※この記事は10 Things to Know in Sustainable Fashion This July を日本語訳したものです。
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SHEIN、高濃度の有毒化学物質の検出が止まらない(ル・モンド)
ソウル市は4月以降、海外直輸入商品に対して毎週定期的な安全検査を行い、有害物質が検出されたかどうかなどの結果を市民に公開している。
市が最近発表した報告書によると、ファストファッション小売業者SHEINの衣類の多くに、プラスチックを柔らかくするために使用される化学物質であるフタル酸エステルが高濃度で含まれていることが判明した。
「ソウル市当局によると、靴1足に許容量の428倍のフタル酸エステルが含まれていた。これはソウルでの検査でこれまで観測された最高値だ。また、バッグ3品においては許容量の153倍ものフタル酸エステルが含まれていた」
ソウル市が6月11日から7月11日に行った、SHEIN、AliExpress(アリエクスプレス)、Temu(テム)などを中国発の代表的な通販サイトの製品計330品に対する成分検査では、
女性用下着から膀胱がん発生リスクを高めるアリルアミン、
さらに食品容器から基準値4倍以上のカドミウムなどが検出されている。
これらの情報は今まで公開されたうちのごく一部に過ぎない。
ファストファッション小売業者SHEINは6月初旬にロンドン上場を申請(ロイター)
ロイター通信に語られた匿名の情報筋によると、有毒な衣料品に関する韓国の報道からわずか数日後、SHEINはひそかにロンドン証券取引所への上場を申請した。上場がいつになるかはまだ不明だが、上場により小売業者はより多くの資金と宣伝効果を得ることになる一方で、株主からのより厳しい監視の目にさらされることになるだろう。
ファッション業界はサステナビリティの法規制を待っている場合ではない(ビジネス・オブ・ファッション)
アキム・バーグ博士は、ビジネス・オブ・ファッションの記事に、規制の設定と同時にファッション業界の迅速な対応を求めている。
これは博士が先のコペンハーゲンでのグローバル・ファッション・サミットにおいて、「多くの登壇者がブランドに対して気候問題に向き合うよう政治家や法律を当てにしている」と指摘したことに続けて述べたことだ。
EU は合成繊維メーカーを競争上優位にさせようとしているのか? (Vogue Business)
ジャーナリストのソフィー・ベンソンは、欧州委員会が提案したEUグリーンクレーム指令(本来は見せかけの環境への配慮を防止することを目的としたもの)が、「天然繊維が環境に有害であるという虚偽の説明をしている」と指摘している。これにより世界中の天然繊維を育てている農家は、合成繊維メーカーが競争優位になる可能性を懸念していると報告している。
エレン・マッカーサー財団、衣類廃棄物対策の鍵は分別収集だと語る(Sustainability Beat)
エレン・マッカーサー財団の新たな報告書「Pushing the Boundaries of EPR Policy for Textiles」では、衣料品廃棄物の問題に対処する上で、衣料品の回収漏れ、そして生産者が製品の生産段階だけでなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負う拡大生産者責任(EPR)の重要性を強調している。
ヨーロッパは廃棄物の責任を取るのか?(Atmos)
「欧州議会の右傾化は環境政策の将来に対する懸念を引き起こしているが、ファッション規制の重要な部分に対する希望は失われていない」とアトモスは報じている。
ファストファッション企業は過度なマーケティングで罰せられる可能性がある(euronews)
欧州当局が提唱するファストファッション産業への対策には、ビジネスやマーケティング手法の一環として低価格と迅速な売上に依存している企業への課税が含まれる。
ファッション業界大手は未だ労働搾取の是正ができていない(The Fashion Law)
The fashion Lawは、なぜファッション業界が労働者の権利侵害に対する行動を未だに改善しないのかを問うている。クリスチャン・ディオールとジョルジオ・アルマーニが衣料品労働者の搾取に関係するサプライヤーを利用しているという最近の報道や、ファストファッション大手が頻繁に批判を受けていることなどから、ファッション業界は何等かの問題をはらんでいるようだ。
Green Behavior ポッドキャスト: 消費者行動を活用してファッションの持続可能性を推進する (The Sustainable Fashion Forum)
The Sustainable Fashion Forumの新しいポッドキャスト、 Green Behavior 第 1 話では、創設者のブリタニー ・シエラが、サステナブルな取り組みを推進する上で消費者が果たす重要な役割について考察している。「サステナブルなソリューションがいかに画期的で、先進的で、革命的なものであったとしても、その成功と変化を生み出す能力は、最終的には消費者の適応能力とサポートにかかっています」とシエラは主張している。
「良い」そして「素晴らしい」 ニュースを
毎月、新しく評価されたブランドからのニュースや製品のハイライトを紹介。
ARTICLE22がウクライナのアーティストとコラボレーションし、新コレクションREVIVALを発表。
Shift C 評価が「良い」ブランドARTICLE22 は、戦争の破片を美しく、心に迫るジュエリーに変えることに特化している。このブランドはアメリカ軍がラオスの戦場に残した廃材を使ってスプーンを作った職人にインスパイアされ、2010年にスタートした。ジュエリーの売り上げは職人たちの生活再建と地雷除去に役立てられている。
最新コレクション REVIVAL はウクライナのアーティスト、スタニスラフ・ドロキンとのパートナーシップで、ハリコフ地域で爆発した金属を唯一無二なペンダントに変えるというものだ。ドロキンは 月刊カーメル誌にこう語った。「目標は、破壊の負のエネルギーを創造の正のエネルギーに変えることです」。コレクションは、ARTICLE22 のウェブサイトと米国のRobert Goodman Jewelersで購入できる。