ストーリー|2024.08.22

洗濯=悪ではない。自然と衣服に優しい洗濯のススメ。

お気に入りの服を長く着たい。これは誰もが思うことであり、サステナブルな生活を心がけるならばなおのことだ。今シーズン着回した白シャツや白Tを、来年も気持ちよく着るための洗濯の方法や普段から気をつけるポイントを、無添加石けんの老舗メーカー、シャボン玉石けんに聞いた。

 

取材:横山佐知   写真:unsplash    

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洗濯は悪だと考えている人もいるようだが

そもそも、洗濯水を排出する=地球を汚す行為だと考えている人は多い。その排水量を抑えるために、洗濯をする回数を減らす、すすぎを2回ではなく1回にする、なんなら洗濯をしないという人も増えていると聞く。しかし。
「衣服の汚れはすぐに洗い落とすに限ります。そして十分にすすいで洗浄剤を洗い流すことも大切です」とは、シャボン玉石けんのマーケティング部・野口直子さん。
はて? 『健康な体ときれいな水を守る。』と謳っている企業が、排水量を少なくすることよりも十分なすすぎを推奨するのはなぜ?

「大事なのは排水の量ではなく、排水の質だからです」。

出展:シャボン玉石けん株式会社

シャボン玉石けんの「シャボン玉スノール」に代表される添加物の入っていない石けんは、排水として海や川に流れ出ると、短時間で大部分が水と二酸化炭素に生分解され、環境中に流れ出た石けんカスも微生物や魚のエサとなるという。だから、”石けん”は、生分解に優れ、環境にも優しい洗浄剤と言えるのだ。また、すすぎが十分でなく洗浄剤が衣類に残ると、後にシミとなってしまったり、肌トラブルの原因になったりすることもあるのだそう。
洗濯自体は悪ではないと分かったところで、効果的な洗濯方法を学んでいこう。
※シャボン玉石けんの無添加とは、香料・着色料・蛍光増白剤・酸化防止剤・合成界面活性剤不使用。

汚れによって、洗浄剤の種類を変える

「界面活性剤」「漂白剤」などの洗浄剤を使うことにも、排水が海水を汚すイメージがあり罪悪感を覚える人はいるかも知れない。しかしこれらも”石けん”や”ナチュラルクリーニング洗浄剤”であれば、海水への負担は少ないのだ。
「ちなみに石けんも界面活性剤の一種です。”石けん”と”合成洗剤”は『衣類を洗う洗浄剤』という意味では同じですが、原料・製法・成分 などが異なる、まったくの別物なのです。合成洗剤は複雑な化学合成を繰り返し、最終的には自然界には存在しない合成界面活性剤を成分としています」。
ぜひ洗浄剤の成分の吟味をしてから洗浄剤をチョイスして欲しい。

汚れ別の効果的な洗浄剤・洗い方

①食べこぼしや襟・袖口の黒ずみなど布の表面に色が付く汚れ
>>大半は酸性なので、弱アルカリ性の洗浄剤(重曹、石けん、酸素系漂白剤)を汚れた部分に使って中和させる

②汗や皮脂など繊維に浸み込んだ汚れ
>>これも酸性だが、固形石けん+酸素系漂白剤で落とすとより落ちる
(編注:ここにスチームアイロンを当てると汚れが浮き立たせるのに効果的という説もあり)

③雑菌(ニオイの原因となる)
>>最大の原因は、洗濯で洗い残した皮脂などの汚れが原因。汚れをエサに雑菌が繁殖し、いやなニオイも発生。①~②の汚れをしっかり洗いすすぐことが大事

「すすぎ残しの洗浄剤だけではなく、柔軟剤や衣服を白くする蛍光増白剤も、時間が経つとシミや黄ばみの原因になることがあります」。
洗濯は効果的かつシンプルに仕上げるのがおすすめだ。

衣替えあるあるの、”今シーズンはちょっとしか着ていなくて汚れていないからこのまましまおう”というのもNG。目に見えていなくても何らかの汚れが付着しているのだから、必ず洗濯してから保管するよう心がけて欲しい。

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