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1986年生まれ、茨城県出身。俳優。舞台・映画・テレビ・広告など幅広く活躍。20歳でのカナダ留学を機に日本文化への関心が深まる。手ぬぐいや昔ながらの日用品を愛用し、縫物など手作業が趣味。日本舞踊は9年目。2015年からNHK・Eテレ「ふるカフェ系 ハルさんの休日」に出演し、全国150軒以上の古民家カフェを巡る。古民家建築の知見も持つ。
Website : https://gotawatabe.com/
Instagram : 渡部豪太オフィシャル ・ Gotas official
YouTube:白湯をのみながら
日本の伝統的な技術や知恵が宿るものを、日常のかたちに
Gotas(ゴタス)は、渡部さんが日本各地を旅する中で出会った伝統工芸や手仕事の魅力を、プロダクトを通して届けていくプロジェクトだ。つくり手の想いや素材の背景に耳を傾け、気に入ったものを長く大切に使う。そんな渡部さん自身の価値観が、そのままプロジェクトの軸になっている。

「Gotas」は、スペイン語で“雫”を意味する「Gota」から名付けられた言葉。20歳の頃にカナダへ留学した際、メキシコ人の友人から教わった、渡部さんにとって思い入れのある名前だ。複数形にしたのは、一滴の出会いが次の出会いを呼び、たくさんの縁へと広がっていくことへの願いを込めているから。
白湯や湧き水、温泉、銭湯など、水にまつわるものをこよなく愛する渡部さん。この名前には、水のようにしなやかに人や土地をつないでいきたいという思いも込められている。
「使い捨てる」ことへの違和感が、ものとの向き合い方を変えた
渡部さんが日本の工芸や手仕事に関心を持つようになった原点は、20歳の頃のカナダ留学にある。
「カナダへ留学したとき、日本のことを何も知らないなと思ったんです。そこから手ぬぐいを使い始めたり、民芸や工芸に興味を持つようになりました。途中でプラスチックフリーに関する本を読んだことも大きかったですね」(渡部さん)

以来、手ぬぐいや風呂敷、固形石鹸といった昔ながらの日用品が暮らしに根づいた。旅先では湧き水を探し、温泉は掛け流しを選ぶ。そうした暮らしを続けるなかで、渡部さんの中には「ひとつのものを長く使う」という価値観が自然と育まれていった。
「伝統的な技術が詰まったものって、すごく長持ちするんですよ。使い捨てのものとは違って、背景に物語がある。誰がつくって、どんな土地で生まれたのか。そういうストーリーごと好きになれるものに、自然と惹かれるようになりました」(渡部さん)

「僕、エコバッグひとつでも本当にボロボロになるまで使うんです。せっかく持つなら、自分が心からいいと思えるものを選びたい。そういうものって『それどこの?』って会話のきっかけにもなるし、その技術やつくり手の話もできるじゃないですか」(渡部さん)
気に入ったものを長く使い、その背景にある物語ごと誰かに伝えていく。
Gotasには、そんな渡部さんらしい価値観が息づいている。
新プロジェクト「Gotas」
Gotasでは、渡部さんが日本各地を巡りながら出会った伝統工芸や手仕事の中から、心動かされたものをプロダクトとして商品化していく。
第一弾となる今回は、群馬・桐生の染色工場「桐染-KIRISEN」と協業し、Tシャツや手拭い、トートバッグなどを展開。カラーは水の流れをイメージした「藍」と「錆納戸(さびなんど)」の2色を採用。時間や場所によって表情を変える水の様子を、桐染のグラデーション染めで表現した。


渡部さんは以前から、「いつか日本のものづくりに関わるブランドをやりたい」という思いを抱いていたという。その背中を押したのは、妻でありマネージャーでもあるパートナーのひと言だった。
「『10年間いろんなところを巡ってきたんだから、今度は見てきたものを伝えていく側になったらいいんじゃない?』と言われたんです。それがなんか、すっと腑に落ちて。『じゃあやろう』となりました」(渡部さん)

Gotasの土台になっているのは、この10年間の旅の記憶だ。2015年からNHK Eテレ「ふるカフェ系 ハルさんの休日」で全国を巡り、沖縄を除くすべての都道府県を訪問。150軒以上の古民家カフェを取材してきた。旅先では、道の駅に立ち寄り、地元の工芸品や民芸品を手に取るのが楽しみだったという。気づけば、自宅には各地で出会った品々が少しずつ集まっていた。

そんな旅の中で渡部さんが惹かれたのは、手仕事の奥にある人と人とのつながりだった。
「昔の人って、農業もするし、冬は家の中で編み物もする。隣の家の茅葺きを葺き替えるとなったら、町の人たちが集まってみんなで手伝う。そうやって知恵や技術を次の世代につないできたんですよね。もちろん今とは時代が違うんですけど、そういう循環みたいなものが、僕たちの世代でぷつっと途切れてしまっているような気がして。たぶん、それがどこか寂しいんだと思います。だからこそ、そういうものに憧れるし、素敵だなと思うんでしょうね」(渡部さん)
技術そのものだけではなく、その背景にある土地の記憶や人の営み、受け継がれてきた知恵に心を動かされる。その魅力を今の暮らしの中で伝えていきたいという思いが、Gotasへとつながっている。
第一弾は群馬・桐生の染色工場「桐染-KIRISEN」とコラボレーション
Gotasの第一弾として選ばれたのは、群馬県桐生市の染色工場「桐染-KIRISEN」。
その出会いもまた、旅の延長線上にあった。
「もともと手ぬぐいが大好きで、ずっと『いつかやりたい』と思っていたんです。そんな中で伊香保温泉へ行った帰りに桐染さんの手ぬぐいに出会って。見た瞬間に『これだ!』と思いました」(渡部さん)

1919年創業の桐染は、100年以上続く老舗染色工場。現在は4代目の平本友里さんが工房を率いる。平本さんは多摩美術大学卒業後、東京でグラフィックデザイナーとして活動したのち、家業を継ぐために桐生へ戻った経歴を持つ。
「工場へ伺ったら、すぐに意気投合しました。平本さん自身がデザイナーだからこそ、色使いに独特の感性があるんです。そこにもすごく惹かれました」(渡部さん)
「知りたい、使いたい、伝えたい」——Gotasに込めた思い
Gotasを通して何を届けたいのか。そう尋ねると、渡部さんは「いいものに出会ったとき、いつも湧いてくる3つの気持ちがある」と話してくれた。
「まず知りたい。そして使ってみたい。最後に、誰かに伝えたい。この3つなんです。知れば知るほど『こんなものもあるんだ』『これはどうやって作るんだろう』って感動が広がっていくし、『これをあの人に使ってほしいな』『似合いそうだな』と、誰かの顔も浮かんでくる。その感動をGotasを通してみなさんと共有できたらうれしいですね」(渡部さん)
今後は手ぬぐいや風呂敷、固形石鹸ケースなど、自身が日常で愛用している道具も展開していきたいという。さらに将来的には、Gotasを伝統工芸と人をつなぐプラットフォームへ育てていきたいと考えている。

「『Gotasを見れば、何か面白いものがあるんじゃないか』と思ってもらえるような場所になったら素敵だなと思います。でも、結果としてそうなれたらいいのであって、最初からそこを目指しているわけではないんです。一つひとつの出会いを丁寧に大切にしていく。その積み重ねの先に、Gotasらしい形ができていけばいいなと思っています」(渡部さん)
旅先で出会ったひとつの手ぬぐいから始まったGotas。渡部さんが心を動かされたものが、これからどんな形で人と人をつないでいくのか。その次の一滴にも期待したい。
Gotas公式サイト https://gotas.theshop.jp
