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ブログ|2025.03.27

ボディポジティブとは、自分の身体をちゃんと理解すること。【Shift Changer】伝農はるかがプラスサイズモデルをやっていく上での信念とは

人の体型は体質や遺伝子が要因となっていることも多く、まさに多種多様なものなのに、太っている=悪と考える人は多い。自己管理ができていないから? 自分を甘やかしているから? しかし、そもそもなぜ痩せていないといけないのか? “見た目“とは何だろうか? 以前は自身もこの価値観に苦しんだという【Shift Changer】伝農はるかが、プラスサイズモデルを続けるうえでの考えを教えてくれた。

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伝農はるか
東京都出身。大学卒業後、企業勤務を経て独立。Boody JAPAN、Laveangeなどのファッションブランドのほか、manucurist、M・A・C cosmeticsなどのコスメブランドでもモデルとして活躍中。2024年、プラスサイズ女性誌「la farfa」のアンバサダーに就任。

プラスサイズモデルをやろうと思ったきっかけ

皆さん、こんにちは。伝農(でんのう)はるかです。
今回は、私がプラスサイズモデルをやっていく上での考え方やポリシーについてお伝えしたいと思います。
前々回の記事(【Shift Changer】伝農はるかが願う、誰しもが楽しめるファッションのあり方とは。)で触れさせていただいた話と繋がります。

簡単にまとめると、
私は、体型に関するコンプレックスを乗り越えたという経験から、同じ悩みを抱えている人の背中を少しでも押すことができたらと考え、SNS で発信を始めました。その中で、共感してくれる方がいたり、感謝のメッセージを送ってくれる方がいたりと、次第に「あぁ私にできることってこれなのかも」と思い始めました。そして、「モデルをしませんか?」とお声がけいただいて、やってみたというのが始まりです。

体型の関する考え方は人それぞれ

学生時代、スタイルの良い子の隣にいる自分はその子よりも太っていて、“醜い” “だらしない”という考えを持っていました。自分はその子たちよりも劣っていて、この体型は私のダメな部分だと決めつけて生活していたんです。

今思えばその原因は、私のネガティブな考え方のせいだけではなく、私が当時いた環境もあまり良くなかったのかも…。というのも、私の周りにいる人たちも、当時の私と同じ考えを持っていたんだなと思います。
痩せている方が良い、細い子が好き、可愛い=モデル体型
当時は、このような考え方が、私や私の周りの人全員に共通してあった認識だったように思います。

だから、ダイエットをして痩せて、自分もスタイルの良い子になりたかったし、なれないと誰からも認めてもらえないと思い込んでいました。

でも、今の私は、「どんな体型でも素敵」という考えを持っています。そして、周りにいてくれる友達も同じ考えを持ってくれていると感じます。だから今はもう、「自分はスタイルの良い子よりも劣っている!」とは思っていません。

人それぞれ感覚が違うのは当たり前。だからこそ、自分を誰かと比べて劣っていると思う必要はありません。自分は今のままで十分素敵だし、他の誰かもまたそれぞれに素敵であるという考えを持つことができるようになったのは、環境のおかげでもあると感謝しています。

私が皆さんに強く伝えたいことは、自分の感覚を信じて欲しいということ。そして、自分が良いと思うのであればそれは無理して直す必要はない。逆に良くないと思うのであれば改善すれば良いということです。

この時に考えなければならないのは、物事の良し悪しは自分の感覚であって、他の誰かの感覚とは異なる場合もある、ということ。人それぞれ感覚が違うことは自然なことで間違いはないので、自分の感覚を他人に強要することなく、いろんな感覚の存在を知り、受け入れていくことが大切なのです。最近でいう多様性という言葉にも繋がりますね。

医学的な根拠と健康について

先日ご縁があり、ノボ ノルディスクファーマ主催の肥満症疾患啓発セミナーを受けました。
テーマは
ノボ ノルディスクファーマ主催の肥満症疾患啓発セミナー
「肥満症って何?~正しい知識と正しい医療機関へかかることの大切さ~」

肥満症の定義とは

そのセミナーでは肥満症について詳しいお話がありました。肥満症とは、身長に比較して体重が多い状態=肥満であり、かつ肥満に関連する健康障害がある状態、また、医学的に減量を必要とする状態のことを言います。

高血圧、糖尿病、痛風、脳梗塞、睡眠時無呼吸症候群、生活習慣病、女性だと月経異常、不妊など、名前がついているもの以外にも、椅子から立ち上がる時に腰が痛いとか、立ちっぱなしだと足が痛くなるとか、肥満による健康障害は様々です。
これらは、ちょっとだけ生活に支障はあるけれどそんなに重要視するほどでもないかな…と思って放っておくと悪化して大事に至る。なんてことも。

体的な影響が出る前に、太っている自分を変えたい、改善のために努力したい。でも、継続が難しくてなかなか上手くいかない、という方もいると思います。

セミナーで知ったことですが、減量は必ずしも自分ひとりの力でできるものではないそうです。
肥満症は、生理的、心理的、環境的、遺伝的要因を含むさまざまな要因に影響される進行性の慢性疾患であり、個人の努力ではどうにもならないことがある、と聞いて、確かにそうかもしれないと思いました。

ダイエット(健康的な減量)に成功した人から言われたことがあります。
「努力したから、体型も維持できている。だからあなたは努力が足りないんだ。」
その人の努力を否定するつもりは一切ありませんし、それも一理あると思います。
でも「努力が足りない」という言葉に対して、100%その通りだとは思えないというのが私の意見です。

健康とはなんだろう

“健康”ってなんでしょうか。
BMIや体脂肪率などが基準値である
食品添加物や白砂糖、グルテンを避けた食事をする
一汁三菜を毎日3食取り入れる
肉や魚を断つ
炭水化物を控える
タンパク質中心の食生活にする
食べる順番を考える
ファスティングをする
バナナダイエット、燃焼スープダイエット
置き換えダイエット、一日一食ダイエット
プロテインダイエット、断食ダイエット
サラダ、鶏胸肉、さつまいも、サプリメント…

ネットが普及して様々な情報が飛び交う世の中。
どれが正しくてどれが間違っているのか。
もはやその判断は、誰にもつけられないというところまで来てしまっているとすら思います。

体質や遺伝子のバランスなどは人それぞれ。
一概には言えない様々ケースがあります。
一つの説を過信するあまり、偏った考えになっていませんか?

中には、ヴィーガンになって動物性食品を摂らないことで健康を崩してしまう人もいるし、ダイエットのやり過ぎで摂食障害になってしまう人もいます。
本当に自分に合ったものを見つけることは、そんなに簡単ではありません。

肥満症に関して私から伝えたいことは、
たとえ今疾患がなかったとしても、今後何らかの疾患に罹患する可能性があり、でもそれは肥満であろうとなかろうと同じであって、健康チェックは全ての人に必要ということです。
健康診断を定期的に受けるなど、しっかりと自分の体と向き合ってほしいですし、もしも自分の手に負えない時には、周りの人やお医者さんに頼ることも大切です。

心の健康について

私の心の健康状態ですが、学生時代よりも今の方が、明らかに健康であるといえると思います。
その理由は、かつての私は、自分を”ダメな存在”であると定義していたから。その”ダメな存在”を脱するために、ダイエットをして、ダイエットに失敗して。そうしてまた自分を責めて、自分で自分にストレスをかけていたというわけです。
他にも、誰かに「痩せた方がいい」や「デブ〜」などと心無い言葉をかけられて傷ついていたし、そう言われる自分を憎んでいました。まさに負のループ。同じような経験をしたことがある人、皆さんの中にもいるのではないでしょうか。

そんなときは、少しずつでいいから自分の意識を変えて、今の自分を認めてあげてください。そして、失敗をしてしまった自分を広い心で許してあげてほしいと思います。
いきなり全部は出来なくて良いんです。
「完璧に目標を達成できない=失敗」と思わないでください。自分の中で“バランス”を掲げて妥協点を見つけて、少しでも頑張れた自分を褒めてあげることが大切です。

健康というのは、単に身体的健康だけを指しているのではありません。心身ともに健康であることが重要です。そして、心と体の調子は密接に関わり合っていて、私はやっぱり心の幸せが体の健康にも繋がると思うんです。

「このままでいい」と「何もしなくていい」は違う

BMI*(Body Mass Index)はボディマス指数といって、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。子供には別の指数が存在しますが、成人ではBMIが国際的な指標として用いられています。
*BMI = 体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

私のBMI 30.47なので
日本肥満学会の判定基準では肥満(2度)
世界保健機関(WHO)の判定基準では肥満(1度)
に分類されます。

ただ、BMIはあくまでも身長と体重から算出した数値で、個人の筋肉量や年齢は考慮されていません。BMIだけで体型や健康状態を判断することはある意味危険ですが、私の数値が、私に減量の必要性を訴えていることは明らかですね。

私は食べることが大好きですし、どちらかというと運動は苦手です。
でも、何もしていないかというとそうでもなくて、実はランニングだったり、ヨガ、ピラティス、ジムなんかも行っていたりします。

最近久しぶりに、以前バイトをしていたお店の店長と会いました。
その方はいつもたくさん食べるし、お酒もたくさん飲む方で、健康面で心配だな〜と思う体型の方だったのですが、数年前よりも体型がシュッとしていたんですね。
話を聞くと、「体重は変わってないけれど、キックボクシングに通っているよ」と言っていました。
その方が今健康なのか、詳しいところはわからないけれど、運動を始めたことで見た目が変わったことに、私はすごく良いアクションだ!と思ったし、私も頑張らなくちゃと思いました。

人には基礎代謝というものがあって、基礎代謝は生命を維持するために必要なエネルギー量のことを言います。簡単に言うと基礎代謝が1500kcalだとしたら、それ以上のカロリーを摂取すれば体重が増えるし、それ以下のカロリーしか摂取しなければ減るわけです。

運動を積極的に取り入れることで筋肉量が増えたり、基礎代謝が上がったりすることも期待できるので、やはり運動って大切ですよね。

健康は心と体のバランス

ここまでお読みいただいて
「健康ってなに?」
そう聞かれた時に、パッと浮かんでくるのはどんなことでしょうか?

食事のバランス、適度な運動、ストレスの軽減
睡眠時間や質、生活環境 などなど…

私は、どれか1つが長けているよりも
バランスを保ってあげることが大切で、
生活の質が保てている=健康 なのかなと思います。

自分がふくよかな体型である上で、ボディポジティブや多様性、ルッキズムなどを発信していても、やはり風当たりが強い時もあって。いまだに「痩せたら?」とか「太り過ぎだよ」と言ってくる人もいます。

でも、私も何も考えずに生活しているわけではなくて、自分の体型に関する知識や、体型に関する考え方など、みなさんと同じよう日々勉強中です。そして、表に立つ仕事をしているからこそ、その内容を伝えていきたいし、伝えていくことが役目であると考えています。

少しでも誰かの心の支えになったり、誰かの力になれるように頑張りますので、皆さん、これからも応援よろしくお願いいたします。

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