ストーリー|2024.06.19

PFASフリー!自然にも着る人にも優しいアウトドアウェア6選

レインウェアや調理器具など、撥水撥油加工に使われる「PFAS(過フッソ化合物)」。暮らしを便利にしてくれる一方で、生分解性がなく“永遠の化学物質”といわれ、最近は代替素材も登場している。自然のなかでも、雨の日にも、頼れる「PFASフリー」のアイテムを厳選して紹介。

原稿:長谷川 愛奈

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『PFAS』や『PFC』という言葉を耳にしたことはあるだろうか? 私たちが快適で安全に過ごすために広く使われている、身近な撥水加工の材料が『PFAS(過フッ素化合物)』だ。PFC、PFAS、PFOS、PFOAなど様々あり、いずれも分子構造はわずかに異なるが、撥水撥油機能をもつ有機フッ素化合物のことをさす。そして、これらの総称には『PFAS』が使われることが多い。

水や油をはじき、熱や薬品に強いという特性を持つPFAS。その特性から、過酷な状況で生命を守るプロ仕様のアウトドアウェアで活躍するほか、焦げつかない調理器具や食品の包装、洗剤などにも使われている。しかし、このPFASには生分解性がなく、自然に還ることはない。さらには、人や動物の体内に蓄積し、健康に悪影響を与える物質としてPFASは世界的に規制の動きが出ている。

大好きな自然の中で過ごすのなら、自然にも自分にも優しいアウトドアウェアが良いはず。PFASへの理解も深めつつ、選択の幅を広げられるように。今回は、PFASフリーのアウトドアウェアを扱う6ブランド・6製品を紹介!

海洋プラスチック汚染も削減!「パタゴニア」PFASフリーのハット

ウェーブフェアラー・バケツ・ハット ¥ 7,260
Patagonia

10年以上、製品ライン全体でPFASの使用を減らしてきた「パタゴニア」。改善につぐ改善の末、2024年春には、撥水加工を施した素材の総体積の約96%がPFAS不使用に!
そんな「パタゴニア」の手がけるバケツハットは、PFAS不使用なのはもちろんのこと、リサイクルされた廃漁網を使用している。海洋プラスチック汚染の削減に貢献しながら、機能面も抜群。丈夫でありながら通気性も良く、湿ったり蒸れたりする心配もなく日差しから守ってくれる。使わない時はコンパクトに収納して持ち運べる手軽さもポイント!

一年中アウトドアで活躍する「フェールラーベン」のカンガルーポケット付きアウター

Vardag Anorak W ¥34,100 
Fjällräven

「フェールラーベン」は、1960年に設立されたスウェーデンのアウトドアブランド。シンプルさと実用性を大切にしながら、自然環境を最大限に尊重したアウトドアアパレルとアウトドア用品を提供しているブランドだ。『PFC』不使用の製品には、製品説明に【PFC-free impregnation】のロゴマークがある。
耐久性に優れたアウターは、大きなカンガルーポケットと北欧ブランドならではのカラー配色が特徴的。ゆったりとしたデザインでありながら、フードや裾は調整可能。サイドのジップを開けることで簡単に着脱できるなど、さまざまな体型の人でもフィット感を感じられるような配慮も。アウトドアだけではなく、通勤・通学にも1枚持っておくと安心な、永く愛用できるアウターだ。

わずか152g! 軽くて防水性もばっちりの「モンベル」

スーパードライテック ピークシェルジャケット ¥24,200
mont-bell

2015年を境に、撥水成分を変更した「モンベル」。2020年からは、PFCを一切使用しない素材への切り替えを進め、現在では全商品の約6割の製品をPFCフリーにすることに成功している。
中でも紹介するジャケットは、防水膜や撥水剤にフッ素化合物を一切使用せず、裏地には植物由来のナイロンを約60%使用し、石油由来の原料を減らすとともに、二酸化炭素排出量の抑制にもつながっている。PFCフリーでありながら「モンベル」が取り扱う3レイヤー生地のレインウェアにおいて、史上最軽量で最も透湿性が高い。生地の縫い合わせで、余分な部分を取り除くことで軽量化し、表に縫い糸が露出しないことで強度にも優れる独自の縫製技術を採用。しっかりと水から守ってくれながら、しなやかな着心地となっている。

本格的なアウトドアの相棒となる「ジャックウルフスキンのポンチョ

タープトランスフォームポンチョ ¥17,600
Jack Wolfskin

ポンチョのサイドスナップボタンを外すと、真四角のファブリックに変身する2レイヤーポンチョ! ファブリックは防水シートとしても活用でき、各所にあるループを使えば緊急時の簡易タープとしても使える。あらゆる気候や天候でも高い快適性を提供するべく、進化し続けている「ジャックウルフスキン」。オリジナルの防水防風透湿機能『TEXAPORE(テキサポール)』を使用。PFCフリーでありながら、本格的なアウトドアアクティビティに対応する防水、撥水、防風、通気、の機能を持ち合わせている。
PFCフリーへの取り組みは2012年から着手し、2020年時点で全ての製品を100%PFCフリーに。更なる取り組みとして、生地や部材のリサイクル化を進めているブランドだ。

「キーン」の最上級モデルの防水シューズでいつでも軽い足取りに

ターギー フォー ウォータープルーフ ¥22,000
KEEN

このハイキングシューズは、接着剤不使用で優れた耐久性を誇る最上級モデル。反発性が長持ちするクッションのおかげで、いつでも足取りは軽く、ローカットのデザインが幅広い用途に応えてくれる。アウトドアだけではなく、街中でも歩きたくなる防水のシューズだ。
「身につけているものが、人や生き物を脅かしているとしたら?」という問いと、長年向き合ってきた「キーン」。2014年から対策にとりかかり、PFASの代替物質を選択。費やした時間はおよそ10,000時間。2018年からKEENシューズの全てが PFASフリーになっている。
製品のPFASを取り除き、キープし続ける技術と運用法を開発した「キーン」だが、「2025年までにアウトドアフットウェアからPFASフリーを」の目標を掲げ、これらの技術情報をオープンに公開している。「キーン」のHPから情報を誰でもフリーダウンロードできるのだから、驚きだ。

ナチュラル素材100%の快適さがうれしい「アイスブレーカー」

シェル+ コットン ウインドブレーカー(レディース) ¥27,720
icebreaker

「アイスブレーカー」は、ニュージーランド発のメリノウール製品ブランド。自然由来の羊毛から生み出される製品は、天然繊維ならではの優れた機能性と快適さをもたらし、アウトドア製品との相性も良い。
コットンとウールの天然繊維を組み合わせたウインドブレーカーは、ナチュラル素材100%!それでいて、PFCフリーの撥水加工を採用。急な雨、小雨の中の作業も運動時にさっと羽織れる。熱がこもりやすい脇下と背中の中央には、メリノウールのメッシュパネルがあるので、通気性もバッチリ。アウターでも、着心地の良さを体感できる1着。

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