んでいく質感には、“長く付き合う服”への視点が宿っている。

また、デッドストック生地を活用した服づくりや、REUSE MARKETによるリユース展開も特徴のひとつ。新品を大量につくるだけではない循環のあり方を、自然体で提示している。

Shift Cでは、環境負荷の低い素材の使用や国内生産が「地球」部門で評価されたほか、動物由来素材を使用しない点もポジティブに評価されている。

■ まとめ

産地、工場、素材、循環——今回紹介したブランドは、それぞれ異なる方法で“長く着られる服”を追求している。サステナブルファッションというと、以前は限られたテイストや価値観のブランドを思い浮かべる人も多かったかもしれない。しかし今、Shift Cで高評価を獲得しているブランドの幅は確実に広がっている。

ワシテックやテンワイシーのように総合「良い」を獲得するリアルクローズブランドが現れ、Factelierのように「人間」部門で最高評価を得るブランドも登場している。デザイン性と日常性、そしてサステナビリティ。その接点は、確実にアップデートされている。

サステナブルな視点から新しいブランドを探したい人は、ぜひShift CのブランドDBもチェックしてみてほしい。条件検索を通して、自分に合う一着と出会えるはずだ。

Shift Cでブランドを検索してみる

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ライター/エディター
藤井由香里
ファッションメディアのライター/エディター、アパレル業界での経験を経て、2022年に独立。現在は、ファッション、美容、カルチャー、サステナビリティを中心に執筆・編集を手がける。Webや紙媒体のコンテンツ制作に加え、広告制作、コピーライティング、翻訳編集など、多岐にわたるプロジェクトに携わる。

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