ニュース|2024.10.18

この10月にサステナファッションについて知るべき11のこと

シーインのグリーンウォッシュ疑惑や、ガーナのビーチに流れ着いたブランド、移民労働問題に揺れる高級ブランドの対応が話題に。さらに、米国で初めて製品の一生にわたる責任を求める新しい法律の可決をはじめとするグッドニュースも。2024年10月に知っておくべきトピックを見てみよう

翻訳:上杉沙樹  写真:O-DAN

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※この記事11 Things to Know in Sustainable Fashion This Octoberを日本市場向けに翻訳し公開しています。

米カリフォルニア州で責任ある繊維リサイクル法が可決(ファッションユナイテッド)

カリフォルニア州は米国で初めて、拡大生産者責任法を可決した。これは生産者やバリューチェーンの関係者に、製品や繊維製品のライフサイクル全体にわたって責任を取ることを義務付けるものだ。アメリカン・サーキュラーテキスタイルズ&サーキュラーサービスグループのCEO、レイチェル・キッベ氏はファッションユナイテッドに対し、「業界はもはや自主的な取り組みに頼っている場合ではない。説明責任は今や法律である」と語った。

イタリア、シーインウェブサイトのグリーンウォッシング調査を開始 (ロイター)

ロイター通信は、イタリアの独占禁止当局が、シーインのウェブサイトとアプリを運営するダブリンの企業を、見せかけの環境への配慮を行った疑いで調査していると報じた。脱炭素化に関するコミュニケーション、「グリーン」と称される生地の使用、シーインのどの衣服がリサイクル可能かなど、いくつかの主張が調査対象となっている。

イギリスのファストファッションはどこへ向かうのか?ガーナのビーチ清掃でわかったこと(ガーディアン)

ファッションライターのフルール・ブリテン氏とその娘がガーナのビーチ清掃に参加した際、マークス&スペンサーネクストなどのファストファッションブランドの衣服が廃棄されている衝撃的な光景を目にした。ガーディアン紙に掲載されたブリテンの完全版レポートは、ファッション業界の廃棄問題がいかに深刻であるかを浮き彫りにしている。

ミラノ、労働搾取工場の調査の最中にサプライチェーンデータベースを提案 (ビジネス・オブ・ファッション)

先月、イタリア製高級ブランドによる移民労働者の過酷な扱いが明らかとなった。検察当局による調査が進む中、ミラノ県はファッション業界における労働搾取の問題に対処するため、企業が税法と労働法を遵守していることを証明するサプライチェーンデータベースの構築を提案する草案を発表した。現時点では、データベースへの登録は任意であり、イタリアのロンバルディア州に限定される。

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「循環型ファッションの記念碑的瞬間」:ヴィンテージの服がロンドンを席巻(ガーディアン)

今年 9 月、ロンドンファッションウィークでは初めて、eBay とオックスファムが、古着のみを使ったショーを開催した。オックスファムの戦略コミュニケーション責任者でスタイルフォーチェンジのディレクターは、ガーディアン紙に次のように語っている。「人々は古着の利点に気づき始めており、態度に大きな変化が見られ始めている。古着は、新品よりもユニークで、より安く購入できる場合が多く、地球にも優しいものとして評価されるようになってきている。」

英国ファッションは気候危機に対して行動を起こせていない(コレクティブファッションジャスティス)

ロンドンファッションウィークを前に、コレクティブファッションジャスティスによるレポートは、英国ファッション協議会のブランドのうち、排出量削減目標を掲げているのはわずか3.39%、またパリ協定に沿った目標を掲げているブランドはさらに少ないことを明らかにした。同団体はブランドに対し、行動を起こすよう促し、「最低限の排出量を削減するための科学的根拠に基づいた目標がなければ、ファッション業界は自らの、そして私たちの墓穴を掘っていることになる」と述べた。

PETAがファレル・ウィリアムスに求めるのは、友好的な声明以上のもの(ニューヨーク・タイムズ)

9月、PETAはファレル・ウィリアムズの映画プレミアに乱入し、彼がクリエイティブ・ディレクターを務めるルイ・ヴィトンでの動物製品の使用をやめるよう要求した。ニューヨーク・タイムズ紙によると、ウィリアムズは抗議活動で発言し、変化を起こす意向はあるが、そのプロセスが遅いと皆を驚かせたという。動物愛護団体の代表は「取り組むだけでは不十分だ」と述べた。

「良い」そして「素晴らしい」ニュースを

毎月、新しく評価されたブランドからのニュースや製品のハイライトを紹介。

アウターノウンが海藻由来の新素材「ケルスン」を使用 

アウターノウン(Shift C評価:良い)は、次世代素材の専門企業であるキールラブズと提携し、同社の海藻由来の素材「ケルスン」を用いたシャツを数量限定で製造。ケルスンは、海藻から微生物発酵を通じて抽出された分子を化学反応で糸状にした素材。耕作地や農薬が不要で再生力が高く、CO2吸収効果もあるため、サステナブルな素材として注目されている。「ケルスンは、天然繊維と混合することで、耕作地、農薬、肥料の必要性を減らしている」と、世界で初めてデザインにケルスンを採用したOuterknownは説明する。

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ブーディは10月に乳がん慈善団体と提携

10月は乳がん啓発月間であり、これを記念して、ブーディ(Shift C評価:良い)は、ピンクコレクションの利益の100%をオーストラリアに拠点を置くマクグラス財団に寄付する。資金は、がんのあらゆる段階で患者をサポートする財団の看護師に送られる。

Dedicatedがシーシェパードの海洋保護活動を支援

クリエイティブなコラボレーションで人気のDedicated(Shift C評価:素晴らしい)は、乱獲や海洋の搾取をなくすことに取り組んでいる国際的な非営利海洋保護団体シーシェパードとの新しいパートナーシップを開始した。コレクションでは、オーガニックコットンとヘンプで作られた T シャツ、スウェットシャツ、アクセサリーに、海にインスパイアされたプリントが施されており、その収益の15% がシーシェパードに寄付される。

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Panteeはベーシックアイテムではなく、よりサステナブルなワードローブを提案するブランドへ

デッドストックのTシャツから作られたアンダーウェアコレクションで人気の「良い」評価のブランドPantee は、あらゆるカテゴリーでサステナブルなファッションを展開し、新たな方向性を反映するためにブランド名をNot Basicsに変更する。改名後のラインナップには、ブランドのシグニチャーであるアンダーウェアラインに加えて、レギンス、Tシャツ、ボディスーツ、スウェットスーツが展開される。環境への影響が少ない素材を使用し、サプライチェーンの全ての段階で埋め立てゼロのポリシーを定めている。

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