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ファッション業界の常識を覆した革新的なコレクション「マザー オブ パール」
ロンドン発の「マザー オブ パール」は、ロンドンやコペンハーゲンのファッションウィークで発表されるレディースブランド。クラシックでありながらヒネリのきいたデザインで、ファッション性とサステナビリティの両立を追求している。
ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めるエイミー・パウニーは、ランカシャーの片田舎にある農場で自然に囲まれて育ち、ロンドンでファッションを学んだ後に「マザー オブ パール」へ。裁断室の掃除をするアシスタントからめきめきと頭角を表し、「マザー オブ パール」をエシカルブランドに転換しようと決意する。
環境負荷の軽減、社会的責任、動物への敬意に情熱を傾け、透明性の高いサプライチェーンでオーガニック素材や天然素材を使用。ファッション業界全体の変革をリードしてきた。2017年に「原材料から製造過程までサステナブルな『No Frills(飾りはいらない)』コレクションをつくる!」と一念発起し、顔の見える素材を求めてペルーやトルコを旅する彼女の姿は、ドキュメンタリー映画『ファッション・リイマジン』にもなった。
上の写真のIdaジーンズは、100%リサイクルコットンを使用。ヴィンテージ調のウォッシュにはオゾン処理が使われていて、水の使用を半減、薬品やストーンの使用も大幅に減らしている。
マザー オブ パール ShiftC総合スコア:良い
100%アップサイクルから生まれるラグジュアリー「E.L.V.デニム」
イースト・ロンドンのヴィンテージデニムを意味する「E.L.V. デニム」(国際配送可)。創設者兼クリエイティブ・ディレクターのアナ・フォスターは、ファッションエディターとして20年間活躍した経歴をもつ。素材は100%アップサイクルで、地元イースト・ロンドンで廃棄処分される運命にあった古着から、ディテールに凝ったユニークなデザインを生み出している。
生産もすべてイースト・ロンドンで、地元のテーラーや機械工、デザイナーたちに公正な対価を支払い、カーボンフットプリントを最小限に抑えているのも特徴だ。丁寧な手仕事によって生まれるクチュール仕立てのアイテムに加えて、オーダーメイドにも対応。
生地を第一に考えるアプローチは、昨年からはデニムの枠を超えて、ホテルのリネンを再利用してシャツやドレスに仕立てるほか、コーデュロイやシルク素材のアイテムも。廃棄物をアップサイクルして価値あるものに変え、地域社会にも貢献する彼らは、循環型ファッションの新境地を切り開いている。
E.L.V.Denim Shift C総合スコア:素晴らしい
北欧のミニマリズムと最高水準のサステナビリティ「トゥモロー」
デンマーク・コペンハーゲンで2018年にスタートした「トゥモロー」(日本への発送は問い合わせを)は、サステナビリティの最高峰であるノルディックスワン・エコラベルとEUエコラベルの両方に認定された世界初のデニムブランド。従来のデニム製造工程を一から見直し、原材料から生産、使用、廃棄、リサイクルまで、すべての工程で責任あるものづくりをしている。
100%オーガニックコットン、プレコンシューマー・リサイクルコットン、リサイクル・ポリエステルなど、より持続可能な素材のみを使用。ジーンズ1本につきコップ1杯程度の水を使って湿らせ、オゾンガスでインディゴを酸化させるオゾンウォッシュなど新技術を取り入れ、大量の電力が必要なレーザー加工機は使わずに生産することで、使用する水やエネルギーを最小限に抑えている。有害化学物質を排除し、有機漂白剤と有機染料を使用しているため排水もクリーンだ。提携するパタゴニアの縫製工場では、公正な賃金と安全な労働条件はもちろん、女性の権利向上にも力を入れている。サステナビリティのみならず、スカンジナビアのミニマリズムを備えた無駄のないシルエットとエレガントなデザイン、着心地のよさも魅力。
Tomorrow Denim Shift C総合スコア:良い