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国内の最高峰の技術を集めた「スーパーファブリックブランド」
2008年の設立以来、「日本発を世界へ」をミッションに掲げ、東京発・日本発のデザイナーズブランドやカルチャーを世界に届けてきたTOKYO BASE。
「STUDIOUS」「THE TOKYO」「CONZ」「JAPAN EDITION」など東京を映す最旬のセレクトショップや、“オール・メイド・イン・ジャパン”にこだわった自社ブランド「UNITED TOKYO」「PUBLIC TOKYO」などを発信してきた。独自の審美眼とイノベーションで、日本のファッション価値を世界へ広げている。
そんなTOKYO BASEの新たな挑戦が、2025年10月青山に誕生した「CITY TOKYO」旗艦店だ。この新店舗では、国内の高品質な素材や職人技術を結集し ”スーパーファブリックブランド”という新しい価値観を提唱している。
広々とした店内には日本各地の工場でつくられたハイクオリティなアイテムが並んでおり、糸から徹底的に吟味された生地を使ったアイテムは、触れるだけでその品質を実感できる。触れてわかるクオリティと同様に、見逃せないのが「タグ」だ。産地背景や、ものによっては工場名まで記載され、アイテムが完成するまでのストーリーを物語る。この「素材の可視化」が、CITY TOKYO最大のユニークさであり誇りだ。

たとえばメンズシャツには和歌山の、世界でも希少な編み機で編成した超ハイゲージを採用。縫製は岐阜で行い、タグにも細かな仕様を記載するなど、ユーザーに生地や産地の魅力を伝える工夫がなされている。
このシャツをはじめ、ラインナップするのは日本製の美学とサステナブル志向を融合させたアーバンウェア。素材・縫製・普遍的なデザインが30代中盤以降の目利き層から高く支持され、オープン直後から新規顧客も多数獲得しているという。
卓越した技術とクラフトマンシップが生む、メンズの極上シャツ&デニムの新境地

今季のCITY TOKYOのアイコンのひとつが、メンズのニットシャツだ。世界に1台しか存在しないという超ハイゲージ対応機を使って編み上げられたニット生地は、織物のような上品な表情を持ちつつも、ニットならではの柔らかさ・シワ知らずの扱いやすさ・抜群の肌触りを極めている。これを生み出す和歌山県のニット基布メーカー「カネマサ莫大小(メリヤス)」とは、更なる高みを目指した共同開発が続いているという。
そしてこの唯一無二の生地を縫い上げるのは岐阜の専門ファクトリー。和歌山の高級生地×岐阜の精緻な仕立てという二つの土地の匠の技を掛け合わせ、最高品質を追求する。

「今季は特に冬素材を拡充しました。コットン&ポリエステル混で、和歌山の究極の編み機を使ったニットシャツは、 “ネルシャツ的ポジション” の新顔です」
(メンズディレクター相原さん)
休日だけでなくタウンユースにも馴染む洗練された佇まい。ブランド専用のオリジナルファブリックも数種開発、他では味わえない特別な存在感を放つ。

もうひとつ、ぜひ手に取ってみてほしいのが、カシミヤをブレンドしたコットンデニムだ。
「糸そのものに豊かな表情があり、カシミヤ本来の穏やかな色みが表面にほのかに現れるので、あえて染色や色落ち加工は控えめに、素材そのものの個性で魅せる仕上がりにしました」
(メンズディレクター相原さん)
ダウンに関しては高品質なリサイクルダウンを品質重視で選定し、国内トップクラスの供給体制を整えているという。リサイクル素材については「リサイクル」というトレンドワードに飛びつくのではなく、素材のよしあしという本質を見極めて採用する。その審美眼をもって作られたショート丈のジャケットは、ダウンの切り替えを表に出さず、クリーンな外観を実現。ボリュームも緻密にコントロールし、機能性と上質感の見事なバランスを叶えた。

女性のための新しい贅沢。ウィメンズラインの革新と、日常に息づく上質

ウィメンズラインは、メンズラインの熟練技術と素材を共通基盤としつつ、ウィメンズだからこそ実現できる「心地よさ」と「高感度デザイン」の両立を打ち出した。中心に据えたのは、シャツ、ウールコート、レザーアウターと3つの代表アイテムだ。
「生地はメンズと同じように、工場と共同開発した素材を贅沢に使いました。一方で柄やシルエット、後ろ姿にこだわり、メンズとは一線を画すディメンション(立体感)を積極的に取り入れ、同じ生地であっても「女性のための形」にアップデートしています。また、忙しい女性たちにとって、洗ってすぐに着られるというのも大切なポイント。ケアのしやすさは、現代の“高品質”の条件だと考えています」
(ウィメンズディレクター山川さん)

産地を紹介する「素材タグ」が今年からウィメンズにも本格導入された。縫製が主に行われているのが、伝統と技の街・岐阜。ここから生まれる一着一着に、タグが信頼の証を与え、見えない価値まで伝えてくれる。
今後は、シルクブレンドなどラグジュアリー素材の展開もスタートする予定だという。

代表作はウールコートとレザージャケット。ストーリーが盛り込まれたウールコートは4モデルある。
3型はスーパー140’sウール×ビーバー加工で仕立てられ、たおやかな光沢と温もりを両立する「上質なのに毎日に寄り添う」1着だ。まさにクオリティと手の届きやすい価格との両立で、糸からこだわって染め上げるという、妥協なきチャレンジ精神も輝きを放つ。
もう1型はジロンラムのロングコートだ。生後5~7カ月のラムウールのなかでもジーロン地方の純血種からとれるメリノウールの最高峰を使っている。繊細な繊維と、高密度でありながら驚きの軽さと保温性を兼ね備え、一部カプセルコレクションやスペシャルピースとして展開する。
さらに注目は青山限定のレザーアイテム。姫路でなめした極上ラムレザーは1.0~1.1mm厚を厳選し、軽さとシャープなフォルムを両立。量産に頼らずアトリエ制作で丁寧に少量生産されるからこそ、唯一の存在感があり、都市の洗練を纏う一枚が完成する。
サステナビリティ哲学―「長く着る」美意識と廃棄ゼロへの挑戦
CITY TOKYOに限らずTOKYO BASEのサステナビリティは「在庫廃棄ゼロ」を重視した運用だ。「適材適量」の生産と柔軟な追加対応で、過剰な新作生産を避け、既存ワードローブと組みやすい“長く着られる服”を提供する。無理なセールに頼らず適正価格を守る。
作りすぎない、妥協しない。全てを届け切る覚悟
「大切にしているのは『作った在庫を、適正な価格で、責任を持ってすべて売り切る』という基本の考え方です。TOKYO BASEでは創業以来、焼却廃棄はしていません。また、原価率の高さも私たちの特徴ですが、モノの価値をできるだけ高め、安易な値引きに頼らずいいものを売ることも、最良の誠実さだと信じています」
(クリエイティブディレクター柿島さん)
その仕組みを支えるのが、日本製にこだわった柔軟な「追生産」体制だ。最初から大量に生産せず、市場の反応やリアルな需要に合わせて、必要な分だけを丁寧に仕上げる。在庫を適材適量に細かく調整し、余分な在庫を生まない工夫が徹底されている。この現場感覚と柔軟な対応力は、日本だからこそできるクラフトマンシップの結晶だ。
スターセール制度―売り切る文化を磨く、組織の結束
TOKYO BASEといえば「スターセールス制度」などセールススタッフの卓越した個の力も注目されるが、この売り切る文化を最前線で実践しているのがショップスタッフだ。単なる“売上競争”ではなく、どんなアイテムにも価値があり、きちんと届けきるためのプロフェッショナル精神を育んでいる。
現場スタッフ一人ひとりが在庫運用の意識を徹底し、組織全体で“売り切る力”を磨く。それはまさに、商品への愛情と責任感が「文化」となって根付いた証だろう。
そのひとつ先の、未来を着る。サステナビリティと在庫運用の新たな哲学
「サステナブル」という言葉がファッション業界のキーワードになって久しい。しかし、その本質は決して「エコ素材を使う」や「リサイクルを謳う」だけに留まらない。売り切る責任、作りすぎない勇気、そして何より「着る人の笑顔と満足」をゴールにした運用体制こそ、新しいラグジュアリーと言えるだろう。
CITY TOKYOの名はグローバルにもわかりやすく、日本ファッションの価値を武器に、国内20店舗体制の構築に加え、香港・韓国など海外展開も加速する予定だ。青山で始動したこの新たな挑戦。ここでメイド・イン・ジャパンの底力に触れてほしい。

CITY TOKYO青山
〒107-0062 東京都港区南青山3丁目17-15
CITY TOKYO 公式サイト:https://citytokyo.com/
CITY TOKYO 公式Instagram:https://www.instagram.com/city_tokyo_official/
