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ブログ|2024.12.25

原宿にあるアップサイクルを楽しめるコミュニティ「NewMake Labo」で、小学生ぶりにミシンを使ってみた

リメイクやリペアに関心があるものの、いざ自分でミシンを使うとなると一歩踏み出せないこともある。しかし、自分の好きな時に手ぶらで訪れ、様々な縫製機材や糸を利用でき、自由に制作できる場所があったらどうだろうか。今回は、アップサイクルなクリエイティブを楽しむコミュニティ「NewMake Labo(ニューメイクラボ)」を紹介する。

 

原稿 上杉沙樹

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NewMake Laboってどんな場所?

表参道駅を出ると、イルミネーションがきらめき、有名なブランドが立ち並ぶ大通りがへ向かう。そのまま路地裏に入ると、古着やカフェが並ぶ落ち着いた雰囲気が広がり、その一角に「ニューメイクラボ」はこじんまりと佇んでいる。

「ニューメイクラボ」は2021年7月にオープンした、サステナビリティやアップサイクルをテーマとしたラボ。国内外のブランドからの余剰在庫や規格外品、そのブランドストーリーを受け取り、機材や資材を活用して、新しい価値作りに挑戦する場所だ。デザイナーやクリエイターをはじめ、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まり、交流しながらプロジェクトやアイデアを創造している。

普段このラボは、会員が自由にクリエイションが出来る場所として開放されている。店内には大きなテーブルがあり、真っ白なカーテンの裏には布地やミシンが所せましと並んでいる。

「ここでは”スタッフと会員さん”みたいな関係ではなくて、みんながコミュニティの仲間として一緒にものづくりを楽しめたらいいなと思っています」と、ニューメイクラボを運営するSTORY&Co.のクリエイティブディレクター・大和田さんは語る。ここは単なる制作場にとどまらず、訪れた人々やスタッフとの自然な交流が生まれる空間だ。

NewMakeメンバー 瀧本さん(左)、彦谷さん(中央)、大和田さん(右)

年に数回実施されるワークショップも好評だ。2024年には、ARC’TERYX(アークテリクス)の体験イベント“アークテリクス ミュージアム”でゴアテックスの残反を使ってネームタグやポーチを作るワークショップが開催されたほか、メルカリのグリーンフライデープロジェクトでは、子どもたちが回収された洋服をミシンを使って本格的にアップサイクルするイベントも行われた。

制作に来るのは、裁縫が趣味の人や、アップサイクルなものづくりに興味を持った人、子ども連れの家族、大学のゼミや服飾専門学校の制作で訪れる学生などさまざま。会員の作品を公式Instagramで紹介することもあり、会員との距離の近さが伺える。

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小学生ぶりのミシンに挑戦

エシカルファッションに関心を持つようになってから、ネットで服を探すことが増えた。でも、なかなか自分の理想にぴったりの服が見つからず、ふと思いついたのは「自分で作ってしまえたらいいのに」ということだった。

「この服の柄はすきだけど、骨格に合わない…」
「好きだけど穴が開いてしまった..」

リペアしたり、新しいものを作ったりできる。服作りを楽しみながら、新しい価値を生み出すことができる、私の目にはそんな魅力的な場所に映った。スタッフは、縫製経験のある人なのでわからないことが聞けるのも安心だ。

そんな空間で私も早速ものづくりに入る。まずは生地選びから。ラボへの材料の持ち込みはもちろんOKだが、アパレル企業やメーカーから回収した残反や廃棄予定だった素材などを使うこともできる。これらの残布は、個人の制作で使う以外に、イベントや展示の際のデコレーションにしたりもする。スニーカーのアッパーやアウトドアテントの素材なんかもある。

私はトートバッグを作ることに決め、丈夫で伸縮性の少ない生地を一緒に探してもらった。迷った末、黒を選んだ。次は型取りと裁断。裁ちばさみの使い方を教えてもらいながら、四角い布を2つ切り出した。その後、アイロンがけをして、布をしっかり整えた。備え付けのアイロンは重厚でレトロな見た目と裏腹にとても使いやすい。

その後、刺繍機を使ってみることに。刺繍機は自分の好きなデザインを刺繍できる機械で、月に一度ワークショップが開かれている。今回は時間の関係で、アルファベットの刺繍をしてもらった。多様な字体から自分の好きな文字を選び、目の前で4分ほどで刺繍が完成した。

刺繍機が自動で文字入れをしてくれる

刺繍ができたら再度アイロンをかけてついにミシンへ移行。

まずは、ロックミシンで切りっぱなし部分がほつれが出ないように縫っていく。機材の使い方はスタッフから教えてもらうことができる。ゆっくりゆっくりペダルを踏む。ずれたりしても案外大丈夫なことに安心した。また最近のミシンは自動で糸を切ってくれるなど高機能さにも驚いた。

ここにあるミシンはブラザーのもの。展示品など機能は問題ないが、販売できないミシンを提供いただき、ラボで利用可能となった。その他、職業用ミシンや刺繍機などを備え、多様な縫い方を楽しむことができる。

そうこうして、ボディーと同じく残布から選んだ肩ひもをつけると完成!想像より小さくなり、アイパッドや本にちょうど良い大きさだ。「かわいい〜」とスタッフの皆さんにセンスをほめてもらえてうれしい。

ものを自分でつくってみると、改めてどれだけの手間がかかっているのかわかる。今回はミシンがあったので2時間で済んだが、手縫いだと本当に大変。ましてや、糸や生地レベルから作るなんて気が遠くなってしまう。

でも豊かな気持ちになるのはなぜだろう。さっきまでただの布切れだったものが、自分が切ったり縫ったりすることによって見覚えのあるアイテムへと化してゆく様子は誇らしい。

新しく作らなくてもあるものを使って素敵なものが生まれる。いつも買っているものでも、「自分でつくることができるんだ!」と気づけるような場所になったらよいなとスタッフの彦谷さんはいう。

今度は次は家に眠っている一目ぼれした布切れで何かつくってみたい。
これを読んで興味を持った人は、ラボへ訪れてみるのはどうだろうか。

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NewMake Labo

利用については会員制・完全予約制。月〜日曜日。(不定休)
詳細はインスタグラムへ。
https://www.instagram.com/newmakelabo

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