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ベイカー恵利沙
1989年生まれ、オレゴン州と千葉県育ち。モデルとしてキャリアをはじめ、ファッションスタイリスト、ライターなど活動の幅を広げ、2017年ニューヨークに拠点を移す。ファッションブランドとのコラボレーションを多数手掛けながら、ライターとして現地の情報を発信。気候変動を中心とした社会課題への関心が高まり、2023年には気候変動報道を中心にメディアの連携をサポートする団体”Media is Hope”に海外コミュニケーション担当として参加。日本と海外メディアとの橋渡しを務める。
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何を着てもなんだかしっくりこない、思い当たる3つの理由
なんだか最近、服装迷子です。
これまで大切に集めてきたお洋服たちはクローゼットにずらりと並んでいるのに、何を着てもしっくりこないし、どれもそんなに着たくない。
理由はおそらくいくつかある。
一つは、年齢。
年齢というのは、何歳だから短いものは履いちゃダメ、とか、何歳だからそんな格好はダメ、とか、そういう世間の常識と年齢の概念に縛られたものでは決してなくて、本当にただただ、自分のムードの問題。
好きなスタイルのベースはほとんどずっと変わらないけれど、やっぱり歳を重ねて、好きなムードというのは変わってきた。今年37歳になった私。洗練されているけれど、少しリラックスした大人の遊び心のあるスタイリングがしたい。今の年齢に合った、“ムードのシフト”をやんわりとしたい気分です。
二つ目は、髪型。
人生のほとんどをボブかショートカットで生きてきたのですが、コロナ禍で美容院にしばらく行けなくなったのをきっかけに、一回伸ばしてヘアドネーションしたいなという想いで伸ばしはじめた髪。もともとのウェービーヘアは、伸ばすほどそのウェーブが強くなる髪質で、今ではウェービーなふわふわのロングヘアに。
これまで、レースやフリルなどの甘めのブラウスに、ハイウエストのブルージーンズを合わせてレペットのフラットシューズを履くような、いわゆるフレンチスタイルが定番で大好きだったのですが、そんなスタイルは、実はボブやショートの髪型あってこそ、しっくりくるものだったのだと実感しました。
同じスタイリングを、今の髪型と年齢でやってしまうと、なんだかキュートすぎる感じがして、しっくりこないのです。

三つ目は、暮らしている環境。
中高大、そして仕事を始めてからも、生活の中心は東京。そして2017年にはニューヨークに引っ越しました。いわゆる世界の大都市での生活をしてきて、働いていた業界も、ファッション業界。なるべく毎日違う格好をしたり、少し履きづらくても可愛い靴を選んだり、短いスカートを履いたり、とにかく今よりずっと、自然とおしゃれに“気合い”が入っていたのです。
2020年に自然豊かなアップステート・ニューヨークに引っ越してからは暮らしが一変。イベントやファッションショーなどでマンハッタンに行く予定でもない限り、今ではほとんどが家で仕事をしています。今住んでいる、自然に囲まれた小さな街のムードも、“気合い”というものとは縁遠く、みんなとってもナチュラルに、リラックスして暮らしていて、“気合い”の入った服装は、なんだか暮らしとしっくりこないのです。週末にマンハッタンから小旅行に来るのに人気の街なのですが、面白いもので、マンハッタンから来た旅行客なのか、地元の人なのかというのは、服装を見れば大体一発で分かります。

そんな理由が重なって、今のクローゼットがなかなかしっくりこなくなってきてしまっているのかもしれない。
今のムードにアップデートさせるために、できること
今のムードと環境に合わせてクローゼットを一新できるのならばそれはきっと楽しいけど、そんなことは地球のことを考えても、お財布のことを考えても、もちろん現実的じゃない。
これからやらないといけないことは、こんなことかなと思っています。
・クローゼットの服を断捨離して、慎重に選択
・今のムードに格上げしてくれるアイテムを数点追加する
・スタイリングを工夫、研究する
クローゼットの中は、思い入れが強いヴィンテージの服や旅先で買った服が多く、それぞれに思い出があるものが多いので、断捨離にはなかなか苦戦しています。のんびりのんびりしか進められていないので、こちらはまた、うまくいったらご報告します。
2026年になってから、ムードの格上げのために追加したアイテムをご紹介します。(つまり、断捨離を完成させないまま、先にアイテムを追加してしまっているわけです、反省)
ちょうどこの原稿を書いている最中に、こんなニュースも飛び込んできました。
サステナブルの旗手が中国シーイン傘下へ エバーレーン、倫理的ブランド理念の終焉 / フォーブス・ジャパン
両社からの正式な声明はまだ出ていないですが、透明性とエシカルな生産環境と本質的なサステナビリティを約束し、ファッション業界をクリーンにするというミッションで人気を誇る、いわばサステナブルファッションの代表ブランドとも言えるエバーレーンが、ウルトラファストファッションで環境汚染と生産者の人権に大きな問題を抱えるシーインに買収されるというのは、あまりにショッキングなニュース。サステナブルなファッションブランドとはこの先どうなってしまうのだろうという不安で包み込まれています。なんだかますます、「サステナブルに新しい服を買う」ということが難しくなってきたような気がします。
ムードを可視化するためのPinterest
私が新しく向かい入れたいアイテムを厳選するときや、スタイリングの参考に使うのはPinterestです。スタイリングの写真を検索してまとめるのにはインスタグラムより便利で、今年の春夏の、私だけのムードボードを作っています。ムードボードは必ずしもスタイリングをそのまま真似するということでもなく、色合いやレイヤードの仕方が好き、というものも集めています。頭の中にあるムードが可視化されていくのはとても楽しいし、ついついこれまでの感覚で何かを買おうとするとき、今のムードを教えてくれる指標にもなってくれます。

こう見ると、やっぱりどこかリラックスしたムードと、ニュアンスカラーが気になるみたい。こうしたムードを参考にしながら、4つのアイテムを、ほとんどをセカンドハンドで購入しました。
2026年に購入した4つのアイテム
1.スリフトショップで買った、古着のリーバイスの黒のジーンズ
ジーンズは日々のスタイルに欠かせない。レースのトップスにジーンズというずっと変わらず大好きなスタイルも、これまでのようにハイウエストの薄いブルージーンズだと、なんだか甘すぎる感じがして今のムードと合わず、黒い腰履きのゆるっとしたジーンズに変えたらしっくり来るように。色と、シルエットが鍵でした。

2. The Real Real(ブランド品のセカンドハンドが購入できるアプリ)で購入した、Rejina Pyoのゼブラ柄のバッグ
Rejina Pyoは、この数年一番スタイリングを参考にしている、まさに今のムードのブランド。洗練されたスタイルでありながら、どこかリラックスした大人の余裕があって、これまでThe Real Realを使用して、いくつかRejina Pyoのアイテムを集めています。
ゼブラ柄のバッグは、スタイリングにピリッとした印象を与えてくれる気がして、今までの格好にこのバッグを合わせるだけで、なんだか今のムードに格上げしてくれて、購入してからとても頻繁に使用しています。

3. 同じくRejina Pyoの、紫のトップス(The Real Realで購入)
実はこのトップスは、数年前に買ったアイスブルーのトップスの、カラー違い。アイスブルーのトップスがとてもお気に入りでよく着ていて、パープルを買い足しました。パープルとか、イエローとか、今まであまり着なかったカラーを取り入れたい、というのも、最近のムードの変化。カラーの中でも、パープルはなんだか“肩の力の抜けた大人の遊び心カラー”、のような気がしています。

4. トリーバーチのパンプス(The Real Realで購入)
トリーバーチも、Rejina Pyoと同様に、この数年ランウェイショーのスタイリングに釘付けで、まさに今のムード。この数年、ファッションショーにも出席させていただいているのですが、スタイリングに迷ったとき、ランウェイの写真からインスピレーションをもらっています。普段ヒールはほとんど履かないのですが、このパンプスはショーで実際に見たときから心を奪われて、セカンドハンドで購入することが出来ました。
馬のようなモチーフの金具と、ヒールの形と絶妙な高さ、光沢のある素材。私の基本的にはシンプルでカジュアルなスタイルも、こちらを履くと洗練された印象にしてくれるのでは!と思っています。

ロマンチックなトップスにジーンズ、という定番のスタイリングを今のムードにアップデート
こんな風に少しずつアップデートしている、「ロマンチックなトップスとジーンズにフラットシューズ」という定番のスタイリング。最新版はこんな風になりました。

ポイントはジーンズのカラーとシルエット、ピリッとしたムードのバッグ。
これまでも定番で好きなスタイリングと、ベースアイテムや組み合わせの仕方は変わらないけど、印象はかなり違いますよね?

これからも、自分の好きを大事にしたまま、ちょっとのアップデートで、そのときの自分にも、環境にもなるべく心地良い形でスタイリングを楽しんでいきたい!ちなみに上の写真で着ているお洋服たちは、どれも今も持っているので、それぞれを新たなスタイリングで、また今のムードに合わせて着られるといいな。
