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伝農はるか(写真右)
東京都出身。大学卒業後、企業勤務を経て独立。Boody JAPANなどのプラスサイズモデル、イベント運営などで活躍中。
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友人からのギフトで知ったブランドの存在

伝農はるかが7NaNatural(ナナチュラル)を知ったきっかけは、去年の夏に友人の柴田紗希さんがコラボしたカラースティック「Ima」を送ってくれたことだという。柴田さんの人柄にリスペクトをもっていた伝農は、彼女が自分にプロダクトを送ってくれたことに意味を感じて、とにかく温かく幸せな気持ちになったと語る。
ネーミングやプロダクトに込められた思い、色使い、パッケージなど、細部まで素敵な要素が詰まったナナチュラルについて、ディレクターの中村圭さんにSNS越しではなく、顔を合わせてさらに深く、魅力を探ってみることにした。
7NaNatural(ナナチュラル)が掲げる7つのコンセプト
伝農はるか(以下、伝農) 私がナナナチュラルのことを知ったのは、去年の夏に友だちの柴田紗希ちゃんからコラボしたカラースティック「Ima」を送ってもらったことなんです。ネーミングも色も素敵だなと思って。まず、ブランド名についてお聞きしたいんですけど、なんでナナナチュラルって7という数字があるんですか?
ナナチュラル ディレクター・中村圭さん(写真左/以下、中村) 実は「ナナチュラル」なんです…(笑)。
伝農 え!? 知りませんでした。ナナナチュラルだと思ってました。すみません。

中村 いえ、いいんですよ。みなさん「ナナ」って呼んでくれてます。
ナナチュラルでは7Freedoms(セブンフリーダム)というコンセプトを掲げています。
母体はメディア制作会社で私はもともと編集者で、大手の化粧品会社のPRの手伝いをする機会もあったんです。その中で、個人的に疑問を感じる部分があったんですよね。
一生活者の目線から、化粧品を使う時に自分や周りの人が感じる罪悪感や、無駄のないものを使いたい、といった気持ちを集結させて作ったのがこのコンセプトです。
人と社会と地球環境が抱える課題をみんなで挙げていったら7つになって、これと向き合っていくブランドを作りますという宣言ですよね。それをナチュラルな方法で解決するということで、7とナチュラルを合わせてナナチュラルという名前にしました。
使い切れるサイズのカラースティックのイメージが、まず最初にあった

中村 カラースティックをメインに商品を作っていこうというのが最初のイメージにありました。好きな色を好きなように纏うことで、その人のマインドが変わってポジティブに自分らしく生きている人が増えれば、世界が変わるだろうなってビジョンもありました。人と比べたりトレンドに左右されずに、自分らしくメイクを楽しんでもらいたいという思いもあります(Trend Free)。
あと、化粧品って1個を使い切れないなってずっと思っていて。
伝農 分かります。絶対そうなりますよね。
中村 普通の口紅って、これの倍くらいあるんですよ。私自身も、以前は一度も口紅を使い切ったことなかったんです、アイシャドウとかも。統計をとってるところのデータを見せてもらったら、半数以上の人がコスメを使い切ったことがないそうなんですけど、でも新しいものを買ってしまう。
それって地球環境的にゴミがどんどん増えるし、大量生産・大量消費の中に自分がいるって時々思ってしまうけど、罪悪感なく、心地よく楽しめるコスメとかなんか体験があったらいいのにと思ってこのサイズにしました(Guilty Free)。

中村 Waste Freeについては、さっきのGuilty Freeにも繋がると思うんですけど、ゴミが出るって面倒くさいし地球環境的にも配慮をしたいなと思っています。カラースティックやカラーパレットの容器は再生プラスチックで出来ていて、バームなどはリサイクル率 100%のシンプルなアルミ缶を使っています。
あとカラースティックとカラーパレットを買っていただいた方には返送用封筒を渡していて、使い終わった容器を封筒に入れて送り返していただくと、提携しているグローバルのテラサイクルという会社に渡るのですが、そこは全部新しいマテリアルに生まれ変わらせるというリサイクルをしているので、本当にゴミが出ないんです。
使い切ってゴミも出なくて気持ちいい!という体験をしてもらうよう、チャレンジしてます。物を買った時に一番気分が上がって、そのあとは下がるだけで買ったことも忘れてしまうことって多いけど、ずっと心のそばにナナチュラルが居続けられるかなと思って。
容器を送ってくださったお客様には、ありがとうございますってメッセージと一緒に次の新しい体験をトライしてくださいという思いを込めて、ポイントをプレゼントするんですよ。体験がずっと循環するんですよね。大体のお客さんが容器を返送してくださって、小さいお手紙を添えてくださるんです。ほんと毎回感動しちゃうんですけど。
伝農 …すごい感動しました。喋ってる中村さんの表情からも、愛がめちゃめちゃ伝わってきます。
コスメに関してはあまり考えたことがなかったんですけど、例えばファッションで言うと、私はプラスサイズなので、フリーサイズとかワンサイズだけではなくて、大きいサイズとか小さいサイズも作ってしてほしいと思うんです。でもサイズ展開を増やしてしまうと在庫が増えたり、色々とプラスでお金がかかるから、標準的なサイズしか作れなくなっちゃう。それは仕方ないことではあるけれど、でもそこから一歩踏み出してお金をかけていくことが大事だよねって思っています。でも会社として、その壁を越えようとすることはいろんな理由で難しいって話をよく聞くんですよ。ナナチュラルはそういう難しいことを全部やってる。何も恐れずにやってる感じがします(笑)。
化粧品製造会社のコンペでアワードを受賞し、ブランドをスタート
中村 ナナチュラルを始めたきっかけは、商品を製造してくれている株式会社トキワが2020年に開いたアイディアコンペティションでした。トキワは日本で一番のシェアを持っているOEMの化粧品製造メーカーで、大手の化粧品会社の商品を受注して製造しているんです。
でも、これから未来のために化粧品の可能性を探ってみようということで、アイディアコンペティションを開いたんですね。
その話を聞いて、参加するのはタダだよねって参加してみたら、運よくアワードをいただいたんです。特典が、そのアイディアを形にするための製造費の支援をしてくれるというものだったんです。
伝農 すごいですね!
中村 ですよね! またとないチャンスなので、会社の社長に掛け合って新規事業部を立ち上げて、2022年3月にナナチュラルをローンチさせたという流れです。
だから他の大手のメーカーがチャレンジできないことや、やるべきことをチャレンジしないと意味がないと思って始めたんですよ。だけどやってみて、色々と壁にぶち当たってますけど。
伝農 みんなができないって諦めていることに挑戦し続けているのは、そういうことだったんですね。トキワさんのサポートを受けることができたのも、そこまでの過程で、正直に、真っ直ぐに問題と向き合い続けていたからですよね。
可愛い♡を入り口に、ブランドの世界観に共感を持ってもらう

中村 結構こだわりを持ってやってきているんですけど、小難しくサステナビリティとかを語るブランドにはなりたくないんですよね。
例えばカラースティックなんかは、成分にこだわっていて、ナチュラルで心地よくて、かつ色が可愛いものがそれまでなかったんですよ。ケミカルフリーで天然成分のもので作ると色調補正がすごく難しくて発色が良くないんですよね、くすんだりするんです。それを叶えるものを作りたくて、こだわって見たままの色がパッて色づくけど、ナチュラルなものを作ったんです。
世界観もカラフルに表現して発信しているので、シンプルに直感的に可愛いなと思って、7つのコンセプトを入り口にしてブランドを知ってじわじわ好きになってくれる方も多いですね。
以前、とある女子校の生徒会の子たちから連絡をもらって、とても校則が厳しいんだけどそれを変えていきたい。自分たちのスタンスを先生たちにどう伝えたらいいか一緒に考えてもらえませんか?と相談されたことがあります。お店で商品を見て可愛いと思ってくれて、サイトを見てみたら自分たちと考え方が合うって思ったそうです。
伝農 私も女子校で校則が厳しかったんですけど、結構反抗的な態度を取っていました。髪をちょっと茶色くしたり、ちょっとだけメイクしたり。でも正面から向かっていったことはなかったので、アクションを起こそうとしている女の子たちに今とても感動しています。
中村 そうですね。あとは京都で、女性を支援しているNPO団体から連絡をもらって、ワークショップを開いたこともあります。2時間くらいおしゃべりをしながらメイクをして、自分を好きになる、自分っていいじゃんって思うきっかけを作るようなお手伝いをしています。
その女子校の子たちも京都のNPO団体も、誰かがナナチュラルの世界観に共感してくれたことがきっかけで連絡が来て、一緒に何かやりましょうという話になっているんです。私たちが伝えているメッセージが伝わっているんだなっていう体験ですね。
伝農 本当に、ナナチュラルの思いが伝わっていることが、形になって見えるって素敵だし嬉しいことですよね。
中村 先ほどお話しした返送用封筒に添えられているお手紙などのフィードバックに支えられて、やっています。少人数で運営しているブランドなので、心が折れそうなこともありますけど、そういったメッセージが原動力になってまる4年、3月で5年目になります。

伝農 中村さんみたいな人、会ったことないです。環境問題や成分、素材などにこだわりを持って、透明性のあるものを作ることに力を入れている人たちと出会う機会は多いんですが、私が取り組んでいる内容に疑問を持って、『ここはどうなってるんですか?』と聞くと、あーそれはね…、みたいな感じで『そう書いてるけど、実はそこはやりきれてないんだよね』って返事が来ることが多くて、私としても、やらないよりはいいよね、みたいな感じで思ってたんですけど、なんかもう、中村さんはやりすぎてる(笑)。
中村 そうそう(笑)。でも気づいて違和感を持ったことは全て立ち止まって、自分たちには何ができるかを考えます。
例えば店頭用の什器が必要になったとき、紙で作るのは抵抗があったんですけど、一緒にやっていたデザイナーさんが、木屑から作るブロック状の素材を見つけてきてくれてそれを使ってます。ブロックの組み合わせでいろんな場所で使えるし、表面が汚れたら削ればいいんです。
あとは商品のレフィルについて、お客さんがアイディアをくれたり。
私たちがやっているのは、スペインのサグラダファミリアみたいなイメージです。ブランドがローンチしたらゴールじゃなくて、みんなでアイディアを出し合って改善し続けるブランドになれたらいいなと思っています。
取材を終えて
中村さんには今回初めてお会いしたんですが、とにかく目の前で私に聞かせてくれる言葉の1つ1つにエネルギーや魂を込めてくれていると感じて、真っ直ぐであることもそうだし、本当に愛に溢れる素敵な人であると感じました。
会って10分くらいで『あ、私もこんな女性になりたい。こんな素敵な人、なかなかいない』って心から思って、話を聞いていたら心がジワーって感動して涙が溢れてきたんですよ。本当に、女神様みたいな方で、”カラフルでユーモアあふれる自由の女神様”って感じです、まさに。
今年の春頃には新色リリースし、百貨店でのポップアップを開催予定だそう。
これからの展開も楽しみです!
