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ニュース|2025.08.19

第2フェーズへ入ったJASFAが描く、日本のサステナブルファッションが進む道

2020年にスタートした日本サステナブルファッションアライアンス(JASFA)。創業から5年を迎えた今年、NPOから法人となり、さらなるサステナビリティの加速を目指すという。日本のファッションが変わるポイントはどこにあるのか?

 

原稿:浦田庸子

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JASFAは8月1日に一般社団法人化したことを受けて、プレス向け発表会と第4期活動報告・第5期方針発表を行った。JASFAには現在70社が加盟しており、ブランド、商社、副資材メーカーからリサイクル企業まで、アパレルの川上から川下までさまざまな事業者が参加している。重点的に目指しているのは「カーボンニュートラル」と「ファッションロスゼロ」の2点だ。
その推進のために、政策提言などのパブリックパートナー連携や、勉強会も行っている。
では目指す「カーボンニュートラル」と「ファッションロスゼロ」の進展は、現在どのような状況なのだろうか。

2025年8月に行われた法人化の総会。会員各社が集った。

カーボンニュートラルは「計る」から「減らす」のフェーズへ

まずひとつめの目標「カーボンニュートラル」については、アライアンス内でGHG排出の算定方法を策定するところからスタートし、現在会員の65%にあたる45社がスコープ3までの算定を終えているという。(25年6月現在)

未算定である残りの35%に多くみられるのが、生活者が手放した後、いわゆる“静脈側”といわれる企業だ。衣類の回収、リユース(再販)、リサイクルにおける算定方法をどうするか、海外への輸送や販売を含む複雑なケースも多いため、ルールメイキングの最中だという。しかし、アライアンス内で先行する他社の実例を参考にしたり、業種ごとに話し合いを重ねて作り出してきた知見が役に立っており、脱炭素は「計測」の段階を終え、いかにして減らすかの「実践」に入っているといえる。

JASFA会員70社に向けたアンケートより、スコープ3の算定推進結果。64.3%が完了、15.7%がデータ収集が完了し取りまとめ作業に着手、4.3%が担当者や算定方法を検討・決定、11.4%が未着手、1.4%がNPO法人のため算定予定なし。

1000カ所以上のポイントをまとめた衣類回収マップも

ふたつめとなる「ファッションロスゼロ」については、2050年のあるべき姿を話し合いながら、各企業が取り組むべき施策を洗い出しているという。アパレルのサプライチェーン、バリューチェーンは長くて複雑だというのはよく言われることだが、そのどの部分に関わっているかにより、廃棄削減のためのアプローチも変わってくる。そのため、ライフサイクルを「製造」「販売」「長寿命化」「回収」「選別」「再流通・再資源化」の6つに分け、各段階での課題の検討が行われている。また回収・リサイクルすることでヴァージン素材よりも割高になってしまう現状から、いかに経済性を担保できるかも大きな課題だ。

さらに廃棄ゼロへ向けた循環の仕組みを作るには、消費者の参加しやすさが欠かせない視点だが、そのようなユーザーの「使いやすさ」に立って計画されているのが「回収拠点マップ」だ。現在参加企業やブランドなどでさまざまな回収サービスを行っているが、それらの「回収拠点」を合計すると1000カ所以上になり、これをひとつのウェブサイトマップとしてまとめて2026年夏めどに公開予定だという。

法人化にあたり代表理事に就任したECOMMITの坂野 晶氏は「ファッションは人々の生活に楽しさを与えるもの。サステナビリティを義務やコンプライアンスとしてとらえるのではなく産業全体で目指すことで、事業者も楽しさを実感できるはず。各社個別では何かしら取り組みをしているが、大きな流れにするために繋がらなければ」と語った。

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