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香港発、アジアのファッション業界に変革を与える環境NGOリドレスとは?
リドレスは香港を拠点に、アジアのファッション業界に特化した環境NGOだ。世界中のブランド、製造業者、学校、企業などと連携しながら、繊維とアパレルの最大の生産地かつ消費地であるアジアに重点を置き、活動を展開している。特に、アジアのファッションデザイナーや消費者を対象にした教育やサポートを通じて、環境負荷の軽減と循環型ファッション業界の推進に取り組んでいる。
サーキュラーデザインで未来を切り開く若手デザイナー求む!リドレス・デザイン・アワードとは?
ファッション業界は世界全体で2023年には約1.7兆ユーロ(約225兆円)規模と評価され、2030年までに年平均7.4%の成長が見込まれている。サーキュラーデザイン手法がその生産プロセスに採用されない限り、その負の影響はさらに拡大していくだろう。
また、製品の環境負荷の約80%がデザイン段階で決まるとされる中で、アパレル生産の一大拠点であるアジアのデザイナーの役割は重大だ。
リドレス・デザイン・アワードは、そのアジアで若手デザイナーを教育し、サーキュラーデザイン手法を用いたデザインで彼らがファッションの環境負荷削減に貢献できるよう支援するプログラムだ。
そのため、応募条件には以下などが挙げられている。
応募対象者:
- プロとしてのファッションデザイン経験が4年以下の若手デザイナー
- 英語でプログラム参加が可能な個人
使用素材:
- すべてのデザインにおいて、 廃棄される予定の素材や再生繊維を取り入れること
ファイナリストにはエキスパートからのメンターシップやファッション誌での特集などの特典も。
ファイナリスト10名には、香港への渡航費用を含むマスタークラスや教育プログラムへの参加、グランドファイナルファッションショー出場、ヴォーグ香港でのエディトリアル特集、そしてブランドとのコラボレーションやメンタリングなどのキャリアの転機となる貴重な機会が与えられることになっている。
世界で活躍する卒業生の中には、ShiftCで最高基準に選ばれる着物のアップサイクルブランドも!
リドレス・デザイン・アワードからは、毎年サステナブなデザイン思考の人材が輩出おり、プログラムの卒業生は330名以上にのぼる。
2018年には、ShiftCのエシカルレーティングで最高基準の「素晴らしい」に評価されているamaudのファウンダーでデザイナーのサラ・ジェーン・ファーガソン氏が特別賞を受賞している。
ファーガソン氏は、イギリスのロンドン芸術大学 ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでテーラーメイドを学んだ後、日本に移住。彼女のコレクションは、「もったいない」という日本の概念にインスピレーションを得ており、現在では、ほとんど日常で着られることのなくなった着物に着目。アワードへの応募にあたって、蚤の市で調達したヴィンテージシルクの着物を再構築し、現代的なシルエットに生まれ変わらせていた。
リドレス・デザイン・アワードには、英語・中国語で応募が可能。サステナブルな未来を目指す若手デザイナーは、リドレス・デザイン・アワード公式サイトで応募条件や詳細をぜひチェックしてみてほしい。