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ニュース|2025.09.30 PR

能登のペットボトルの100%リサイクルによるメッセンジャーバッグでエコも被災地支援も叶える「被災地ボトルtoバッグ」プロジェクト

2024年の元日の町を襲った、能登半島震災。避難所をはじめ、さまざまな場所で水の供給もままならない中、町には飲料や生活水に使われたペットボトル容器が溢れ返った。この容器をリサイクルし、能登の企業とともにスタイリッシュなバッグに生まれ変わらせたのが、プラスチック・リサイクル会社「アース・グリーン・マネジメント」。このプロジェクトを紹介する。

原稿 吉野ユリ子

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能登のために何かできることはないか。若者世代の声から立ち上がったプロジェクト

長野県に拠点を置く「アース・グリーン・マネジメント」は、回収されたペットボトルを高品質なリサイクル原料「ペレット」に加工するプラスチック・リサイクル会社。かねてより「全国各地から集められた資源を日本一高く買い取り、地域経済に還元すること」というポリシーをもつ会社であり、能登に取引先も多く、震災後何か応援したいと考えて今回のプロジェクトが立ち上がった。

「持続可能な社会の実現のためのリサイクルの取り組みは、私達若者世代が率先してやっていかなくては、と以前から感じていました。が、今回SNSを通して身の回りの若者世代も被災地のために何かしたいけれど何をすればいいのか、と模索している人が多いことを知りました。そんな若者の思いを被災地とつなぐ方法として、私達の会社ができることを考え、この企画に至りました」と、プロジェクトマネージャーの平栗さんは言う。

平栗和奈

「被災地ボトルtoバッグ」プロジェクトマネージャー。能登震災で避難所生活を送る人々が、不安な状況の中でもリサイクル用のペットボトルをきれいに分別している姿に胸を打たれ、「自分たちにできることを」と当プロジェクトを立ち上げた。クラウドファンディングでは他企業と連携し、被災地から集めたペットボトルをリサイクルしてバッグとして販売。約115万円を寄付金として能登に還元した。

支援だけ、エコだけじゃない。毎日使いたくなるデザインと実用性を目指して

支援だけが目的なら、寄付金でもいいだろう。だからこそ、バッグを作る以上、手にした人が本当に使いたいと思えるバッグにこだわった。

シーンを選ばないシンプルなフォルム。ノートパソコンもスムーズに出し入れできる開口部と容量を備え、スマホや小物を入れるポケットつき。裏にコーティングが施されていて、防水性もあるなど、毎日使いたくなる実用性とデザインに仕上がっている。

6時間かけてたどり着いた避難所できれいに洗い、分類されていたペットボトルの山

さて、能登のペットボトルはどのような工程を経てバッグへと姿を変えるのだろうか。このプロジェクトに関わった企業とともにそのプロセスを追ってみよう。

ペットボトルの回収・選別は、石川県白山市に本社をもつ「GRNエコサイクル」と、中能登に拠点をおく「K・アール」の2社が担当。ともに日頃は主に企業の資源回収を行っているが、震災を機に自治体からの回収依頼を受けて中能登町、輪島市、珠洲市、能登町、七尾市、穴水町、の7都市の避難所へ向かうことになった。

現地に赴いたのは震災から13日目。寸断された道や、液状化した道も多く、凸凹状態。通常なら1時間で行ける道を6時間かけて行った。ようやくたどり着いた避難所では、なんと使用済みのペットボトルがきちんときれいに洗浄され、キャップとパッケージも分類して袋分けされていた。また自社も震災で資材や重機が倒壊し、途方にくれていた中、逆に避難所でたくさんの感謝や励ましの言葉を受け取り、前に進もうと背中を押されたという。

回収したペットボトルは再度細かく分類し、粉砕、ラベル剥離、キャップ分解、洗浄を経てアース・グリーン・マネジメントへとたすきを渡す。

震災から13日目の被災地へ、ペットボトルの回収に向かう。タイヤがバーストしないか、ヒヤヒヤしながらの走行。
避難所に着くと、そこにはキャップやラベルもきれいに分別されたペットボトルが。

ペットボトルが原料に、糸に、生地になり洗練されたバッグが完成するまで

これをペレットへと加工するのが、このプロジェクトを立ち上げた「アース・グリーン・マネジメント」。環境配慮の観点から、薬剤不使用、洗浄水の再利用、再生エネルギーによる工場稼働のオーガニカルペレットにこだわっている。

このペレットをポリエステル糸に加工するのは、石川県かほく市の「山越(さんえつ)」。商品企画を行った「モリリン」より声がかかり、すぐに参画を決めた。「能登から世界へ」を合言葉にMade in Japanの高品質な商品の販売を行ってきた企業として、「ペットボトルが原料になり、糸になる」ということを多くの方に知ってもらうきっかけにしたい、と語る。

「山越」をこのプロジェクトに誘い、この糸を生地にしてスタイリッシュなバッグに仕上げたのが、愛知県に本社を置く「モリリン」。被災地支援とともに、リサイクル原料を扱う会社としてリサイクル品が生活に溶け込むきっかけになれば、と取り組みに手を挙げた。

被災地から回収したペットボトルを、原料にし、糸にし、バッグにし、商品の収益をまた被災地に戻す。ペットボトルのリサイクルの各プロセスが丸ごと被災地支援に。

10本のペットボトルから1つのバッグが完成。収益の一部は被災地への寄付に

こうして5社が手を組み、思いをつないで完成したメッセンジャーバッグ。約10本のペットボトルから1つのバッグが誕生する、100%ペットボトルリサイクルだ。

約10本のペットボトルから1つのメッセンジャーバッグが誕生。

タグにペットボトルと真心(ハート)をイメージしたタグを、またバッグ内側の品質タグにはQRコードをつけ、アクセスするとこのプロジェクトの詳細を知ることができる仕掛けも用意した。販売収益の一部は「アース・グリーン・マネジメント」を通して被災地に寄付をしている。

ハート型のペットボトルのロゴが、被災地のことや環境のことを語り合うきっかけに。

ペットボトルの「再生」から、町の「再生」へ。10月1日〜31日まで、「みんな商店」でPOPUP開催!

能登半島のペットボトルを回収し、能登半島の企業とともに商品を生み出し、その売上の一部を再び能登半島に届ける。その結果、避難所環境の整備、被災地企業応援、寄付による支援といういくつもの関わり方で被災地支援につなげながら、ペットボトルのリサイクルという環境課題の解決を叶えているのが、このメッセンジャーバッグ。ペットボトルの「再生」が、町の「再生」へとつながる。

おしゃれだからという理由で手にした人も、被災地のために何かしたいと考えて手にした人も、「メッセンジャー」という名のとおり、身につけることで、被災地の方の思いや支える方々の姿、環境を守ることの大切さを、多くの人に届ける力になる。

震災後も9月には豪雨が能登を襲い、二重災害を経て人口減少も加速し、今も多くの人が生活や事業の再建の課題を抱えている。能登以外でも各地で起きている豪雨や記録的な猛暑などの気候変動は、誰にとっても他人事ではなく、全ての人の責任であり課題と言えるだろう。このバッグが、能登というキーワードを通してこの先の未来をみんなで考えるきっかけにもなるはずだ。

10月1日〜31日まで、下北沢でサステナブルな商品を扱う「みんな商店」でPOPUPを開催予定。ぜひ足を運び、手にとってこの物語に触れてほしい。期間中には、リアルトークイベントも開催されるのでチェックしてみて。

日時:2025年10月10日(金)19:00〜
場所:下北沢 みんな商店2F 東京都世田谷区北沢2丁目9-2 ARISTO下北沢
※下北沢駅東口から徒歩1分
応募方法:当日会場までお越しください
参加費:無料
定員:20名

バッグの購入はこちらから:https://tadori.jp/products/117

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ライフスタイルジャーナリスト
吉野ユリ子
1972年埼玉県生まれ。エディター、ライターとして女性誌やウェブを中心に、心豊かな生き方・暮らし方の提案を行うほか、ブランディングライターとして企業のサービスや商品の価値を言語化し届けることにも力を注ぐ。プライベートでは、2016年に娘を出産するまではトライアスロンが趣味で、アイアンマンを3度完走。現在の趣味は朗読。

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