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両国発、サステナブルな日常着「10YC(テンワイシー)」
東京・両国を拠点に、アパレル経験を持つ4人の仲間が集い立ち上げた「10YC(テンワイシー)」(Shift C評価:良い)。アパレル業界が抱える課題に真摯に向き合い、「着る人も作る人も豊かに」を理念に掲げ、2017年にブランドをスタートした。
毎日着るものだからこそ、着心地と手入れのしやすさ、耐久性にこだわり、日本各地の卓越した技術を持つ工場と直接関係を構築して生産を行う。10YCの服は手入れのしやすさに優れており、部屋干し3時間で乾くアイロン不要のシャツやジャケットは、ビジネスシーンでもプライベートでも活躍必至。
自社製品のリセールも積極的に行い、必要な場合は染め直しを施すことで服の寿命を延ばし、次の誰かにつないでいる。
実店舗は持たないが、月に数回オフィスを開放しており、予約なしで商品を見に行くことができる。ウィメンズやユニセックスも展開している。
濃淡糸が織りなす、暮らしに馴染む服「フィルメランジェ」

「フィルメランジェ」(Shift C評価:良い)は、「Made In Nihon」をコンセプトに心地の良い日常着を追求するブランド。原料となる「わた」の選定から「糸」「生地」「縫製」まで、自社で徹底的に開発している。
25SSのRecycled Denimシリーズでは、不要素材を粉砕して糸に戻す「反毛」技術を取り入れ、残糸や古着を集めて選り分け、粉砕して素材本来の色を引き出し、フィルメランジェならではのヴィンテージ調のメランジカラーを作り出している。

REGGIE / レジー Recycled Denim / melange one wash ¥39,600(税込)
新色の杏グレーには、ピンクやグリーンなど多色の糸が混ぜ織られ、それがグレーという色合いを生み出している。適度な薄さは春夏期の上着としてぴったり。ユニセックスやレディースアイテムも充実。
残糸や残反の魅力を引き出す「ライテンダー」
アパレル業界で余っている原料に着目し、2020年秋冬に始動した「RYE TENDER(ライテンダー)」(Shift C評価:ここから)は、通常は廃棄される運命にあった残糸や残布を新たな価値へと転換するアップサイクルプロジェクト。
「スティーブンアラン」出身のデザイナー小池勇太がニューヨークで得たインスピレーションを基に、「自分たちの手の届く範囲で持続可能な循環を生み出したい」という強い願いが込められている。
量が限られている残糸は、ボーダー柄の一色に使うなど、素材本来の魅力を最大限に引き出すデザインプロセスを採用している。
オーストラリアのミニマルなメンズブランド「Bandsome(バンサム)」
「Bandsome(バンサム)」(Shift C評価:良い)は、季節を問わず、タイムレスに着られる服を誠実に作るメンズウェアブランド。
シドニーの本社から15km以内で裁断、縫製、洗い加工をすることで、CO2の排出を減らし、オーストラリアの産業のサポートにつなげている。バンサムの生地はすべてエコテックス®スタンダード100に準拠した水性染料を使用して染色されており、ピケおよびジャージーコットン製品はGOTS認証を取得している。
デザインはミニマルでどこかきちんとした印象を与える。アイテムによっては遊び心のあるスマイルマークがワンポイントになっている。
ブラジルの森を守る、スタイリッシュなスニーカー「カリウマ」
シティボーイの足元を彩るなら、ブラジル発のスタイリッシュなスニーカーブランド「カリウマ」(Shift C評価:良い)がおすすめ。
全商品のうちの65%の製品がオーガニックコットンやリサイクルPET等を用いたヴィーガン仕様。レザーやスエードの使われているモデルに対しては、皮なめし業者に対しての環境への影響や倫理的基準に従っていることを示すレザーワーキンググループの最上ランクであるゴールドランクを取得している。
さらに、「CATIBA pro」をはじめとするスケートボードシューズのモデルも展開。耐久性と優れたグリップ力を備えており、スケボー愛好家の間でも人気を集めている。どれも1足購入されるごとに2本植林される仕組みとなっており、これまでブラジルの森林に250万本が植えられた。
廃棄予定の素材を活用するレトロなヴィーガンスニーカー「SAYE(サエ)」
ポルトガル発の「SAYE(サエ)」(Shift C評価:ここから)は、廃棄物を利用したバイオベース素材を取り入れたスニーカーブランド。すべての製品がヴィーガン仕様で、トウモロコシ、サボテン、バナナの葉などから作られた合成皮革を使用している。
アパレル業界の中でも特に環境負荷が高いとされるフットウェア分野において、「サエ」はサプライチェーンを追跡し、水、電気、石油の使用量、富栄養化への影響などを数値化して公開しているのがポイント。これにより、従来の製品と比較して環境負荷を低減していることをきちんと示している。
靴の内部やインソールには、竹繊維やリサイクルペットボトルなどの素材を採用。廃棄物の有効活用や環境負荷の低減に向けた取り組みを行っているブランドだ。このブランドも、NGO団体「WeForest」と協力し、スニーカー1足の販売ごとに2本の木を植える活動をしており、今までにインド、ザンビア、アマゾン、オーストラリアに17万本以上を植林した。
アップサイクルが生み出す唯一無二の魅力「フライターグ」
使い古されたトラックの幌(ほろ)やシートベルトをアップサイクルすることで、唯一無二のバッグを生み出すスイスの「フライターグ」(Shift C評価:良い)。パンチのある色味がコーディネートのアクセントになる。トートバッグ、バックパック、ショルダーバッグなど、多彩なラインナップがあり、機能性も抜群。耐久性に優れた素材と生涯リペアしてもらえるサービスは、長く使える安心感がある。
さらに、春に新調したり、ギフトに贈りたくなる小物も充実。2024年にリニューアルオープンしたFREITAG STORE TOKYO SHIBUYAでは、広々とした空間でパソコンケース、財布、カードケースなど、多彩なアイテムをゆっくりと見ることができる。
旅行の頼もしい相棒「GROUNDTRUTH(グラウンドトゥルース)」
世界中を旅してきた3姉妹の旅行経験と情熱から生まれたイギリスのバックパックブランド「GROUNDTRUTH(グラウンドトゥルース)」(Shift C評価:素晴らしい)。
耐久性と撥水性に優れたリサイクルPET素材のアウターや、廃漁網を再利用したライナー、藻類由来のフォームパッド、そしてリサイクルプラスチック製のパーツと、ディテールにもサステナブルな加工が施されている。「グラウンドトゥルース」 のすべての製品はカーボン ニュートラルで、購入時にカーボンネガティブにするオプションも提供している。
機能性とスタイルを両立させ、旅するように生きたい人の良き相棒に。