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今、最も勢いがあるリセール・マーケットプレイスのDepopをご存じだろうか。
2024年には、米国市場で流通総額(GMS)前年比成長率+32%を達成、登録者数4, 500万人を誇り、そのうちアクティブユーザーの9割が26歳以下。Depopの最新キャンペーンメッセージは「Where taste recognizes taste」。意訳すると、「感性が感性を引き寄せる」を謳っている。Depopは、単なるマーケットプレイスではなく、個人のユーザーを中心とし、互いに影響を与え合うファッションコミュニティを目指しているのだ。
その点がまさにDepopの競争優位性でもあるが、それだけではない。
販売および購買体験向上のロジック面、そしてコミュニティ主導でのリアルイベントや自己実現のサポートを通じて、エモーショナルな面でのサポートも手厚い。その両輪がまわる事で、高い成長率を実現できている。
それでは、詳しく見ていこう。

Depopはソーシャルネットワーク型アプリとして登場
Depopが持つユニークな「ソーシャル + マーケットプレイス」というポジションを理解するには、その創業の背景を少し説明する必要がある。
Depopは、2011年にイタリアのテックインキュベーター「H-Farm」でSimon Beckermanによってスタートした。当初は、彼が共同創設したファッション&カルチャー誌「PIG」の読者が、誌面で紹介されたクリエーターのアイテムを購入できるソーシャルネットワーク型アプリとして構想された。これが、現在のDepopの原型である。「雑誌連動型SNS」として始まったDepopは、個人のセラーに光を当て、購入者と繋ぐという特性は、創業時からDNAとして組み込まれていたのだ。
Depopで「ありたい自分の表現」と「なりたい自分の夢」が叶う
Depopで売買されているアイテムはとてもユニークだ。日本の最大マーケットプレイスでは、ユニクロが最も取引されるアパレルブランドだが、Depopでは一般の消費者が既存ブランドをそのまま販売しているだけではない…