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より長く愛用するための「リペア」と「リメイク」
ユニクロ(Shift C評価:ここから)の店頭にあるリサイクルボックスを利用したことがある人も多いだろう。回収ボックスで集められた衣類は、まだ着られるものは難民キャンプに送られたり、ダウンならリサイクルされるなど、“第二の人生”を与えられてきた。この「RE.UNIQLO」プロジェクトの一環として、2022年秋からは一部の店舗で「リペア」のサービスを提供している。小さな破れやほつれなら店内のミシンで手早く修理をしてくれて、価格も500円からとお手ごろだ。
「RE.UNIQLO STUDIO」にはこの補修に加えて、刺し子や刺しゅうで直しながらおしゃれに生まれ変わらせる「リメイク」のサービスもある。「リメイク」はそもそもドイツの店舗でワークショップとしてスタートしたもので、現在はヨーロッパ、アメリカを中心に人気が広がっているという。
この人気の立役者が、ロンドンのリージェントストリート店で数々のアップサイクルアイテムを作ってきたStudio Masachukaの森川正彦さんだ。汚れた部分を切り取って3色をコラージュしたニットや、ボタンをジップにつけかえポケットの角度も工夫したユニバーサルデザインのシャツなど、どれも“修理”の域を超えたデザイン性の高さに驚かされる。現在はロンドンとベルギーを拠点に、チームで月に500着近くアップサイクルを手がけているという。
「ポイントは汚れや破れなどのダメージを、デザインの一部と考えること。ダメージの点と点をつなげて線にするイメージで作っています。日本の伝統技法である刺し子だけでなく、最近はきもの生地を使ったパッチワーク、ペインティング、書道のカリグラフィーといったデザインも取り入れています」と、クリエイションの幅を広げている。
服を手放すのは、破れや汚れなどの「物理的寿命」に加えて、飽きてしまったり似合わないと感じるなどの「心理的寿命」も大きい。ダメージを補修しつつ、心躍る服に生まれ変わらせるStudio Masachukaのアップサイクルは、フィジカル/メンタル双方にアプローチする魅力的な手法だ。
世界で見直されているユーザーの「修理する権利」
循環経済の基本となるのが「リフューズ」「リデュース」「リペア」「リユース」「リサイクル」の5Rだ。古着のリユースや、再生素材へのリサイクルは、さまざまな所で見聞きするようになり私たちの生活に浸透してきた。しかしそれらに比べると「リペア」の取り組みはまだまだ少ない。一方で、世界的には生活者の「修理する権利 Right to Repair」が見直されており、フランスでは「循環経済法」の一環として2023年秋から、服や靴を修理する人に「ボーナス」を支給している。ヒールの修理や服のほつれ直しなどで、6~25ユーロを国が補償してくれるという仕組みだ。
日本で1年に廃棄される服は約47万トン*あるが、「リペアが当たり前になり、日本人全員が今までより1年長く服を着ると、4万トンの廃棄削減につながると言われています。まずは店頭でリペアの文化を浸透させたい」とユニクロ グローバル マーケティング部長のシェルバ英子さん。
10月の「修理の日」をきっかけに、洋服のリペアやアップサイクルの楽しさにふれてみたい。
RE.UNIQLO STUDIO <リペア無料または割引キャンペーン>
10月18日(金)~10月20日(日)
全国13店舗のRE.UNIQLO STUDIOにてアンケートに答えた方が対象
※対象はリペアメニューのみで、刺し子や刺しゅうのリメイクメニューは含まない
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/planet/clothes_recycling/re-uniqlo/studio