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ティップス|2025.06.06

 高いスパより効果的?私の「リカバリーリスト」入りした癒しのアップサイクル

天気や気圧の変化で、なんとなく疲れやすいこの季節。手を動かすことが、心と体をそっと回復させてくれることも。今回は、ものづくりで感じた小さな回復の話。

写真:unsplash

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「アップサイクルは疲れに効く」なんていうと、グリーンウォッシュ表現を規制するグリーンクレーム規制どころか薬機法(旧薬事法)にも引っかかってしまいそうですが、今回は筆者個人の経験として、お話しさせていただければと思います。

疲れた時の、リカバリーリストを持っていますか?

皆さんは、落ち込んだり疲れたりした時、これをすれば少しは回復できる、という行動をまとめた「リカバリーリスト」を持っていますか?本当に落ちている時は考えることすらできないので、元気な時にリストを作っておくことをおすすめします。私は友達と話す、銭湯に行く、上島珈琲のパンケーキを食べに行く・・・などがリストに入っており、実際何度もこの「リカバリーリスト」に救われました。人それぞれですが他には、軽い運動をする、推しを愛でる、自然に触れるなどが回復の一助になることが多いようです。

最近筆者は引っ越しをして、すっかり疲れ切っていました。憧れの地に引っ越したにもかかわらず、つい後回しにして遅れがちな手続きや友達がいないことがストレスになり、思ったような新生活のスタートが切れない状態に。こんなときは、あのリストの登場です。

リストにあったアップサイクルという文字。ベッドカバーから子供服を作ってみた!

最近私のリカバリーリストに加わったのが、「アップサイクル」です。

アップサイクルとは、すでにあるものに手を加えて価値を上げること。たとえば廃棄衣料をつなぎ合わせて新たな1着を作ること、または穴の空いたシャツをポーチに変えることなどが、リサイクルやダウンサイクル(再生後に価値が変わらなかったり、または下がること)と区別してこのように呼ばれます。

疲れながらもこのままではいけないと、遠い目で見なおしたリカバリーリストにあった「アップサイクル」という文字。それを見て思い出したのが、使わなくなった刺繍入りのベッドカバーから子供服をつくりたいというアイディアでした。思い立ったら早速ベッドカバーを引っ張り出し、5歳の娘の希望を適当に聞きつつ、夕飯の後の空いた時間などにちくちくやりながら、数日かけてワンピースを制作しました。(なお、私の場合子供服は頭と腕が入るところがあればなんとかなると思っているので、手持ちの他のワンピースを参考にしながらかなりラフに作っています。本職の方にはとても見せられたものではありません。)

そうしたらなんだか、心も体も少し元気が出てきて、あとは慣性の法則でいつもの自分らしく進んでいけそうなところまで回復しました。

ベッドカバーがワンピースに!

休養とは、寝ることだけじゃない

とことん休むことではなく、このような作業は、ほんとうに疲れからの回復に効くのでしょうか?

以前読んだ本に、「休養学」*というものがあります。この本によると、休養というものは、爆睡することでも、1日中だらだらと過ごすことだけではありません。もちろんそれも「休息タイプ」の休養として確固たる地位を築いてはいるのですが、それ以外にも「運動タイプ」「栄養タイプ」、人と親しく交わることでストレスを解消し活力を得る「親交タイプ」、「娯楽タイプ」、部屋の模様替えなどでまわりの環境を変える「転換タイプ」、そしてハンドメイドや日曜大工で何かを作るといった創作活動全般を指す「造形・想像タイプ」があるそうです。

アップサイクルという作業が、心と体に効く理由

アップサイクルで私が俄然元気になったのは、この「造形・想像タイプ」の休養になったからではないでしょうか。そして子供との共同作業という親交タイプの休養も含まれたかもしれません。それに加えて、サステナブルな行動をしたという達成感や、節約できたという満足感も無視できません。そう考えると、なんて贅沢な休養だったんでしょう。高いお金をかけてスパに行くよりも、もしかしたら効果的だったのかもしれませんね。

没頭して手を動かすことが、脳に与える影響は測り知れません。サステナビリティに興味のある本ブログ読者の皆様にも、疲れたら、柔軟な考えで手を動かす「アップサイクル」が効くかもしれません。なにも服をつくらなくても、手持ちの何かに手を加えてお気に入りの一品を作ってみるのはいかがでしょうか?

*片野秀樹「あなたを疲れから救う休養学」東洋経済新報社

本記事は日本のユーザーの方のために、「多様で、健康的なファッション産業をつくる」ことをミッションに活動する一般社団法人unistepsが執筆しています。

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マルティン メンド 有加
「多様で、健康的なファッション産業をつくる」をミッションに掲げる一般社団法人unisteps理事。元INHEELS代表。サステナブルファッションをライフワークに、ファッション・自然・社会の交差点で気になる問いを言葉にしている。いちジャズファンとして、グルーヴとスウィング感のある文章を目指す。

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