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ストーリー|2025.02.06

大切なアイテムを未来へつなぐために。知っておきたいリペアサービス&リペアキット

さまざまなブランドがリペアサービスを行っていることをご存知だろうか?「リペア」とは、ものが壊れたときに捨てるのではなく、修理してできるだけ長く使うことを指す。長年着用し、ほつれや穴空きなどができてしまった場合でも、リペアをすることでより長く愛用することができる。また、廃棄する洋服を減らすことができるというメリットもある。本記事では、リペアサービスを行うブランドを4つご紹介。誰もが気軽に利用できるため、クローゼットに眠る洋服があれば、ぜひ利用してみてほしい。

原稿:藤井由香里

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永く愛せるウェアを紡ぐ「ゴールドウイン」のリペアサービス

スポーツやアウトドアを中心に環境に配慮した製品づくりに取り組むゴールドウイン社。1980年代前半に「ザ・ノース・フェイス」ブランドで修理サービスを開始し、2008年には、持続可能な社会を実現していくことを目的に、環境コンセプト「GREEN IS GOOD」を開始。この取り組みでは、革新的な製品開発と地球環境への配慮を両立させるモノづくりを目指し、リペアサービスを含む循環型の取り組みを進めている。

ゴールドウインでは、使用過程で機能が損なわれた製品について、機能回復のための修理を行い、より長く使用できるようサポートしている(ゴールドウインブランドおよびゴールドウインが取り扱うキッズアイテムの修理は無料、そのほかのゴールドウイン社が扱うブランドは有償にて対応)。申し込み方法は以下の2つ。

⑴インターネットでの申し込み

24時間いつでも、日本国内どこからでも可能(Goldwin Membersの会員登録が必要)。修理の進捗状況をインターネットから確認することができ、修理完了品は自宅に届けられるため、気軽に利用できる。

⑵常設型リペアサービス「REPAIR」

恵比寿ガーデンプレイス「THE NORTH FACE CAMP」および「THE NORTH FACE+グランフロント大阪」では、専門のリペアクラフトマンによるカウンセリングと修理が可能(事前予約制)。製品の状態に応じた最適な修理を提案してくれる。

※修理内容によっては、常設型リペアサービスで対応できない場合があります。また、富山本店のリペアセンターでの修理をご案内する場合があります。

〈リペア対象ブランド・申し込みはこちらから〉
https://www.goldwin.co.jp/store/guide/shoppingguide_guide20.html

※ブランドにより一部対応が異なるため、各ブランドのリペアについての詳細をご確認のうえ、申し込みください。

常設型リペアサービス「REPAIR」|THE NORTH FACE+ グランフロント大阪

ゴールドウインのリペアサービスは、年々利用者が増加している。2004年には約3,500件だった依頼が、2023年には約24,000件へと増加。利用者にとって、愛着のあるウェアやアイテムが再び使用できることへの喜びが大きく、修理後には多くの感謝の言葉のほか、子ども服の修理の際には子どもからイラストや手紙などが修理後に届くこともあるという。

利用者の増加や、こうした声から、リペアサービスは単に製品を修理するサービスとしての役割を超え、環境配慮の取り組みであること、利用者の心に寄り添う取り組みであることが分かる。

今後は、循環型社会の実現に向けて、サービスの充実や常設型リペア店舗の拡大を計画するとともに、形態やニーズに応じた柔軟な対応を進めていくという。一方で、常に消費者に満足してもらえるリペアを提供する姿勢は変えずに取り組んでいく。 

永く使い続ける文化を育む「パタゴニア」のリペアサービス・セルフリペアキット

パタゴニアは、1970年代にアメリカで、日本では1998年からウェアのリペアサービスを提供している。長く使える製品を作ることを前提にした設計や製造はもちろん、使用過程における破損や摩耗を修理するサービスを通じて、製品寿命を延ばすことを目指している。

現在、パタゴニアは小さな穴や破れを自宅で簡単に修理できるWorn Wearリペア・パッチを提供。また、HPでは、自身でもできるセルフリペアの方法やリペアキットの紹介、製品を長く着続けるためのお手入れや洗濯のテクニックなどを公開している。

様々なデザインで可愛らしく補修できる遊び心満載のWorn Wear リペア・パッチ。貼るだけでウェアや寝袋の破れ、テントやウェーダーの穴あきを短時間で簡単に修理できる。

さらに、リペアスペシャリストに修理を依頼したい場合は、オンライン申込みやパタゴニア直営店への持ち込みで対応している。パタゴニアアカウントを活用すると、修理料金が20%OFFになる特典も。

修理可能なアイテムは、ウェア製品、バッグ、アクセサリー、フィッシングギア、ウェットスーツなど幅広い一方で、下着や靴下、防水性パックなどは衛生面や技術的な理由から修理が難しいため注意が必要だ。

〈リペアスペシャリストへの申し込み依頼はこちらから〉
https://www.patagonia.jp/jp-start-repair.html

さらにユニークなのが「Worn Wear Tour」という取り組み。このツアーでは、リペアトラック「つぎはぎ号」で全国各地を巡り、リペアスペシャリストが衣類の修理やリペア技術のレクチャーを行っている。過去の訪問先は、パタゴニア直営店や大学、サーフタウン、スキーリゾート、トレイルイベントなど多岐にわたり、ツアーを通じて人々に「衣類をより長く着ること」や「モノを長く使い続ける」文化を広めている。

Photo: yutakono

修理件数も年々増加しており、2018年の13,000件から2024年(10月時点)には25,000件に達した。利用者の中には、「15年愛用したジャケットがまた着られるようになった」「修理を重ねることで製品への愛着が増した」といった喜びの声が寄せられているという。修理を通じて新たな命が吹き込まれることで、より深い満足感が生まれている。

パタゴニアは、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」をミッション・ステートメントに掲げ、過剰消費を抑えるための責任ある消費を提案している。そのため、長く使える高機能な製品の提供に加え、適切なお手入れや修理を推進し、製品寿命を延ばす取り組みを進めている。

地球のためにできる最も良いことの一つは、すでに持っているものをできるだけ長く使うこと。新しい製品が必要になった場合は、耐久性が高く、流行に左右されないものを選び、大切に使い、適切に手入れをする。そして、不要になったら他の人に譲る。この考えこそが、パタゴニアの掲げる「品質は環境問題である」という理念だ。

今後は、製品の保証やリペアサービスだけでなく、再販や買取、リサイクルを含む包括的な取り組みをさらに拡充し、持続可能な消費を支える仕組みを進化させていく予定だ。これにより、地球環境への貢献とともに、消費者に新しい価値観を提供することを目指している。

シューズを捨てずに生まれ変わらせる「Öffen Pre-Loved Store」のリペアサービス

日本発のサステナブルシューズブランド、オッフェン。「ふだん履けるちょっとオシャレな靴。そして環境にやさしいをテーマに」というコンセプトを掲げ、使用済みペットボトルのリサイクル糸を使用したアッパーや、バイオベースで生物分解可能なインソール、トウモロコシやキャッサバのデンプン質由来の生分解性プラスチックを採用したシューキーパーなど、エシカルなものづくりを行っている。

オッフェンは、2024年11月より、「お気に入りの靴を長く大切に使いたい」というお客様の声からリペアサービスをスタート。使い捨てが当たり前となりつつある現代において、物を大切にする文化を広げるため、手放される予定のPre-Lovedシューズ(中古品)を回収し、委託先のKISH株式会社によって洗浄、修繕、点検が行われた上でリセールするオンラインストア「Öffen Pre-Loved Store」をオープン。手に取りやすい価格で販売している。

また、靴の回収時にはお客様へ2000円クーポンを発行し、それを使って新しい靴を購入できる仕組みも整えている。回収可能な内容は、アッパーのほつれやソールの剥がれ、パーツの補修など多岐にわたり、リペアできる範囲で新たな命を吹き込んでいる。

シューズの回収は、直営3店舗と郵送にて受け付けている。インソールを含むオッフェンのシューズかつ、事前に手洗いされていることが条件となるため、持ち込む際はきちんと確認しよう。

〈Öffen Pre-Loved Store〉
https://offenprelovedstore.kishresale.co/


オッフェンが目指すのは、リペアを通じて廃棄物を減らしながら、物に宿る思い出や価値を守ること。「もったいない」という日本の精神を大切にしながら、ゼロウェイストなものづくりを実現し、一人ひとりが物を大切にし、受け継ぐライフスタイルを提案していく。

2023年11月にオープンした「Öffen Pre-Loved Store」は、通常価格よりも手頃な価格設定であることから若年層の利用も多く、「こうしたサービスを待ち望んでいた」という声が多く寄せられているという。

今後は、循環型サービスをさらに広げるため、アパレルブランドから出た廃棄生地やサンプルを救う「Rebornプロジェクト」で行っている企業との協業などを通じて、捨てずに新しい価値を生み出す取り組みを進めていく。再利用やリサイクルを、“特別”ではなく“当たり前”の循環商品へとシフトしていくことで、より多くの人に共感・支持される持続可能な未来を目指している。

年齢を重ねたジーンズはあなただけのもの「Re:dwin」「エドウイン」のリペアサービス

日本のジーンズブランド、エドウインは、履かなくなったジーンズを生まれ変わらせる循環型プロジェクト「CO:RE」など、サステイナブルな取り組みを進めてきた。その一環として2022年にスタートした「Re:dwin(リドウイン)」は、ジーンズをより永く愛用してもらうためのリペアサービスだ。

修理・修繕は、東北にある自社の縫製工場や洗い加工工場で行われ、エドウイン製品の製造と同じ環境で丁寧にリペアされる。また、エドウイン製品に限らず、デニムなら他ブランドのものでも対応してくれる点がうれしい。

ダメージの大きな部分を補修する「スペシャルリペア」では、デニムの色に合わせた糸を使用し、修理跡が目立たないように仕上げる。また、手頃な価格で穴を塞ぐ「レギュラーリペア」など、用途に応じた選択肢が用意されている。

そのほか、裾上げによって失われる加工感の再現や、使用頻度の高いジッパーやトップボタンの交換・取り付け(すべてエドウインの正規品パーツを使用)、ステッチの補修など、多彩なメニューが用意されており、さまざまなニーズに対応可能だ。さらに、エドウイン製品に限り、通常価格から20%オフでリペアを依頼できる特典も。

スペシャルリペア後のデニム。ダメージ部分が目立たないまでに美しく再生される。

リペアを希望する場合は、まずメールで問い合わせを行う。その後、エドウイン側が修理の可否を判断し、仮見積もりを提示。問題なければジーンズを送り、本見積もりを経て最終確認後に正式なオーダーが確定する。修理が完了したジーンズは、代引きで返送される流れだ。

エドウインは、永く愛用できる高品質なジーンズ作りを使命とし、穿き続けることで増す味わいや愛着を大切にしている。その価値をリペアサービスを通じて提案し、今後はリペアにとどまらず、アップサイクルへの展開も視野に入れている。

お気に入りのジーンズのダメージが気になったら、ウェブサイトをチェックしてみよう。修理を経て生まれ変わったジーンズとともに、新たな思い出を刻んでみてはいかがだろうか。

【Re:dwin特別サイト】
https://edwin.co.jp/topics/sustainability_redwin.html

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