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新しい夏に対応した「ホットウェザー・エッセンシャル」が登場
最高気温が40℃以上の日を指す「酷暑」という気象用語が、2026年4月から新たに加わった。度を越した夏の暑さは、私たちのライフスタイルや生き方にまで、じわじわ影響を及ぼし始めている。
パタゴニアの「ホットウェザー・エッセンシャル」は、風通しの良い、爽やかな天然素材のシャツやパンツなどを集めたコレクションだ。素材はオーガニックコットン、ヘンプなどで、変わりゆく夏をできるだけ快適に過ごせるよう混紡比率を調整し、改良を重ねたという。薄手の滑らかな生地感で、着心地も軽く、体をドライに、涼しく保ってくれる。デイリーユースに、旅に、ヘビーユースしたくなるラインナップだ。


このコレクションを特徴づける素材が産業用ヘンプと呼ばれるアサ科植物の繊維。速乾性、抗菌力、遮熱効果などに優れ、夏服への適性が高い。2018年にアメリカの農業法で商用生産が認められ、丈夫で長持ちする特性から衣類のほか、ロープや帆布、住宅資材、燃料までマルチに活用されている。

麻は薄地で涼しく、日本でも夏服の定番素材だが、ゴワつきや毛羽立ちがあるなど、扱いにくいイメージを抱く人も多いかもしれない。しかし、パタゴニアはオーガニックコットンなどと独自の配合で混紡することで、強度を維持しながらも薄くし、軽量感のある柔らかな素材へと進化させた。肌触りの滑らかさは、一見して麻とは思えないほどだ。

酷暑の服選びに取り入れたい、もう一つの視点
パタゴニアが産業用ヘンプを採用した理由は、快適さと機能性、耐久性などに加えて、もう一つ、栽培にかかる環境負荷が圧倒的に少ないことがある。産業用ヘンプは灌漑(かんがい)や化学肥料がほぼ不要で、乾燥にも強い上、3、4カ月でスピーディーに育つ。丈は数mにもなって根を深く張り、炭素を隔離することができ、土壌を回復させる力もあるという。
パタゴニアの店舗を訪れる人には山や海、川などで過ごす時間をこよなく愛する人が多いが、日頃から自然に接している分、気候への違和感も敏感に感じとっている。「早朝の登山客が急増している」「ランの時間を前倒しした」「サーフィンで通っていた海周辺が豪雨被害を受けた」など、常連客の間でも、活動が何らかの影響を受けたという会話が飛び交っているそうだ。
地球を救うことをミッションに掲げるパタゴニアでは2002年、創業者のイヴォン・シュイナードらが毎年売り上げの1%を環境保護活動に寄付する企業同盟「1% for the Planet」を設立。未来世代のために気候危機の根本的な解決を目指す草の根の環境活動を支援してきた。国内の助成先には、棚田再生を目指す兵庫県の市民団体、ゼロカーボンに取り組む白馬のスキー場ネットワークなどがあり、昨年度は60団体に約1億9200万円を寄付した。

支援するプロジェクトの一つに若者気候訴訟がある。二酸化炭素の排出責任を国や行政、企業に問う気候訴訟は世界ですでに数千件起きていて、若者気候訴訟も広がりを見せているが、日本で若者が原告となる裁判は初めて。全国から集まった10~30代の若者17人が、大手電力会社などの二酸化炭素削減の取り組みが不十分であることは不法行為に当たると、削減計画の大幅な見直しを求めて2024年8月に名古屋地裁に提訴し、現在も審理が続いている。
アメリカのサイエンス誌に載った国際研究チームの分析によれば、2020年生まれの子どもは1960年生まれの世代に比べ、気候変動の影響を最大7倍受けるという。今後排出する温室効果ガスの分だけ温暖化が進むことも科学的に示されているなか、今、司法に訴える必要性を痛感し、行動を起こした彼らのチャレンジをパタゴニアは支援している。

温暖化は人間活動による温室効果ガスの排出が原因であることは、もはや「疑う余地がない」といわれる。好きなフィールドで楽しみ続けるためにも、暑さへの適応と同時に、変わりゆく環境への想像力が必要だ。後戻りできない劇的な変化が起こってからでは遅いのが、温暖化の特徴でもある。
未来の自然とどう関わっていくか——、身近な消費行動も意思表示のアクションとなる。ホットウェザー・エッセンシャルは、酷暑での実用性とともに、環境負荷低減も実現させた「必要な人が、必要な場面で、できるだけ長く使うためのコレクション」だ。