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ストーリー|2025.05.21

ファストファッションもOK? 早稲田大学サークル「ReF」メンバーが語る、Z世代が実践するサステナファッションのリアル

「サステナブルな服って、どこで買える?」「高くて手が出ない…」そんな悩みを抱えながらも、工夫しながらファッションを楽しむZ世代たち。ファストファッションも古着もOK。それぞれの等身大の買い物スタイルを、早稲田大学の学生団体ReFのメンバーに聞いた。

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参加メンバープロフィール
(中央)ルーバー 遥 恵深李(ReF代表/早稲田大学国際教養学部3年。卒業後はファッションサステナビリティ分野での仕事を希望)
(右)中西遥佳(ReF副代表/早稲田大学教育学部4年。卒業後はエネルギー会社でカーボンニュートラル電力に携わる予定)
(左)髙橋 玲(ReF会計/早稲田大学人間科学部4年。卒業後は食品業界でプラントベースの商品開発に携わる予定)

早稲田大学発、創立5周年を迎えたファッションサークルReF

サステナビリティにもファッションにも関心が高いと言われるZ世代。一方サステナブルなファッションを選択したいけれど、高い、売っている場所が少ない、好きなデザインが見つからない、本当にサステナブルな取り組みをしているかわからない…など、さまざまな理由で踏み出せない人も多いかも。今回は早稲田大学発ファッションの持続可能性に目を向けた活動を行うインカレ団体「ReF」のメンバーに、そんな現役大学生の生の声を聞いた。

ReFは、「“Rethink Fashion”サステナブルをライフスタイルに」をテーマに、ファッションを楽しみながら持続可能性に目を向けた活動を行う早稲田大学の学生団体。2020年に同年代をターゲットにサステナブルファッションにまつわる情報発信を行う団体として創立し、今年で5年目を迎えた。現在では大学の枠を越えて約90名が所属し、Instagram、YouTube、Webという3つのプラットフォームを軸に、定期的なコンテンツを発信。また、フリーマーケットの開催や学校への講演など、対面でのイベントにも力を入れている。過去にはアパレルブランドとコラボした服づくりやPR企画を手がけるなど、企業との連携も積極的に行ってきた。

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服の選び方に“正解”なんてない。Z世代が語る、それぞれのサステナビリティ

髙橋玲さん(以下 髙橋)私はもともと環境問題に関心があったのと、ものづくりが好きで以前から昔の服をリメイクしてオリジナルの服を作ったりしていました。大学ではその2つの掛け合わせができると思いこの団体に入りました。

中西遥佳さん(以下 中西)私はそれまでサステナブルに興味はあっても自分が実践できるというイメージをもっていなかったのですが、大学に入ってから友人に国際カンファレンスに誘われて、「エシカルファッション」というのを知って興味をもって入りました。

ルーバー遥恵深李さん(以下 ルーバー) 私は高校生の頃から環境問題に興味があり、同時にファッションが好きだったので、ファッションの抱える社会課題にもやもやしていました。そんななか早稲田大学の受験を考えていた時にInstagramでReFのアカウントを見つけて、ずっとチェックしていたんです。入会してみて、特に楽しいと感じているのは毎年夏に開催するフリマを中心としたPOP UPや早稲田祭といったリアルイベントです。普段はオンラインでの活動が多いからこそ、メンバー間で交流できる機会は貴重です。

髙橋 高校生の頃からチェックしていたってすごいよね。私は海洋問題とか自然環境には興味があったけれど、ファッションという切り口からそこに働きかけるのは自分はできないと思っていました。逆にそういうことを実践している人から刺激がもらえたらいいなと思って入会したんです。

ルーバー 私は高校生の時はお金がないから高いサステナブランドは買えないし、ファストファッションを買うしかない、っていう感じだったんだよね。だけど古着に興味を持ち始めたのをきっかけに、メルカリとか、セカンドハンドなら生産による環境負荷をかけずに安く好きな服が買えると考えるようになって。

中西 確かに、大学生になって私服になってから、「あの子いつも同じ服着てる」って思われたくなくてファストファッションに手を出してしまった時期もあった。でもReFに入ってから、自分の行動ひとつが結構大事だって思うようになって、以前より服を買うことに時間をかけるようになったんです。

髙橋 私は二人とはちょっと違うアプローチかも。私は今もファストファッションも結構買っています。ファストファッションが悪いということではなくて、大事なのは「着方」じゃないかなと。長く大切に着られるように、洗濯の回数を減らしたり、洗濯の水もお風呂の残り湯を使うとか、汚れても簡単に捨てないでリメイクやリサイクルをするとか。あとは私も買う時にじっくり時間をかけます。パッと見て欲しくてもすぐ買わず、一度帰ってコーディネートとか手持ちの服と被ってないかとかよく考えてからもう一度買いに行く、というように。

――今日のファッションのポイントは?

中西 トップスはベーシックなものがほしいと思って、ラルフローレンのアウトレットで買ったシャツ。ボトムスは大学に入った頃からずっとはいているお気に入りです。靴はギフティングでいただいた、steppiというブランドのもので、リサイクルポリエステルの糸で編んだ靴で、すごく歩きやすいです。

髙橋 私はカットソーは母のお下がりのGU、ジャケットは高校生の時から着ているものです。

ルーバー 私もトップスのインナーは母のお下がりで、ベルトは母と共有しているもの。カーディガンは古着。デニムは以前買ったのですがちょっと丈が短かったので、裾をほどいて切りっぱなしみたいにして着ています。ネックレスとバッグはメルカリで買ったヴィヴィアン・ウエストウッド。ヘッドフォンはAmazonの中古で買いました。

髙橋 私も中学くらいの時に買ったデニムが短くなったんだけど、ロールアップを全部下ろしてアイロンで伸ばしてはいてる(笑)。

欲しいものがあっても一旦寝かせる。サステナブルな服は特に高いから、失敗できないという声も

――服を買う時心がけていることは?

中西 私はとにかく、すごく時間をかけます。どんな服が欲しいか、色、丈、形、素材などを明確にしたうえで、ぴったり合うものを探すんです。ダウンジャケットとか、シーズンのものもずっと探しているうちに季節が過ぎ去ってしまったり(笑)。どうしても見つからなくても、「一旦代わりのものを買う」とかはなくて、母や祖母のクローゼットを漁って乗り切ります。@__nmsk13というアカウントの方のファッションが好みに近いので、自分の好きをぶらさないようにするためにチェックしてます。トレンドのデザインのものは来年着にくくなるから、買わないようにしてるかな。

髙橋 わかる。サステナブルな服は特に高いから、失敗できない。「本当に欲しい? 10年後も15年後も着られる?」と徹底的に自問します。必ず試着をしてから買いたいのでネットショッピングはしないし、母や父と一緒に行くようにしています。いいなと思っても「似たのが家にあるよ」なんて言ってくれるので。それに私も母から貰うものも多い。トレンドは知っちゃうと気になるからあんまり触れ過ぎないようにしてる(笑)。

ルーバー トレンドは巡るから、私も母が若い頃着てた服から探したり、古着で探したりします。あと、スタイリングのトレンドもあるから、例えばカーディガンなら一番上のボタンだけ留めるとか、パンツの上にワンピを着るとか、手持ちの服でもトレンド感が出せる。NYのファッションYoutuberでMAIAZINEっていうアカウントがあって、この人のスタイリングやトレンドの話を参考にしています。私も買うのは古着で月に1、2着、新品はシーズンに1着買うか買わないかというくらい。

髙橋 買う時は、GUとかユニクロはリサイクルできるボックスがあるので、最終的に行き先があるブランドはチェックしています。

ルーバー 私はMUMEというサステナブルファッションのブランドが気になっているの。シンプルで色もアースカラーが多くて、バティックの技法で染めているのが素敵なので。ちょっとお高いのでなかなか買えないけれど。

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中西 トレーサビリティとか児童労働とかは調べるのが難しいので、社長の顔が見える小さなブランドだと安心して買える気がする。

ルーバー そういう点でShiftCは活用しています。Instagramで見つけたブランドで可愛いなと思ったらShiftCとか、海外版のGood on Youに飛んでブランドのチェックをしますね。

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――サステナブルな情報はどうやって手に入れている?

髙橋 ReFでは月イチミーティングで最近気になっているサステナブルニュースをシェアするし、顔を合わせたときに教え合ったりしていますね。

ルーバー 私はInstagramで海外のアカウントでサステナブル関連の発信をしている人をフォローしています。@impact とか@environment はよく見ますね。

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中西 私は@elove_by_zozo をチェックします。このアカウントはZOZOTOWNで買えるものがあるので実践しやすいです。ZOZOTOWNはZOZOUSEDもあるから、新品を買わない選択もできるし。

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髙橋 私はファッションではないけど@nico_naturarl.clean 「ごみを出さない小さな暮らし」っていうところの情報を参考に、できそうなことから取り入れています。周りの同級生では普通に新しい洋服をたくさん買っている子もいるけれど、自分の考えを押し付けようとは思わない。私自身も0か100かではなく、不便を感じず楽しく暮らしていきながら日常の中で少しずつ割合を変えていければと思っています。

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ライフスタイルジャーナリスト
吉野ユリ子
1972年埼玉県生まれ。エディター、ライターとして女性誌やウェブを中心に、心豊かな生き方・暮らし方の提案を行うほか、ブランディングライターとして企業のサービスや商品の価値を言語化し届けることにも力を注ぐ。プライベートでは、2016年に娘を出産するまではトライアスロンが趣味で、アイアンマンを3度完走。現在の趣味は朗読。

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