Shift Cのウェブサイトを訪れる方はきっと、気候変動やゴミ問題への危機感を多かれ少なかれ持っているのではないでしょうか。そしてその原因のひとつである、ファッションやビューティー産業を持続可能にしたほうが良さそうだというところまでは、わたしたちも合意できるのではないかと思います。
でもそんなコミュニティって、社会全体で見たらどのくらいの割合なのでしょうか?意外と小さいのかも、と思うのが、家族や友人と全く話が噛み合わなかった時。皆さんにもそんな、少し悲しくてもどかしいけれど、視野を広げてくれるような経験、ありませんか?
先日、筆者が所属するサステナブルファッションを推進する組織、unistepsでこんな経験についてざっくばらんに話す機会がありました。メンバーや関係者からは、「友人が気候変動自体に懐疑的で、同じ教育を受けてきたのにこんなにも価値観が違うのかと絶望」「気候変動の話に『でも諸説あるよね』とまっすぐな目で言われた」「これ数百円だったんだよ!とウルトラファストファッションの服を自慢されて変な空気に」と体験談がぞくぞく寄せられました。
こんなとき、サステナブルファッションをできればもっとたくさんの人に知って実践して欲しい、そして人間関係も大切にしたいと思うわたしたちは、どんな反応をするのが正解なのでしょうか。
サステナビリティに情熱を注げば注ぐほど、その前提さえも共有できない人とのコミュニケーションは負荷を伴います。場合によってはもう話したくない、と思ってしまうこともあるかもしれません。
しかしunistepsメンバーで行ったのは、まず、そのような価値観が異なる人は、周りにいた方がいいという事実確認。同じ意見の人ばかりが周りにいると議論が先鋭化し、社会のなかにインパクトをもたらすどころか孤立してしまいかねません。異なる意見や立場の人を含めた社会を見渡し、次の一手を考えましょう。
もしも語れそうな雰囲気であれば、「わたしはサステナブルファッションっていうものが好きで・・」とやんわり進めてみるのもアリかもしれません。
話せそうでないのであれば、次にできることは背中を見せていくことです。真っ向から啓発しようとするのではなく、自分が楽しくサステナブルファッションを実践していることを、見せるのです。そうすると、全員ではありませんが、あとで、ときには数年後に効いてくることがあります。
「そういえばさ、あなたが前に言ってたあのサステナなんとかのことなんだけど・・・」
そうきたら、心の中で「キター!」と叫びながら、あんな本読む?こんな記事読む?このブランド知ってる?これ自分でお直ししたんだよ!あなたもやってみる?と相手のペースに合わせながらも全力で受け止めましょう。
タイミングは、ひとそれぞれ。それぞれのタイミングがきた時に、楽しそうにサステナファッションを実践している身近な誰かでありたいものです。
本記事は日本のユーザーの方のために、「多様で、健康的なファッション産業をつくる」ことをミッションに活動する一般社団法人unistepsが執筆しています。