※この記事は12 More Sustainable Brands From Japan You Should Know Aboutを日本語訳したものです。
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Shift Cの評価基準をおさらい
世界最大のエシカルファッション評価機関Good On Youと連携し、「地球」「人間」「環境」3軸で、最大900項目もの基準を用いてブランドのエシカル評価をするShift C。ここで「良い」評価を得るためには、あらゆる側面においてブランドが及ぼす影響がポジティブであるとの証明が必要だ。
例えば、「環境」のカテゴリーにおいては、CO2排出を積極的に削減しようとしているか、有害な物質を排水していないか、化学物質を安全に使用し処分しているか、など資源の扱いや努力度合いもチェックしている。
「人間」カテゴリーでは、サプライチェーン全体において従業員が公平な扱いを受けているかが需要だ。これは児童労働、強制労働、労働環境の安全性、労働組合の団結権、そして生活費の支払を含むポリシーと取り組みから判断する。
「動物」カテゴリーでは、ウール、レザー、ファー、アンゴラなど動物の毛や皮の使用状況を分析する。理想は100%ヴィーガンのブランドだ。
このような観点から「素晴らしい」または「良い」と評価された、日本発のエシカルブランドがこちら。
ヴィンテージを再構築する「マリオンヴィンテージ」
Shift C評価:良い
マリオンヴィンテージはヴィンテージやアンティークのアイテムをアレンジして新しい衣服に生まれ変わらせている。デザインは、メンズライクなスタイルを好む石田栄莉子氏と、フェミニンテイストを好む清水亜樹氏のセンスをミックス。「誰かが大切にしていたものに、新しい息吹を」というコンセプトで、メンズのネクタイやツイードジャケット、フィッシャーマンセーター、売れ残りのシーツなどを集めて再構築し、全く新しいコレクションを作り上げている。
廃棄されるはずだった素材から水着を作る「KORARU」
Shift C評価: 良い
KORARUはcoral(珊瑚)の日本語での発音をブランド名に冠している。ルーマニアにルーツを持つモデル兼デザイナー、オアナ・ロマネイロ氏により設立された。東京を拠点とする同社は、廃棄物とされるものを原材料と捉え、循環を意識した水着を製造している。再生ナイロン糸ECONYL®を含む環境への影響が少ない素材を使用しているほか、リサイクルプログラムを導入し、サプライヤー情報を一部公開している。
日本の無駄のない服作りを伝える「石徹白洋品店(いとしろようひんてん)」
Shift C評価: 良い
石徹白洋品店は、創業者の祖父母や地元である岐阜県・石徹白地域の知恵を糧に、日本の伝統的な衣服を再構築しているブランド。国内でつくられたオーガニックコットン、リネン、ウールなどの素材を、できるだけ藍や草木などの天然素材を使って染色し、布を直線裁断することで極力無駄のない服作りをしている。
ヴィンテージ着物をモダンなスタイルにアレンジ「Amaud」
Shift C評価: 素晴らしい
日本のラグジュアリーブランドAmaudは、ヴィンテージの着物をモダンなシルエットにアレンジすることで、美しく生まれ変わらせている。複数のファッションブランドで経験を積んだサラ=ジェーン・ファーガソン氏は現在東京に拠点を置き、サステナビリティと品質、日本の伝統技術を大切にした服作りを行っている。京都から着物を調達し、一枚一枚丁寧にほどき、手入れをし、新たな衣服に生まれ変わるまでの工程を自社で担っている。
自然に環る染色技法を用いたデニムを生産「9-jour.」
Shift C評価:良い
日本のデニムブランド9-jour.は、カラージーンズを専門としている。天然染色のセルベッジデニムだけを使用し、この製造には旧式の織機を使用するため、通常のデニム生地と比べて5倍以上の時間がかかる。しかし時間が経つにつれて色落ちやアタリが現れ、使い込むことでヴィンテージジーンズのような絶妙な風合いに変化する。西日本エリア内で受注生産されており、従来のファッションサプライチェーンに比べてエネルギーの消費量が削減されている。
9-jour.のブランドストーリーはこちら
伝統技術を守りながら障がいのある方の未来を照らす「TERAS」
Shift C評価: 良い
TERASは、衣服を補強するための伝統技術である刺し子や継ぎはぎを用いて、障がいのある人々が作った作品を販売するブランド。ブランド名には、彼らの就労を支援し、その未来を明るく照らしたいという強い願いが込められている。TERASは、作品を通じて購入者と作り手の双方に豊かさをもたらす、幸せな循環を生み出すことを目指す。
ほぼすべての工程を独自にトラッキングする「カポックノット」
Shift C評価: 良い
カポックノットは繊維製造者の4代目で、カポック羽毛を使ったアウターとホームウェアを作ることに力を注いでいる深井喜翔氏によって設立された。カポック羽毛とは木の実由来の軽くて暖かく、動物由来の羽毛の代わりになる素材。短く繊維にしにくいカポックの研究を重ね、商品化に成功。日本で製造を行っており、ほぼすべての製造工程をトラッキングして公開している。
KAPOK KNOTのブランドストーリーはこちら
日本の多様な染色技術を後世に残す「宝島染工」
Shift C評価: 良い
宝島染工は、福岡郊外を拠点とする手染めと服づくりの工房。手染めの技術や面白さを未来に残したいという思いで立ち上げられた。泥染め、黒染め、草木染めなど多様な技法を活かし、インテリアピースなどにも制作の幅を広げている。小さいブランドだが、生産過程をトラッキングし、できるかぎり天然素材の使用にこだわっている。
サステナブルな工夫が詰まった子ども服「KasuRekids(カスリキッズ)」
Shift C評価: 良い
KasuRekidsは日本の伝統とサステナビリティにフォーカスした子ども服ブランド。 素材は敏感肌にもやさしい綿100%、織物技法は、江戸時代中期から継承されてきた、30以上の工程のほとんどを手作業で行う久留米絣(くるめがすり)。上品で丈夫なため、長く着られる。また、身体が大きくなり着られなくなってしまった服のリセールやレンタルサービスも行う。
ガーナの伝統織物を使った「CLOUDY」
Shift C評価: 良い
CLOUDYは、ガーナと繋がりをもつブランド。現地の伝統織物や綿花を白く染色しない「無水染色」等の環境負荷の低い素材を使い、大人から子どもまでのアパレルとバッグなどの小物を製造する。またガーナにおいて、女性や障がいのある人を積極的に雇用して縫製の指導をしたり、性教育や給食の提供といった教育プログラムを実践している。
ビニール傘をスタイリッシュな小物にアップサイクル「PLASTICITY」
Shift C評価: 良い
PLASTICITY は毎年廃棄される何百万本もの傘の一部を再利用することで、埋め立て地行きの数を減らし、長持ちするスタイリッシュなアクセサリーに作り変えている 。不要になった傘をビニールと骨部分に分解すると、ビニール部分を1枚100円で買い取ってくれる。手順はこちら。
何度でもリサイクルできる服をつくる「BRING」
Shift C評価: 良い
BRING は、ベーシックなアイテムの製造において、リサイクル素材の使用を推進しているブランドだ。製造の最終工程は日本国内で行われ、衣類の回収にも力を入れている。独自のポリエステルリサイクル技術を持っていることも評価できる。