ニュース|2024.10.08

グリーンウォッシングの見つけ方

サステナブルな選択をしたつもりが、実は環境に優しくない「偽りのエコ」製品を手にしてしまうことも。そこで、日本のサステナブルファッションをリードするunistepsから、グリーンウォッシュを見抜くためのポイントを学び、真に環境に優しい選択を身につけよう。エシカル消費を実践するために、次の一歩を一緒に踏み出してみない?

原稿:一般社団法人unisteps 写真:O-DAN

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サステナビリティに関する発信が増えたのはとても良いこと、でも

Shift Cで「素晴らしい」や「良い」とレーティングされているリーディングブランドに限らず、近年ではほとんどの大手ブランドがサステナビリティに関する発信をするようになりました。10年前には考えられなかった、とても頼もしい変化です。

でもそうなると、発信の内容が気になってきてしまいます。

「これって、本当なの?」
「ほんの一部の良い取り組みを大々的に語って、他の良くない部分を隠しているのでは?」
「目標を掲げるのは素晴らしいけれど、本当に守られるの?」

サステナビリティに関する発信が増えたことに喜ぶのも束の間、常に新しい「課題」を作り出してしまうのは私たちの悲しい習性であると同時に、レベルが一つ上がったという進歩の証でもあります。このようなモヤモヤを感じる時、私たちの頭の中では「グリーンウォッシング警報」がファンファン鳴り響いているのではないでしょうか。

グリーンウォッシングと、その見分け方

グリーンウォッシングとは、企業が環境に良いことをしているように見せかけるために行うマーケティング手法です。本当は脱炭素や資源循環に貢献していないのに、あたかもそうしているように意図的に誇大広告を行ったり、根拠なく「環境にやさしい」など曖昧な表現を使ったりすることです。

正直言って、企業の発信がグリーンウォッシングかどうかを見極めるのは、一般の生活者にとっては至難の業です。また、いつも白黒つけられるとは限らず、グレーな部分は個人の価値観で判断するしかありません。とはいえ、いくつかチェックできる参考ポイントがありますので下に挙げますね。

①認証があるか?

ひとつめのチェックポイントは、信頼できる認証をとっているかどうかです。自分でブランドのサプライチェーンを精査し、長く複雑なファッションの生産工程を理解することは不可能に近いですが、認証があれば、それは外部の専門家からお墨付きを得ているということになります。フェアトレード認証、GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)などのオーガニック認証、B Corpマークなどをブランドページや服についているタグに見つけたら、それぞれの認証機関の基準を満たしているということになります。

②曖昧な文言だけではなく、データの裏付けがあるか?

「環境にやさしい」「自然にやさしい」「未来のために」と謳うことに問題はありませんが、しっかりとしたデータに裏付けされていなければ、グリーンウォッシングとして見なされてしまうかもしれません。実際に欧州ではこのような訴求を行った企業に行政指導が行われることもありますし、2027年からはEUグリーンクレーム指令により規制されることになります。

③目標を掲げ、実行に移しているか?

野心的な目標を美しいビジュアルで打ち出すことは大切ですが、言葉だけにならず実際に目標達成への道を着実に歩み、進捗を公表しているかどうかは、チェックするべきポイントです。サステナビリティ目標は、有言アンド実行。

④ビジネスの一部ではなく、全社レベルのサステナビリティ戦略とロードマップが公開されているか?

サステナブルな施策を行っているのがほんの一部で、その他の大部分の事業は従来のままというケースは良くあることです。もちろん、一部の事業から初めて全社に広げていくというビジョンやロードマップがある場合もありますが、一部のサステナブル施策をあたかも全ての事業で行っているように見せかけている場合はグリーンウォッシングといえます。

少し難しくなってきましたが、大切なことは、企業の発信に対して批判的精神と応援精神を両方持つことです。以上のような点に気をつけつつも、サステナビリティへ舵をきりはじめた企業を生活者として応援していきたいですね。

サステナポリスになるのではなく

ところで最近筆者は着付けを教えてもらい、初心者ながら思い切って、着物でレストランにお出かけをしてみました。その時に一番不安だったのが「着物ポリスに指摘されたらどうしよう」。着物ポリスとは、街やSNSで、人の着付けにケチをつける自称着物上級者のことです。着物を用意し、着付けを習い、着るのは洋服に比べてとても手がかかるのに、その上「着方がなっていない」と怒られるのであれば、さらに着物人口は減ってしまいます。初心者としては、着物文化の継承のため、上級者の方々には、正しいやり方を教えてもらいつつも、楽しい着物仲間として多少の間違えは多めにみてほしいのが本音です。

サステナビリティに関しても同じです。

ここができていない!グリーンウォッシングだ!とサステナポリスになるのではなく、大きな視点で産業全体がどうしたらよりよくなっていけるのか、それぞれの立場からできることを考えていきませんか?

本記事は日本のユーザーの方のために、「多様で、健康的なファッション産業をつくる」ことをミッションに活動する一般社団法人unistepsが執筆しています。

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