ニュース|2024.08.27

この8月にサステナファッションについて知るべき10のこと

シーインの疑わしい”循環性ファンド”の設立からルルレモンのグリーンウォッシング訴訟まで、2024 年 8 月に知っておくべきニュースをご紹介。

翻訳;上杉 沙樹

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※この記事は、8 Things to Know in Sustainable Fashion This Augustを日本語訳したものです。

活動家らが英国政府にシーインのロンドンIPOを阻止するよう要請(ロイター通信)

先月、シーインがロンドン証券取引所へIPO上場に向けた書類を提出したというニュースをお伝えした。現在、ロイター通信は、英国政府に同社のIPOを阻止するよう求めるオンライン請願書が出ていると報じている。フェア・ファッション運動家のベネティア・ラ・マンナ氏が立ち上げた“Say No to SHEIN” (シーインにノーを)請願書は、小売コンサルタントのメアリー・ポータス氏が支援しており、執筆時点で4万人を超える署名が集まっている。

2億5000万ユーロの”循環型ファンド”はシーインを循環型にできるか?(ファッションユナイテッド)

シーインの話題は尽きない。今度は循環型ソリューションを開発しているヨーロッパとイギリス全土の取り組みに投資する「Circularity Fund(循環性ファンド)」を立ち上げたことが話題になっている。「このファンドによるシーインの狙いは、収益性の高いヨーロッパとイギリスの市場、そしてデザイン人材のプールをさらに活用することなのは明白だ」とファッションユナイテッドは述べた。「服の生産量を削減し、過剰消費の促進をやめる代わりに、ファンドの設立により循環型素材で作られた商品を購入していると信じさせることで、消費者の罪悪感を和らげようとしている。」

バングラデシュの衣料品業界、抗議活動の弾圧で揺れる(フィナンシャル・タイムズ)

「バングラデシュの衣料品産業は、当局が学生デモ参加者への弾圧の一環として夜間外出禁止令と通信遮断を課したことで混乱に陥っている」とフィナンシャル・タイムズ紙は報じている。この制限措置は現在部分的に解除されているが、衣料品産業に大きな打撃を与えており、工場の閉鎖を余儀なくされ、輸送費に影響を及ぼし、サプライヤーの遅延を引き起こしている。

ファッション業界が他業界のサプライチェーンから学べること (ヴォーグビジネス)

ヴォーグビジネス誌のマリハ・ショアイブ氏は、他の業界のサプライチェーンはファッション業界と同じくらい複雑だが、その管理方法と統合方法には重要な違いがあると主張した。ショアイブ氏は、ファッション業界が運輸、食品、美容業界から学べる 3 つの重要な教訓を紹介している。上記の業界は安全上の懸念がイメージしやすいことからより厳しく検査されているが、ファッション業界も同様に扱われるべきだといったことなどが指摘されている。

ラグジュアリー業界はついにサステナビリティの見直しに踏み切るのか?(ビジネス・オブ・ファッション)

ビジネス・オブ・ファッションは、ディオールジョルジオ・アルマーニが最近、”スウェットショップ”と呼ばれる劣悪な労働環境と関連づけられたことから、ラグジュアリー業界のサステナビリティに関する大きな疑問が差し迫っていると伝えている。イタリアの競争当局*が進行中の調査「ブランドの倫理と伝統技術への取り組みについて、消費者を欺いたかどうか」の結果が公開されると、さらなる問題が浮き彫りになると予想される。

*競争当局=公正な市場競争を守るために、独占や不正行為を監視・規制する政府機関

ルルレモン、新たな訴訟で「世界的なグリーンウォッシング」行為と非難される (ザ・ファッション・ロー)

ルルレモンはフロリダ州で新たにグリーンウォッシング訴訟の対象となっている。この訴訟では、同社のマーケティング・キャンペーンとサステナビリティの主張が実際の活動やビジネス・モデルと矛盾しており、実際より優良だと消費者に誤解させていると主張している。

カリフォルニア環境エンジニアがPFASを破壊する細菌を発見(ソーシングジャーナル)

ソーシングジャーナルによると、カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)の研究者らは、アウターウェアや靴の防水剤に通常含まれる”永久化学物質”と呼ばれるPFASの一部を破壊できる細菌種を発見した。研究はまだ初期段階だが、その発見は興味深い。

「良い」そして「素晴らしい」 ニュースを

毎月、新しく評価されたブランドからのニュースや製品のハイライトを紹介。

DAWNデニムのベトナム工場労働者

ジーンズの作り手に直接チップを渡せる仕組みを実現、ドイツのデニムブランドの挑戦。

Shift Cで「素晴らしい」という評価を受けているデニムブランドDAWN(ドーン)は、世界中のどこからでもチップの受け渡しを可能にするサービスTip Me(ティップミー)と提携し、購入者がベトナムにいるジーンズの作り手に直接チップを送れる仕組みを実現した。同ブランドは、これが給与代替制度ではないこと、また最低賃金を支払い、労働者が公正に扱われるように務めていることを強調している。「ジーンズを1本購入して、それを地球の反対側にあるベトナムで作った人に直接チップを渡せるというユニークな機会があることを想像してみてください」と、消費者とサプライヤーが連帯する未来への期待を述べた。

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