ブランドが本当にサステナブルなのか、エシカルなのか、どのように見極めたら良いのでしょうか。方法は、Shift Cでチェックするだけ。Shift Cでは、オーストラリアで設立したエシカルファッション評価機関Good On Youによるレーティングを公開しています。

Good On Youは、数百万人の消費者、大手販売店、プラットフォームの皆さまが、ブランドのエシカル度と「人間」「地球」「動物」にどんな影響を与えているのかを知るために世界中で利用されています。それでは、Good On Youがブランドをどのように評価しているかをご紹介します。

レーティングシステム

Good On Youのブランドレーティングは、温室効果ガスの排出量や水の使用量から、労働環境、生活賃金、動物福祉まで、あらゆる側面の実態を把握することができます。サステナビリティに関する重要な公表情報をまとめ、誰にでも理解できるようわかりやすく公開しています。

透明性の高い情報源

Shift Cに掲載されているブランドレーティングはすべて透明性に基づいています。レーティングの際にはブランド自体の公開レポートはもちろん、公表されている情報のみを使用して、信頼できる第三者機関による認証や指標をもとに、集計・検証が行われています。

消費者にはブランドが社会にどのような影響を与えているかを知る権利があります。そしてブランドが正確で一貫した内容を公開することは、消費者の知る権利に対する基本的なアクションとして非常に重要です。

最も信頼性の高いメソッド

Good On Youによるレーティングは、素材から製品の使用後までサプライチェーン全体を通して、ブランドが取り組むことを包括しています。各ブランドのスコアは、100以上の主要な問題や指標を中心に、最大1,000の指標を元に評価されます。また、認証・規格・第三者機関の情報源を、その領域やシステムの質に応じて査定しています。

Good On Youのアナリスト達は、独自のテクノロジーを駆使して、業界の有識者や組織（ファッションレボリューション、フェアトレード、ファッションフォーグッドなど）と共に開発した厳格なメソッドで、各ブランドをレーティングしています。「人間」「地球」「動物」に最も影響を与えると、専門家から認識されているトピックに基づいてスコアを出しています。

理解しやすいレーティング

Shift Cは、消費者が商品の値札をチェックするのと同じくらい簡単に、各ブランドの影響力をチェックできることを目指しています。自分の選択が、自身の関心のある問題にどのような影響を与えるかを簡単に知るための情報を提供しています。

企業はGoood On Youの革新的なテクノロジーと画期的なレーティングを活用することで、社会に与える影響を理解し、改善しながら発信していくことができるでしょう。

メディアは、これらのレーティングをサステナビリティに関する情報として参考にしていただくことで、報道や発信の文脈形成にお役立ていただけると思います。

ブランドレーティングの主な項目

消費者には、自分の服について誰がどこで生産し、何から作られているのか、労働者がどのように扱われているのか、そしてその製品自体がライフサイクル全体にわたって環境や動物にどんな影響を与えるのかを知る権利があると信じています。

ファッション業界のサプライチェーンが複雑であることは、サステナビリティの問題も複雑であることを意味しています。その中から重要な問題に注目していただけるよう、「人間」「地球」「動物」という大きく3つの分野に分けて整理しています。

人間

「人間」の項目では、ブランドがサプライチェーン全体で労働者に与える影響にどの程度向き合っているのかを評価しています。例えば児童労働、強制労働、労働者の安全、結社の自由（組合に加入する権利）、男女平等、多様性、生活賃金の支払いに関する方針や取り組みなどが挙げられます。

加えて、ブランドが下記のような疑問に対して真摯に回答をしているかどうかも精査して評価しています。

• 労働者に権利を認め、サプライヤーと協力的な関係を築き、公正な監査を行っているか
• 新型コロナウイルスなどの疫病の影響から労働者を守る公衆衛生管理が徹底されているか
• 労働者は公平に扱われ、正当な報酬を受けているか
• 新疆ウイグル自治区産の綿花など、強制労働のリスクが高い地域からの調達を避けているか

地球

「地球」の項目では、各ブランドの環境に対する方針を深く掘り下げています。ブランドによる資源使用と廃棄物処理に関する報告を中心に、下記のポイントを精査して評価しています。

• 使用している繊維の種類
• サスティナビリティを意識したビジネスモデルであるかどうか
• 製品の耐久性
• 循環型社会への取り組み
• 繊維廃棄物の処理方法

さらに下記の項目に関するポリシーについても検証をしています。

• エネルギー使用と炭素排出
• 水源・水質への影響
• 生物多様性
• マイクロファイバー汚染
• 森林破壊
• 化学物質の使用と廃棄

動物

「動物」の項目では、動物福祉の認証機関を通してや、ブランド自体がサプライチェーン全体の中で、どれほど動物福祉に対し考慮しモニタリングしているのかを評価しています。クルーエルティフリーやヴィーガンファッションをお探しの方、ファッションのサプライチェーンにおける動物福祉に関心のある方は動物に関する評価にご注目ください。

• 野生動物、特に絶滅危惧種の毛皮、アンゴラ、その他動物由来の生地の使用の有無
• 「ミュールシング」を含めたウールの使用、レザー、ダウン、その他の動物性繊維の使用の有無
• リサイクル素材や認証された素材を優先的に使用しているかどうか
• 動物性素材を使用しない、あるいは使用量を減らす公約を掲げているかどうか
• 動物福祉に対する方針が明確なロードマップを持っているかどうか

さらに、「人間」「地球」「動物」という3つの分野ごとに、ブランドが例えば問題に対して業界をリードするような積極的なステップを踏んでいる「よき市民」であるか、一方で労働者の利益に反する政治的ロビー活動や、誤解を招くような情報を公表するような、いわゆる「悪しき市民」であるかも考慮しています。

Good On Youの評価メソッドでは欧州委員会が定めた定義を使用し、年間売上高または親会社に基づいて大規模ブランドと小規模ブランドを区別しています。大規模なブランドは本質的に影響力が大きいため、それに比例してより厳しい基準を適用しています。小規模なブランドは「他の選択肢を」の評価を受けることはありません。

レーティング実績

ファッション業界はここ数年でサステナビリティの面で進歩が見られるものの、依然として大手ブランドは遅れをとっています。しかし業界全体として、サステナビリティをもっと向上していかなければなりません。

Good On Youが評価した1,000以上もの大手ブランドを分類してみると、早急な変化の必要性は明らかです。現状のレーティング実績は下記の通りです。

• 85％が「他の選択肢を」または「まだまだ」
• 15%は「ここから」
• 1%強が「良い」