登壇者

田原美穂/サステナビリティ・マーケター
CoachやH&Mなどのマーケティングに10年以上携わり、2020年に独立。ファッション産業において循環型ビジネスを中心に、プロジェクトマネジメント、アドバイザー、マーケティング支援を行う。リアルな視点を届けるべく、NYでの視察ツアーや執筆活動も行う。FITにてサステナブル・デザインを、MITでは循環型経済について学び、実践と知見を融合させた支援を行っている。@mihoping
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ニューヨークから見るサステナビリティの分岐点
サステナビリティはもはや「意識」ではなく「仕組み」として企業に浸透しつつあるが、現在、企業は二極化に直面している。アメリカではESG、ダイバーシティ、気候変動を巡る規制圧力が後退・鈍化しており、NYファッションアクトの審議も停止するなど、企業の推進力が弱まっている。一方、ヨーロッパでは義務化の動きが進むものの、法令の施行が延期されたり、対象企業が限定されるなどの調整も見られる。
アメリカ:ニューヨーク州で事業を行う売上1億ドル以上のファッション企業に対し、サプライチェーン全体の環境負荷や労働慣行の情報開示・改善目標設定を義務付けるNYファッションアクトの審議が停止。企業に対する新たな法的義務付けの動きが鈍化している。
ヨーロッパ:EPR制度(拡大生産者責任)の義務化、衣服や靴の廃棄規制、デジタルパスポートの導入、フランスでは2026年からの「修理する権利」義務化など、罰則を伴う具体的法規制が進行。ただし施行延期や対象企業の限定などの調整もある。
企業行動の二極化:「撤退組」と「循環モデルへの移行組」
規制圧力が弱まったことで、企業はサステナビリティへの本気度を試されている。そして、推進派がこぞって移行しているのが「サーキュラーモデル」へのシフトだ。
では実際にサステナブルな企業はどのような仕組みを作っているのか?特に重要になるのが消費者体験「UX」のデザインだ。
※この動画で学べること(ログイン後視聴いただけます)
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