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楽しくおしゃれに「循環」を体感できる1日
「循環フェス」は、京都市を中心にZ世代やリユースに関連する様々なプレイヤーが集まり、新しい循環のムーブメントを生み出す場として2022年にスタートし、今回で第5回目を迎える。リユースやリサイクルに触れることができるワークショップや展示、ステージイベント、安心安全な食材で美味しいフードマルシェなどを通して、様々な循環の形を体験できるとあって、毎回1万人以上が来場する。
これからの未来を作るZ世代と共に
このイベントの最大の特徴は「Z世代と共に広げる」というコンセプトだ。
Z世代にフォーカスしている理由について、岩崎さんは「やはりこれからの未来をつくる世代であると同時に、気候変動の影響をより強く受けるとされている若い世代と新しい『循環』のムーブメントをつくっていきたいと感じています。これまでプレイベントも含め5回イベントを開催してきましたが、年々若い世代の来場者が少なくなる傾向がありました。そのため、前回から学生の出店料を無料としたり、ボランティアスタッフを学生だけに絞ったり、イベントにどっぷりと関わりたい学生には有償で働いてもらうなど、いかにZ世代と一緒に作り上げるかを大切にしています」と語る。
だれでも3点まで古着が持ち帰れる「¥0マーケット」から広がる活動の輪
イベントの人気企画のひとつが「¥0マーケット」だ。これは、ヒューマンフォーラム、コミュニティ・バンク京信、株式会社ジェイ・エス・ビー、安田産業株式会社、京都市の共同プロジェクトとして2022年9月より正式に取り組みが始まった使用済衣服の回収&循環プラットフォーム「RELEASE⇔CATCH(リリース・キャッチ)」で回収された古着から、お気に入りのものを3点まで無料で持ち帰ることができるというもの。
「RELEASE⇔CATCH(リリース・キャッチ)」により約2.5トンの衣類が回収され、¥0マーケットでは約2,700着の古着を来場者の手に渡ったことにより、CO2削減効果は72.12tとなったという。脱炭素効果に加えてさらに注目したいのは、¥0マーケットをきっかけとして来場者から参画者へとなってもらうための仕掛けづくりだ。
「¥0マーケットで、古着をお持ち帰りいただくためには『循環ズ』という循環フェスの公式LINEに事前登録いただきます。循環フェスやパートナー企業、学生団体などの情報や循環に関する取り組みの紹介などを発信していて、すでに3000名近くの方にご登録をいただいています。この公式LINEを通じて、次のイベントのボランティアスタッフや古着の仕分けスタッフの募集も行っていて、¥0マーケットを利用するということを糸口にイベントの趣旨に共感して関わってくださる方を増やしていきたいと考えています。最終的には公式LINEを通じたコミュニティーのようなものができたらいいなと思っています」と岩崎さんは語ってくれた。
トークセッションには「ライスメディア」が登場
当日は「新品よりもずっといい」をコンセプトに活動するパタゴニアWorn Wearが衣料品のリペア(ブランドを問わない)のワークショップを行う他、ノースフェイスやスピンズなど多数のお店で古着の販売が行われる予定だ。
また毎年豪華ゲストを迎えて行われるトークセッションには「日本で一番面白く社会を知れるメディア」がコンセプトのライスメディアが登壇予定だという。
視聴者の半分以上がZ世代のライスメディアの登壇に岩崎さんは、「ライスメディアの『楽しそう・面白い』というエンタメ性は循環フェスにも共通するところ。企業側は、環境に配慮した経営に変わらざるを得ない状況があるものの、消費者側も変わっていかなければ企業も持続可能な形で転換していくことは難しいと感じている。その中で消費者を動かす鍵となるのは、やはり『楽しい・面白い』というポジティブな感情だと思っている。このイベントをきっかけに一人でも多くの人に環境に対して考えてもらえるきっかけになれば」と語った。
あなたも循環のムーブメントの一員に
あなたも着なくなってしまったお気に入りの服を持って会場に足を運んで、だれかのお気に入りと交換しても良いし、様々なワークショップやトークイベントに参加して循環に対する考えをアップデートしても良いだろう。ぜひこの機会に新しい循環を感じてみてほしい。
■循環フェス
2024年11月3日 (日) 雨天順延2024年12月8日(日)
梅小路公園 七条入口広場
※マイバック、マイボトル、マイ容器、マイカトラリー等をぜひ持参して
https://junkan-fes.com
循環フェス 公式LINE
https://page.line.me/195ufxvq?oat_content=url&openQrModal=true
岩﨑仁志(いわさきひとし)
株式会社ヒューマンフォーラ取締役/
循環フェス実行委員会 委員長
アパレル小売ブランド「SPINNS」「mumokuteki」「森」など約70店舗を展開。サーフィン、ランニング、釣りなどを愛し、農業生産法人「塞翁が馬」にて有機農法でお米を作って17年。2022年9月より、京都市を中心に「循環フェス」や、古着の回収と循環インフラ構築事業「RELEASE⇆CATCH(リリースキャッチ)」を開始。