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ある日巡ってきた万博チャンス
会期の後半にさしかかった大阪・関西万博(正式名称は、「2025年日本国際博覧会」。以下、万博とする)だが、未訪の人たちの中には“まったく行く気がない人”と“うっすら気にはなっている人”の二手に分かれているのではないだろうか。筆者も後者だった。さらに、行ってきたという友人知人のSNSを見ると、「また行きたい!」という声が多く、ますます気になっていた。自分が生きている間に、自国開催の万博はもうないかも…? と思いながら。
そんなある日、友人がSNSで呟いた。
『前売り券買ったけど、期限まで行けなさそうだから行きたい人いる?』
これは…!! と、秒で友人にチケットの残数を聞いた後、自分のスケジュールを確認。
「行ける!!」となり、もろもろ手配したのは出発の2日前のこと。こんな流れについてこられる友人はもちろんおらず、ぼっち訪問である。
最初にしたのはJALのマイレージで羽田↔︎伊丹便の朝イチと最終便の予約。そこから万博の諸々の手配に入る。万博のアプリをインストール&個人情報の登録をし、友人から送られてきたURLからチケットを受け取った(万博のチケットは、公式の「チケットの受け渡し」サービスをご利用することで、チケットを家族や知人友人に渡すことが可能だ)。
ここから日にち指定→入場時間帯の指定と進むのである。筆者がアクセスした時は、朝イチである9時台の入場枠は東ゲートが満員、西ゲートのみ枠が残っていた。
東ゲートと西ゲート
万博会場の入場ゲートは東と西の2つある。アクセス方法や入ってすぐの場所にあるパビリオンの違いにより人気に偏りがある印象。
東ゲート>>電車の駅と直結。入ってすぐの場所に人気の日本館、パナソニック、近くにフランス、アメリカなどのパビリオンがある。
西ゲート>>空港や最寄駅からはシャトルバスで向かう。入ってすぐの場所にガンダム、よしもと、海外のもので一番人気のイタリア・バチカンのパビリオンがある。
パビリオンの予約
パビリオンごとに入場に関しては「先着のみ」「予約のみ」「原則予約」などがある。「予約のみ」と謳っているパビリオンでも、当日予約ができる場合もあるので確認を。
予約制のパビリオンの事前予約は、入場する日にちを決めてから2ヶ月前、7日前、前日の3回チャンスがあり、各回最大1枠まで予約が可能。ほとんどのパビリオンが抽選で、全く当選できない可能性もある。 筆者は予約ゼロ、丸腰で向かった。
1日で一番体力を使ったゲート入場

伊丹空港からシャトルバスに乗り、9時過ぎに西ゲート近くでバスを降りて万国旗のふもとを人の流れに沿って進むと、大きなゲートが見えてくる。帰りの飛行機の関係でこの日会場にいられるのは17時まで。つまり九時五時。まさにこの日、筆者の職場は万博だったのだ。

「通過するのに時間がかかるので前もってトイレを済ませておくのをおすすめします」と係がアナウンスしていた。また手前に給水所があったので、一応補給。
今回の万博の入場には時間がかかる。ゲートで空港と同じように荷物のセキュリティチェックがあるのだ。明確な列があるわけでもないが、広い入場ゲートに向かってひたすら人が並んでいる。暑い…。

40分ほどしてようやく順番がくる。入場する際に飲み物は水筒やペットボトルはOKだが、缶や瓶は持ち込めず没収されるので注意を。
ゲート入場後、まずはガンダムパビリオンへ
ゲートをくぐって中に入り、マーケットプレイス、お土産売り場の長蛇の列を右手に見ながら進むと、左に人気のパビリオン、GUNDAM NEXT FUTUREが見えてきた。

ここの入場は「予約のみ」となっているが、当日登録(予約)の開放時間というのがあるので、その時間をチェックする。全会場で当日予約は1枠まで。予約分を消化したら次の予約ができるのだ。

なるほど。17時に会場を出る筆者のチャンスは12時と15時。忘れないようにアラームをセットした。

万博の象徴である大屋根リングの下に行くと、長蛇の列ができていた。イタリア・バチカンに入場する列で、なんとこの時点で「2時間以上待ちです」とのこと。
「えーーー!?」と言いながら列に並ぶ人もいたが、筆者はスルー。
ひとまずリングの下を時計回りに進んでみる。どこも行列ができていて、ウズベキスタン館などは新たに列に並ぶのは不可とのこと。マジかー。

『とにかくどこかに入って涼をとりたい…!!』
そう思って歩いていると「並ばないで入れますよー」とアナウンスをしていたのがインド館。吸い込まれるように入ってみると、ちょうどヨガのセッションが始まったところなので参加してみることにした。
空いているマットに座って深呼吸してマスターのアナウンスに従っていくうちに、折れかけた心が再生されて、散策を再スタート。
歩いてみると、いろんな発見が
とにかく暑い暑いと聞いていて覚悟をしていたが、リング下の日陰は結構涼しかった。リングの上も風を感じられて、日陰でひと休みする人も多かった。やはり海が近いからなのだろうか?
そして来客者が快適に過ごせるような、細やかな気配りも感じられた。
ゴミ箱の数が多い

会場内で多く見られたゴミ箱は細かく分類されていた。パンパンで捨てられないという状態にはなっておらず、スタッフがこまめにゴミの回収していた。
給水スポットが多い

会場のいろんな場所に設置されていた給水スポット。結構並んでいたが、自分の水筒を持ってきている人が多い印象だった。
充電スポットがけっこうある



充電スポットとして一番知られているのが電力館パビリオン前だが、その他にも会場内にはちらほらある。ただし、来場者数に比べて数は少ないし皆が充電したくなる夕方などは混み合うので、バッテリーを持参することをおすすめする。
当日予約枠争奪戦の結果は


そして散策の合間の12時と15時のガンダム館の予約開放時間にサイトにアクセスして、空きのある候補時間に申し込んだが、予約が確保できない!! 「とじる」を押したらサイトから「直近の予約可能時間」を提案してきたので、それだ! と申し込んでも「予約が確保できませんでした」との表示。なんでー!?

何度も万博に行っている知人に聞いたところ、時間より前に予約サイトにアクセスしてリロードを繰り返して予約時間帯枠をこじ開ける→候補の時間帯で△のところはほぼ無理なので、○印がついている、なるべく遅い時間帯を選択するのがポイント、とのこと。
上記の画面だと、とれる可能性が高いのは17:48-18:00の枠ということになる。
九時五時の滞在で学んだこと
今回、筆者が訪れたパビリオンは以下の通り。



インド、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、北欧、コモンズA(イエメン、ウガンダなど30カ国による合同パビリオン)、コモンズD(カメルーン、ギニア、キューバなどによる合同パビリオン)、大阪ヘルスケア、ウーマンズパビリオン、マレーシア、シンガポール
ノープランの割には頑張った! 行ったことのない国の風土や文化に触れたり、知っているつもりの国についてもほんの一部しか知らなかったことが分かった。そして何より、海外旅行に行きたくなった。
これから万博に行く人たちにはリサーチのうえ、前もって行きたいパビリオンには予約しておくことをおすすめするし、筆者も次回はちゃんと予約枠を利用してから再訪しようと思っている。
パビリオンの特徴のざっくりまとめ
世界60カ国以上を旅して今回の万博も6回訪問して(どんだけ世界が好きなんだww)ほぼ全てのパビリオンを見たという筆者の知人がまとめていたパビリオンの特徴が以下の通り。

文化財>>イタリア、中国
宇宙>>アメリカ合衆国
芸術>>フランス
映像>>クウェート、トゥルクメニスタン、TechWorld(台湾)
自然>>インドネシア、オーストラリア
音楽>>オーストリア、ハンガリー
SF>>いのちの未来、null
科学技術>>GUNDAM、パナソニック、NTT
あくまでも参考に。そしてみなさん良い万博ツアーを〜。
あ、ぼっちの人もたくさんいたので、ご安心を!