• トップ
  • Learning
  • 【Shift Changer】鈴木里奈がVEJA創業者にインタビュー!ブランドに込めた想いと新作の魅力に迫る

ブログ|2025.04.25

【Shift Changer】鈴木里奈がVEJA創業者にインタビュー!ブランドに込めた想いと新作の魅力に迫る

Shift Cの評価で「良い」と評価を受けているフランスのスニーカーブランドVEJAのメンバーが、新作「PANENKA」のローンチイベントのために来日した。そこでVEJA愛用者であるShift Cの公式アンバサダー「Shift Changer」鈴木里奈が、ファウンダーの1人、フランソワ・ギラン・モリィヨン氏にインタビュー。新作の魅力とVEJAのフィロソフィーを聞いた。

写真:五十嵐一晴

Share :
  • URLをコピーしました

 鈴木 里奈
2001年生まれ、東京都出身。青山学院大学在学中、フェアトレードゼミで環境や社会課題に関連する商品の開発に取り組み、サステナビリティを広めるためミス青山として活動。その後、学生キャスターとしてラジオやテレビ東京の経済番組に出演し、ESG経営インタビューを通じて持続可能な社会のための発信に注力。大学卒業後はインパクト/ESG投資のVCファンドでサステナビリティコンサルティングを行う傍ら、一般社団法人IMPACT SHIFTの理事やSNS発信を通じたサステナブルライフスタイルやウェルビーイングにも取り組む。

日本初のVEJAの展示イベントを開催

こんにちは、Shift changerの鈴木里奈です。
2025年4月12日(土)、新作コレクション「PANENKA(パネンカ)」のローンチを記念して、東京・原宿にてVEJA初の展示イベントが日本で開催されました。

この特別な機会に、フランス発のサステナブルスニーカーブランド「VEJA(ヴェジャ)」の共同創業者であるギランさんが来日。
実際にお会いし、彼の言葉で、新作「PANENKA」の魅力や、VEJAというブランドに込めた哲学、そして未来へのビジョンを伺うことができました。

今回は、そのインタビューを通して見えてきたVEJAの核にあるもの、そして新作に込められた想いをお届けします。

VEJA誕生のきっかけとは?

ギランさんとセバスチャンさん――VEJAを立ち上げたふたりは、もともとサステナビリティのコンサルタントとして、世界各地の工場や農園を訪れていたそうです。
中国、インド、南アフリカ、ブラジルなど、50以上の現場を巡る中で、ある出会いが転機となりました。
それは、ブラジルのアマゾンで出会ったとある生産者。彼はフェアトレードでコーヒー豆を適正価格で取引し、労働搾取のない持続可能な仕組みを実現していたのです。
「これをスニーカーで実現できたら面白いんじゃないか?」

その着想が、やがてVEJAというブランドの誕生へとつながっていきました。

「やるなら自分たちで」――ゼロからの挑戦

他の企業をサポートする立場からでは、どうしても限界がある――そう感じたふたりは、
 「それなら、自分たちで理想を実現しよう」と決断し、セバスチャンさんと共にゼロから創業を決意。協業できるパートナーを探し、最初のコレクション「Volley」は全6色、5,000足からのスタートでした。それから20年。現在では、1シリーズで150万足にまで成長しているというのですから、本当に驚きです。

ブランド名「VEJA」に込めた意味


VEJAのソールの50%はアマゾンの天然ゴムが使用しており、フェアトレードの原則を守り適正な価格で現地の協同組合から購入している。コットンは、ブラジルとペルーで栽培・収穫されたオーガニックでアグロエコロジカルでフェアトレードのものを、生産者団体から直接購入。

「VEJA」はポルトガル語で「見る」という意味。

「商品の裏側まで“見て”もらいたい。素材の背景、生産環境など全てを知ってもらいたいという想いを込めました」(VEJAファウンダー フワンソワ・ギラン・モリィヨン氏、以下同)

ブランド名そのものが、透明性と誠実さを体現しているのです。また余談ですが、ギランさんは日本語で「見る」という響きも気に入っているようでした。

「V」のロゴに込めた普遍性

前回のVEJAのブログでもご紹介しましたが、Vejaの象徴ともいえる「Vのロゴ」。
 そのデザインは、一目でブランドがわかる強さを持ちながらも、決して主張しすぎない、クラシックでタイムレスな佇まいをしています。

「長く履いてもらうために、流行に左右されないデザインであることを大切にしています」

ファッションの“消費”ではなく、時を重ねても愛され、愛し続けるもの。まさにサステナビリティの想いが、デザインにも宿っています。

VEJAのこだわり 〜サステナブルなものづくりを支える4つの素材〜

新作PANENKAは全3色、¥27,500

VEJAのスニーカーに共通して使われている、4つの素材。それらはすべて、サステナビリティとフェアトレードの理念を体現しています。

  • ラバー(天然ゴム):アマゾンからフェアトレードで調達
  • リサイクルペット素材:インソールやアッパーの一部に使用
  • オーガニックコットン:靴ひもやアッパーの一部に使用
  • オーガニックレザー:人の健康と環境に配慮した製法でなめされた上質な素材

素材の調達から製造に至るまで、人と環境に配慮されたものづくりを一貫して貫いているのがVEJAの特徴です。

チームのムードと、大切にしていること

創業からチームは大きくなり、今では全員を把握するのが難しいほどになったそうですが、それでもギランさんは創業当初からの価値観を大切にしています。

「創業時から続けている“旅をする”という考え方は今でも大事にしています」

遠く離れた土地へ出向き、移動の時間や食事、イベントを通じてチームの絆を育む。 今回の来日も、そんな“旅”の一環だったと語ってくれました。

ブランド設立から20年、常に進化し続けるマインドセット

創業から20年。社会の価値観や潮流が大きく変化する中でも、VEJAは、創業当初から掲げてきた軸をぶらさず、常にアプローチの“進化”を重ねてきたと言います。

「私たちのやること自体は変わっていませんが、やり方はどんどん進化しています」

たとえば、生産者に適正価格の“倍”を支払うという姿勢はそのままに、現在ではボーナス制度を取り入れたり、森林保全の状況を衛星でモニタリングし、保全がしっかりされている地域には追加の報酬を支払うなど、より精緻な仕組みを構築しています。

そしてその進化は、情報発信のかたちにも表れています。
今や、サステナブルブランドには「グリーンウォッシュ(見せかけのエコ)」への疑念もつきもの。だからこそVejaは、「透明性」を何より大切にしてきました。

「すべてをサイトで伝えるのは難しい。だからこそ、実際に見て感じてもらうことが大切なんです」

ブラジルの生産現場へのツアーを実施するほか、ラバー農園やコットン畑、素材工場にフォーカスした映画制作も進行中だといいます。

ただ伝えるのではなく、“体感できるサステナビリティ”を届けるための挑戦が続いています。私自身も、いつか現地に足を運んでみたいですし、この映画が完成したらぜひ観てみたいと思いました。

新作「PANENKA(パネンカ)」ってどんなスニーカー?

今回、日本初となるVEJAの新作ローンチイベントでは、「PANENKA」が展示されており、その魅力についてギランさんにお聞きしました。

まず注目したいのが、そのユニークな名前。「パネンカ」とは、サッカーのPK(ペナルティキック)で相手の意表をついてゴール中央へふわっと蹴るテクニックのことで、それを得意としていたチェコ出身のアントニーン・パネンカ選手から付けられたそうです。そこから着想を得て、このモデル名がつけられました。

実はVEJAの最初のシリーズもバレーボールシューズがモチーフでした。スポーツとライフスタイルを融合させるというブランドのスタンスから、今回は共同創業者セバスチャンさんの“サッカー愛を反映し、70年代のヴィンテージサッカーシューズにインスパイアされたデザインに。

ギランさんが語る、お気に入りのポイントは「柔らかさ」

ギランさんに、「今回のスニーカーでお気に入りのポイントは?」と尋ねると、迷いなく返ってきたのが「柔らかさ」という答えでした。

全体に施されたキルティング加工は、足をやさしく包み込むようなクッション性を生み出し、まさに“履き心地”にこだわり抜かれた仕上がり。

その柔らかさを支えているのが、ウルグアイの農園でストレスなく育った牛から採取されたレザーです。自然に生えた草だけを食べて育つ「グラスフェッド」の方式を採用し、動物にも地球にも優しい飼育方法が徹底されています。 快適さと、環境へのやさしさ。その両方を妥協せずに叶えた一足。まさに、Vejaらしさが凝縮されたモデルです。

VEJAが目指す社会とは?

最後に、VEJAが描くこれからの未来についても伺いました。

「私たちは、一つの方向だけを見ているわけではありません。木が360度に枝を伸ばすように、多方面に可能性を広げていきたい」

その「枝」のひとつとして、今後はアジアにも注目しているとのこと。商品の展開にとどまらず、アジアのクリエイターとのコラボレーションにも、強い関心を寄せているそうです。

VEJAのスニーカーは、履き心地やデザインの良さだけでなく、その背景にあるストーリーや信念までもが、確かな魅力となって私たちに届きます。

実際にギランさんのお話を伺いながら、私自身もVEJAへの想いがさらに深まりました。読者の皆さまも、サステナブルな未来を“足元から”始めてみませんか? VEJAのスニーカーが、その第一歩となるかもしれません。 この記事が、皆さんにとって何かのきっかけになればうれしいです。それでは、また次回お会いしましょう。

ローンチイベントでは、VEJAのヒストリーを紹介するアーカイブが展示された
日本の伝統工芸「刺子」技術をPANENKAに施したシューズはドーバーストリート マーケット ギンザ限定モデル。¥165,000
Share :
  • URLをコピーしました

Ranking ウィークリーランキング (2025.04.18〜04.25)

Instagram Follow us
vejaファウンダー・ギラン氏と鈴木里奈さん

【Shift Changer】鈴木里奈がVEJA創業者にインタビュー!ブランドに込めた想いと新作の魅力に迫る