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伝農はるか
東京都出身。大学卒業後、企業勤務を経て独立。Boody JAPAN、Laveangeなどのファッションブランドのほか、manucurist、M・A・C cosmeticsなどのコスメブランドでもモデルとして活躍中。2024年、プラスサイズ女性誌「la farfa」のアンバサダーに就任。
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伝農はるかのポジティブなメッセージに、Boodyスタッフが注目
前回の記事(【Shift Changer】伝農はるかが願う、誰しもが楽しめるファッションのあり方とは。)で紹介したが、Shift Changerである伝農はるかはBoodyのモデルをしている。彼女とBoodyとの出会いは2022年。Boodyのスタッフが、SNSでポジティブなメッセージを伝える伝農はるかに興味を持ち、モニターを依頼したのだという。Boodyのブランドの背景やあり方にシンパシーを覚え、さらに着心地も気に入った伝農は、さっそく自身のインスタグラムのアカウントに着用した写真と共感コメントをポストした。
ボディポジティブとは?
ボディポジティブは、2010年代に欧米から起こったムーブメントで、肌の色や体型に関係なく、ありのままの自分の身体を受け入れようというもの。従来の「細い=美しい」という価値観を脱し、“規定のモデル”ばかりを起用したハイブランドの広告などは批判の的となった。
「#BodyPositive」とハッシュタグをつけたポストが多数発信され、「#selflove」と発信する、自己愛=自己承認と親和性がある。他人が決めた価値観に振り回されずに、自分の価値基準を尊重しようというものだ。人の見かけをけなすような、外見至上主義的な「ルッキズム」と対になるワードとも言えるだろう。
またこの流れは、ファッションブランドのサイズ展開の幅を広げるきっかけを作ったとも言われている。伝農はるかもたびたび「#bodypositive」とハッシュタグをつけ、自身の考えやメッセージをインスタに投稿をしている。
Boodyとはどんなブランドか?
Boodyは2013年、オーストラリアのシドニーで親友の男性二人組がスタートさせたブランドだ。彼らは毎日の生活に必要なものを作ろうと考え、環境にやさしい素材を使って下着を作ることにした。 彼らが一番重視したのは快適であること。身体に直につけるものだからだ。その快適なものを環境負荷が少ない方法で作ろうと思い、着目した素材が竹だった。
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「え、竹?」と驚く人も多いと思うが、実は竹はワールドワイドな植物で、20,000もの使用方法があると言われている。衣服の素材として採用しているブランドも少なくないのだ。
そして雨水だけでぐんぐん伸び、肥料や農薬散布を必要とせず自生する植物で、とてもサステナブル。また竹林は森林よりも30%多く酸素を排出し、多くの二酸化炭素を吸収する。ちなみに他の植物は3〜5年で二酸化炭素の吸収量が減るのだが、竹は切ったらまたすぐに伸び、同様な吸収量を取り戻すという。
なんだかこれからは鬱蒼とした竹藪を見る目も変わりそうなくらい、竹は積極的に活用したい植物なのである。
Boodyの竹の原産地は中国の四川省。商品のほとんどが中国で製造されている。移動によるCO2の排出を少なくするためだ。竹を使ったBoodyの生地の特徴は以下の通り
・軽くて柔らかい
・季節を問わない
・静電気を防ぐ
・抗菌性がある
・低刺激
・紫外線を98%カットする
ちなみに商品のパッケージにもコーンスターチを主原料に作られた生分解性プラスチックや古紙を利用している。どんだけ地球に優しいの…。
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さらに快適に着てほしいという気持ちから、着用してから当たりが気になる人に向けて、洗濯表示タグを簡単に外す方法もムービーで紹介しているのだ。
プラスサイズモデル伝農はるか×Boodyの撮影はどんなものだったのか
下着の製造からスタートしたBoodyは、その後アパレル、小物と商品のレパートリーを増やし、2019年3月から日本に上陸している。Webサイトを見て気づくのは、様々な肌の色、体型、年齢のモデルが登場することだ。そんなBoodyが伝農はるかをモデルに起用したのは必然と言えるかも知れない。撮影に至るまでの経緯、当日の様子などを、Boodyと伝農の両者に話を聞いた。
―――Boodyではさまざまなモデルを起用していますね
Boodyのマーケティング担当・ 吉富洋子さん(以下、Boody) 日本人にはあまり肌の色の違いはありませんが、本国のオーストラリアやアメリカではさまざまな肌の色やいろんな体型の人をモデルにしているのが日常で、彼らを起用することで実社会の多様性を尊重していることを表現しています。
Boodyがビジュアルで一番表したいのは自然な快適さと自然な美しさです。それを見たより多くの方と繋がり、環境意識や倫理的な価値観を共有したいという思いで、さまざまなモデルを起用しています。
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―――モデルがみんなハッピーに見えます。
Boody まさにそうです! 下着が締め付けられることなく自分らしくいられる、快適でハッピーでいられるということを共有したいと思っています。サイズ展開はグローバル表記でXSからXLと5サイズありますが、XLは日本でのXXLでウエストは〜91cm、バストは〜106cmという想定で、サイズが合わない場合はショーツ類とソックス以外の商品は購入後30日以内でしたら返品が可能です。
―――伝農さんはどのような経緯で起用されたんですか?
Boody 日本で初めての撮影をするにあたってモデルを選んでいる時に、以前モニターをしていただいた伝農さんにお願いしたいなと思ったんです。ですが当時はまだブランドの規模も小さかったので、どうかなと思いながら撮影の協力をお願いしたら、是非! と言って下さったのです。モニターをお願いした3~4ヶ月後くらいでしたね。
―――伝農さんは以前からBoodyのことはご存知だったんですか?
伝農はるか(以下、はるか) 実は知らなかったんです。でも私はもともとサイズ展開が広い海外のブランドが好きで、へぇ、オーストラリアなんだと興味を持ちました。素材の竹は(エシカルな観点から)ストローやお箸などで使われているのを知っていたからエコなイメージはあったんです。でも下着の素材が竹ってどうゆうこと? 硬いの? 曲げたら折れるの? とか思っていたんですけど(笑)、着てみたらすごく良くて。今ではヨガでも愛用しています。
現場スタッフのポジティブな言葉に、自分を肯定できるようになった
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Boody 下着の撮影と聞いて、え?と思いませんでしたか?
はるか 当時体型についてSNSで発信していたから、お話をいただいて、めっちゃチャンスだと思ったんです。とはいえ、体型に関するコンプレックスは今でもゼロではないですが、当時はもっと強かったので、写真を撮ってみてダメだったって思われないかな? とマイナスな考えや不安もありました。
でも撮影当日にスタッフの皆さんが、撮りながら「Boodyっぽい!」とか言葉をかけてくれて、不安な気持ちが解けていったんですよね。「いいね!」という言葉を自然に心から言ってくれているなと感じて、私も気分が乗っていったんです。この撮影に参加したことで、私はこれでいいんだ、自信を持っていいんだって気づきになった部分が大きかった。
今はモデルとして色々なお仕事をやっているけど当時は経験がなくて、インスタ用に自分で写真を撮るだけだったんです。だからポーズとか大丈夫かな? と、Boodyのカタログでモデルの表情とかポーズとか見てから現場に行ったんです(笑)。その時撮った写真を見みると、今だったらもっといい顔できるかも、2025年の私だったらこうできる! とも思いますけどね(笑)。
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――撮影日を迎える前に気をつけたことはありましたか?
はるか 初めてのことだから、不安になって、モデルの友だちに、こういう仕事が来たんだけどどうしよう? と相談したんです。普通のサイズのモデルさんはダイエットとかするって聞いていたので。でも彼女から「今の体型を見て採用されたんだから、ここから体型を変えなくていいし、無理に何か頑張ろうとしないで、今のままで行くのがいいんじゃない?」と言われたんです。だから、ネイルを綺麗にしたりスキンケアを頑張った記憶はあるけど、見た目を変えようとすることはなかったです。
――自分らしく臨んだんですね。反響はいかがでしたか?
はるか 友だちからは「はるかの写真がインスタにめっちゃ出てくるんだけど」と言われました(笑)。あと大宮のデパートで私の写真を使ってくれていたみたいで、「大宮にはるかがいた!」ってメッセージが写真と一緒に送られてきたりしましたね。
Boody インスタの広告ビジュアルに使わせていただいたんですね。あとポップに写真を使わせてもらいました。伝農さんの写真を使うと売れ方が違うんです。「いろんな体型の人が着用できるんですね」とか「私もこんな感じに着てみたい、どんなサイズがありますか?」と問い合わせが来るんです。
はるか そうなんですね、嬉しいです。
Boody ブランドが発信したいメッセージと伝農さんのイメージや雰囲気が完全に一致しているんです。明るくてポジティブで健康的で。さらに自分らしさを大切にしながら、着たいものやりたいことを発信していらっしゃるので。
自分らしく生きる人たちを、Boodyはこれからも応援していきたいです。